ドル円 予断許さないが、基本はレンジ取引継続か(8/28夕)

引き続き、要人発言などを中心に双方の動きには波乱要因として注意が必要だろう。

ドル円 予断許さないが、基本はレンジ取引継続か(8/28夕)

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28日の東京市場は、揉み合い。値幅は20ポイント強、105円台後半における一進一退で、明確な方向性も乏しかった。

ドル/円相場は105.70円前後で寄り付いたものの、終日を通して売買は手控えムード。実際、105.65-90円といったレンジ内での一進一退に終始している。プラス圏で始まった日経平均株価が一時マイナス圏に転じたものの、大きくは下げなかったことで、その影響も限定的だった。16時時点では105.75-80円で推移、欧米時間を迎えている。

なお、値動きそのものは決して大きくなかったが、豪ドルやNZドルが続落し、対ドルなどで直近安値を更新。そうしたなか、NZ中銀総裁から「現行の低金利であっても、時宜を得て景気を刺激するという点で金融政策は引き続き効果的であるということの確信を得た」との発言が聞かれていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「日韓関係悪化」について。
予定通り日本政府が28日0時に、いわゆる規制強化の第2弾となる「輸出管理上の優遇対象国から韓国を除外する措置」を発動。また、日韓議員連盟の額賀会長が韓国首相と電話会談を実施するも、「優遇措置撤回なら軍事協定放棄の判断再検討」との提案を拒否したことが明らかとなっていた。

さらなる関係悪化が取り沙汰されるなか、米国防次官補から「軍事協定破棄について韓国は再考を」との発言が聞かれていたが、問題に深入り、あるいは関係改善に向けて強く関与する気はまだないようだ。

そのほか単発モノとしては、トランプ米大統領が「米金融当局、あまりにも長期に判断を誤り続けた」など発言し、再びFRBにプレッシャーをかけたことが話題となっていたうえ、国連安保理が北朝鮮によるミサイル発射を議論、全体では意見がわかれるも英仏独が共同で「非難声明」を発表し強く批判していたという。

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先週末に記録したドル高値106.74円と、今週初めのドル安値104.44円で、目先の天底どちらも達成してしまったのかもしれない。したがって、敢えてリスクを指摘すればドル安方向にバイアスだが、しばらくは105円台を中心に、ややワイドである104.44-106.74円というレンジ内での一進一退を続ける可能性がある。次の動意に向けた時間調整を予想する声も少なくないようだ。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が多いなか、もっとも関心の高いものは「米中関係」について。もちろん、「貿易問題」が主題ではあり、それについて昨日も中国外務省報道官から「米中が最近電話協議をしたという話は聞いていない」とした関係改善に水を差すようなコメントが聞かれていたうえ、香港や台湾、南シナ海、ファーウェイなどでのつばぜり合いも激しい。引き続き、要人発言などを中心に双方の動きには波乱要因として注意が必要だろう。

テクニカルに見た場合、ワイドにとれば前述した104.44-106.74円のレンジだが、昨日来といった目先は105.59-106.40円という1円未満の値動きにとどまっている。まずは後者、106円を挟んだ居心地の良いレンジから、上下どちらに放れていくのか、その方向性に注目。下放れれば再び105円割れが現実味を増す反面、上抜けた場合には直近高値106.74円がターゲットとなりそうだ。

一方、材料的に見た場合、マーケットで注視されるような米経済指標発表の予定はない。そうした意味ではやや動きにくそうな雰囲気。
ただ、それでも米財務省による5年債、そして2年物変動利付債の入札が実施されるほか、バーキン・リッチモンド連銀総裁などによる講演が実施される見込みとなっている。すでに8月も残りわずかとなるなか、9月FOMCをにらんだ米連銀総裁の発言を警戒する声も少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.30-106.20円。ドル高・円安方向は、昨日欧米高値である106.05-10円をめぐる攻防にまずは注目。上抜ければ106.40円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日以降ドルの下値を支えている105.60円前後が最初のサポート。下回ると105.15-25円や105円ちょうどなどが意識されそうだ。

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ドル円時間足

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