パウエルFRB議長講演 (2019年8月23日ジャクソンホール)

先週金曜日にFRB議長がジャクソンホールにて講演しました。講演時の一部抜粋です。

パウエルFRB議長講演 (2019年8月23日ジャクソンホール)

パウエルFRB議長講演

(1)現在米国経済と7月緩和以降の状況についてのみ和訳
講演は
@ 1950〜1982のマクロ経済の不安定と大不況
A 1983年〜2009年の金融緩和から大不況
B 2010年から今日までの金融政策とニューノーマルの勃興

以上の3つの区分けで金融政策が辿った道を分析しています。これら内容の詳細については略させて頂きます。これをベースに現在の米国経済とそれを取り巻く世界の情勢について簡単に述べたものが以下になります。

(講演内容開始)
年初からの米国経済は引き続き好ましい状態が続いた。企業投資と製造業は弱くなったが、堅調な雇用の伸びと上昇している賃金が消費の拡大として働き、全般的に緩やかな伸びを下支えている。時間が経過し、我々はこの好ましい状況下で3つの重きをなす要因を検証してきた。それは、世界経済の鈍化、貿易政策の不確実性、そして抑えられたインフレである。世界経済は昨年央から悪化している。貿易政策の不確実性は世界鈍化の役割を演じ、米国の製造業や稼働率を弱めている。インフレは目標値2%以下で推移している。

委員会の参加者はこれらの進展状況や、それによる適切なFFレートへの道への見通しを下げさせているリスクを検証している。7月の利下げに沿って、機先を制した緩和の道のりで、これによりインフレや雇用を好ましいものにできると説明を行った。
現状の環境に目を向けると、我々は、米国経済の見通しや金融政策に対し密接に関わりあっているものを査定し、その進展を注意深く見守っている。7月会合以降3週間経過したが、中国の輸入に対する新たな関税の発表があった。

我々は更なる世界経済の鈍化の指標を見た。とりわけドイツと中国である。ハードBrexitの可能性の高まり、香港での緊張高まり、イタリア政権の混乱を含め地政学問題が多くなっている。金融市場はこの混乱に強く反応している。株式市場はボラタイルになり、長期国債は前回金融危機の水準まで急激に下がっている。米国経済は消費により全般的に良好で、雇用増加はまだ強い状況は保っているが、昨年のペースよりは下がっている。インフレは2%に近付く動きになっている。これらの進展に密接に関わり合っている査定状況に基づき、我々は拡大を支えるべく適切に行動するだろう。
(以上)
  (注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)

このジャクソンホール講演後に中国の対米関税賦課発言がでており、これを踏まえて、市場では一層の金融緩和や資産購入再開等の金融政策が9月会合以降でてくると予想しています。


(2)CMEのFEDwatchの変遷:僅か2日にして大きく変わっています。
(2019年8月21日現在)現在のFFレート2〜2.25%をベースにして:
FOMC開催   据え置き    25ベーシス利下げ   50ベーシス    75ベーシス
@ 9月18日   1.9%      98.1%        0%        0%
A 10月30日   0.6%       30.2%        69.2%        0%
B 12月11日    0.2%      11.4%       44.5%       43.9%


(2019年8月23日現在)
@ 9月18日   0%       88.1%        11.9%      0%
A 10月30日   0%        23.1%        68.1%      8.8%
B 12月11日   0%        9.1%         40.8%      44.7%
        更に100ベーシス下げが 5.3%に増えています。

ドル円相場は朝方のシドニー市場での104円台突入で、年始のシドニー市場の底値とダブルボトムを形成しており、短期的に大きなたくり線を作っていますので、今日105円未満で終わるか106円絡みで終わるかで今週の流れが大きく変わってきます。また月足では90ヶ月線(106円24銭)にスポットが下抜けで掛かり、これは2007年8月以来のことです。2013年5月にスポットが90ヶ月を上抜けで掛かっているので、丁度6年毎のサイクルになっています。
(2019年8月26日16:10、1ドル=105円71銭、1ユーロ=1.1135ドル)
(以上)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る