ドル円 上下動はあるものの、引き続きレンジ内か(19/9/4夕)

トータルで2円を超える戻りを記録している。下値リスクはかなり軽減された感を否めない。

ドル円 上下動はあるものの、引き続きレンジ内か(19/9/4夕)

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4日の東京市場は、ドルが小高い。寄り付きは105円台だったが、夕方にかけて上げ幅を拡大させ106円台へと乗せている。

ドル/円相場は105.90-95円でオープンしたのち、しばらくは揉み合い。105.80-106.10円といったレンジ取引が続くなか、夕方に上放れすると、日中高値である106.25円レベルまで小幅に値を上げた。一部新聞による「香港行政長官が逃亡犯条例を正式に撤回する意向」−−とした報道が好感されていたという。16時時点でも、日中高値である106.20円前後で推移、欧米時間を迎えていた。

なお、そうしたなかやや目立った動きをたどっていたのが英ポンド。対円では前日安値126.65-70円を起点に、本日東京では128.95円レベルを示現し、トータルで2円を超える戻りを記録している。下値リスクはかなり軽減された感を否めない。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中関係」と「英国情勢」について。
前者は、劉中国副首相から「貿易戦争には断固反対」、「米中は互恵にもとづいて問題を解決できると期待する」といったやや融和バイアスのかかった発言が聞かれたものの、トランプ米大統領は「わたしが大統領に再選されれば中国にとって取引は厳しくなる」、「中国が貿易協議を引き延ばし」などとし、強気の姿勢を崩さず。妥協点は見いだせなかった。

それに対して後者は、欧州委報道官から「合意なき英離脱の可能性は極めて高い」などとした発言が聞かれるなか、英議会で「離脱延期法案」を審議することが可決された。ジョンソン英首相は、以前から同法案の審議入りに過半数が賛成した時点で解散総選挙を議会に提案する方針を示していたが、実際の採決で敗れたことを受け、「政府は総選挙実施に向けた動議を提案する」と表明、改めて物議を醸す結果に。

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それなりの上下動は観測されているものの、マーケットの方向性は乏しい状況だ。106円を挟んだレンジ内で、往来相場に終始している感がある。時間足など短期チャートを見ると、目先のドル下値トライが失敗に終わったように見えるが、上値も重そう。したがって、今週高値の106.40円レベルを仮に上抜けても、107円には届きそうにないとの指摘が聞かれていた。

材料的に見た場合、大きな括りでは「米国ファクター」に含まれる「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「貿易問題」、「金融政策」などが注視されている。また、米国ファクター以外では「英国情勢」を中心とした様々な欧州ファクターにも要注意。ただ、なかでもとくにとなると「米金融政策」がもっとも気掛かりだ。昨日発表された米経済指標、とくに8月のISM指数は49.1となり、景気判断の分岐点である50を割り込む「ネガティブサプライズ」となっただけに、本日以降、週末に発表される米雇用統計まで、さらに米指標への注目度が高まってきた感を否めない。

テクニカルに見た場合、引き続きレンジ取引。昨日、一時105.70-75円まで値を下げたが、過去1週間あまりのレンジ下限である105.60円を抜けることは出来なかった。
対するドルの上値についても、今週高値である106.40円レベルでドルの上値は重そうだし、抜けても先週末高値を含む106.70円レベルなど上方向の抵抗も多い。結果、106円台を中心とした取引が続く可能性もある。

一方、材料的に見た場合、7月の米貿易収支や米地区連銀経済報告が発表される予定となっている。前述したように、昨日発表された米経済指標がネガティブサプライズとなっただけに、本日もその内容には注意を払いたい。
また、ウィリアムズNY連銀総裁やカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁による講演をはじめ、米通貨当局者による発言機会が本日は目白押し。9月FOMCを見極める意味もあり、要人発言の内容が注視されていることは間違いない。

それなりの上下動は観測されているものそんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.70-106.70円。ドル高・円安方向は、今週のドル高値にあたる106.40円レベルの攻防にまずは注目。抜ければ106.70円レベル、そして107円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日NYで記録した安値105.70-75円が最初のサポート。下回ると105.60円レベル、105.40-45円などが意識されそうだ。

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