レンジ内での乱高下続くか、要人発言に注意(8/21夕)

本日も発言内容によっては、再び相場が上下に振れる展開がありそうだ。

レンジ内での乱高下続くか、要人発言に注意(8/21夕)

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21日の東京市場は、ドルが小高い。値動きそのものは決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」の展開で、変動以上にドルの強さが目についた。

ドル/円は寄り付いた106.20円前後を日中安値に小じっかり。一時106.55-60円レベルまで上昇している。NYダウ先物が小幅高で推移したうえ、日経平均株価は結局マイナス圏で大引けたものの、寄り付きからすると下げ幅を大きく縮小させており、ドル買い・円売りの支援要因になっていたという。
途中で若干の下押しが入る局面もあったが、終盤にかけて再び盛り返すと16時時点では106.55-60円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「欧州情勢」と「米要人発言」について。
前者は、「イタリアのコンテ首相が辞意を表明」し、昨年6月に誕生した連立政権はわずか1年程度で幕を下ろすこととなった。そうしたなか、メルケル独首相が英国情勢について「バックストップに関して現実的な解決方法を探る必要がある」などと発言したのち、「ブレグジット合意に関しては再交渉の必要は無い」との見解を示すなど、発したコメントがポンド相場を攪乱させていた感も否めない。また、後者との関連でいえば、EU大統領が「英首相の離脱協定再交渉要求を拒絶」し、ポンド売りに寄与していたようだ。ほかに、前日聞かれたトランプ米大統領による「グリーンランド買収」発言を受けた動きとして、9月上旬のトランプ氏のデンマーク訪問中止も話題に。

それに対して後者は、トランプ氏およびポンペオ国務長官からの発言が多く観測され、市場の俎上にのぼっていたようだ。一例を挙げると、トランプ氏からは「金融当局は時間をかけて100bpの利下げをするべき」、「減税の可能性を常に検討」、「ロシアをG7に再度組み入れることが適切」など。またポンペオ長官からは「ファーウェイは安保上の脅威」、「米中貿易戦争は20年の大統領選までに解決可能」、「北朝鮮との協議は平坦な道のりでない」−−との発言が聞かれていた。

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値動きそのものは観測されているものの、あくまでもレンジ内での上下動。実際、今週ここまでの値動きは106.15-70円といったもので、期間を少し延ばして過去1週間程度と考えても105.60-107.00円に過ぎない。いずれにしても、明確な方向性は乏しい状況だ。週末に予定されている「FRB議長のジャクソンホール講演」をにらみつつも、上下どちらに抜け行くのか次の方向性が注視されている。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が多いなか、ともかく気になるのは前述したように、トランプ氏を筆頭に閣僚なども含めた米要人の発言の多さ。しかも、意図してなのかどうなのか、結果として発言が相場の波乱要因となることも少なくない。本日も発言内容によっては、再び相場が上下に振れる展開がありそうだ。

テクニカルに見た場合、ごく目先的には106.15-70円のレンジ取引。まずは、足もとの狭いレンジを上下どちらに放れていくのか、その方向性が注視されている。ただ、どちらに抜けても、もう少し上下をワイドにとった105.60-107.00円という大きなレンジのなかにはとどまりそう。しっかりとした、次の方向性が示されるのは、いま少し先のことになるとの指摘も聞かれていた。

一方、材料的に見た場合、7月の中古住宅販売件数という米経済指標が発表されるほか、7月末に実施されたFOMCの議事録要旨が公開される予定となっている。なかでも後者について、9月を含めた先行きの利下げスケジュールや回数などの見通しを注視している向きは少なくない。
また、22日まで実施される「日米貿易交渉の閣僚協議」の行方にも注目。9月合意に向けた進展がみられるのか、市場の期待感も大きいものがあるようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.10-107.00円。ドル高・円安方向は、直近で少なくとも2度上げ止まった今週高値106.70円レベルの攻防にまずは注視。ただ、上抜けても106.78円、107円など抵抗は多く上値は重そう。
対するドル安・円高方向は、今週のドル安値である106.15-20円が最初のサポートで、割り込むようだと106円割れトライも否定できない。しかし、105円台後半にはテクニカルポイントも多く、大きく崩れるイメージに乏しい。

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