ドル円 ドル下値リスク残るが、第一波は終了か(8/26夕)

週明け26日の東京市場は、上下に振れる荒っぽい展開。

ドル円 ドル下値リスク残るが、第一波は終了か(8/26夕)

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週明け26日の東京市場は、上下に振れる荒っぽい展開。ザラ場ベースでは104.40円台まで値を下げたものの、そののち急速に買い戻され105円台を回復している。

先週末の土曜日、韓国が「日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄」を正式決定した翌日に北朝鮮が日米韓を挑発するかのように、再び「弾道ミサイル2発を発射」した。また、フランスでG7首脳会談が開催されるなか、別途実施された日米首脳会談において「貿易問題が大筋合意した」ことが明らかになるなか、週明けの為替市場は寄り付いている。

早朝、時間外取引でドル/円はいきなりの105円割れ。正式な寄り付きも104.90円レベルと104円で取引が始まったのちも下げ止まらず、一時は104.40円台へ。ドルは年初来安値の104.10円をうかがう様相を呈したが、そののち切り返すと105.80円近くまで、1円を超える急反発をたどっている。ドルは戻り高値を示現後、再び小緩むもすでに底堅い。16時時点では105.65-70円で推移、欧米時間を迎えていた。

なお、そうしたなか、朝の早めの時間帯にトルコリラが急落。対円では18円台から1円程度値を下げたが、滞空時間は短く、元のレベルにまでスグに反発している。そのため、一部ではミスヒットの可能性も取り沙汰されていたようだ。

一方、材料的に注視されていたものは、対照的だった「日米貿易協議」と「米中貿易問題」について。
前者は、2日間の予定が3日間へと延びた閣僚級協議後、出席していた茂木再生相が「日米閣僚級貿易協議で大きな進展があった」と発言。金融市場においても期待感が高まるなか、フランスで日米首脳会談が実施され「日米貿易交渉が大枠で合意」、9月の署名を目指す意向が示されており、ポジティブサプライズに。

対して後者は、トランプ米大統領が「発動済み対中関税を30%に引き上げる」と正式発表したことに続き、「対中関税をもっと引き上げるべきだった」、「米国内への生産移管も含め、中国の代替先をすぐに探し始めるよう命じる」などと発言、強硬な対中スタンスが様々な憶測を呼んでいた。それに対して、中国は商務省が「米の制裁関税引き上げに断固反対する。中国人民の決意を過小評価するな」と鼻息荒く反発していたが、そののちややクールダウンしたのか、劉副首相が「貿易戦争のエスカレートに断固反対」などと火消しに動いていたようだ。

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先週末に報じたように、金曜日の東京夕方時点で、それまで1週間の変動幅は106.15-70円の55ポイントにとどまっていたものが、そののち堰を切ったかのように大荒れの展開をたどっている。さらに、その流れは週明けの本日東京市場にも引き継がれていたようで、実際ドル/円の変動幅は1.3円を超えるかなりの激しさだった。ともかく、東京時間に一時104円台前半まで下落したことからすると、基本的なリスクは下向きか。ただ、下値トライの第一波は終了したとの見方から、しばらくは様子見になるとの指摘も少なくない。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が多いなか、対中を中心とした「米貿易問題」が依然として最大の注目材料か。最後の最後まで予断は許さないとは言え、日米については取り敢えず一息ついた感があるものの、週末にはEU大統領が記者会見において、「断固としてフランスのワインを守る。米国が関税を課すなら、EUは対抗する」と表明するなど、米欧の対立が再び浮上してきた感も否めない。こちらの動静にも引き続き要注意だ。

テクニカルに見た場合、本日の東京時間に一時104.40円台までドルは下落したものの、そののち105.70円まで1円以上の反発をたどっている。ドルの下落リスクそのものは、いまだくすぶっているが、第一波は終了し、下値トライは仕切り直しに。むしろ、このあと106円台にしっかり乗せてくるようだと、ドルの基調そのものをニュートラルに戻す必要があるのかもしれない。さらなるドルの戻りにも一応注意を払いたい。

一方、材料的に見た場合、7月のシカゴ連銀全米活動指数や8月のダラス連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表される予定となっている。市場では9月FOMCの行方が俎上にのぼっているだけに、発表される米指標の内容を気にする向きも少なくないようだ。悪化すれば、ドル安の後押し要因に。

それとは別に、26日までフランスで実施される「G7サミット」も気掛かり。本日NHKが改めて「1975年の開始以来初めて、『首脳宣言』の採択見送りが決まった」と報じていたが、それだけに終了後の議長国コメントなどを警戒する声も多い。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.00-106.50円。ドル高・円安方向は、106円前後そして106.20円レベルの攻防にまずは注視。上抜ければ、先週末高値である106.74円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、105円台前半、105.15-20円に弱いサポートあり。それを下回ると、104.40円台、本日記録した安値が再び視界内に捉えられそうだ。

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