ドル円は106円台で落ち着きどころを探る展開継続か(8/20夕)

20日の東京市場は、ドルが小安い。ただ、下値は106.40円台で止まるなど限定的で、むしろ底堅さも目についた。

ドル円は106円台で落ち着きどころを探る展開継続か(8/20夕)

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20日の東京市場は、ドルが小安い。ただ、下値は106.40円台で止まるなど限定的で、むしろ底堅さも目についた。

ドル円は106.60円前後で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。オープンレベルを中心とした106.50-70円といったレンジ取引をたどっていたが、終盤になり若干値を崩すと、106.40-45円まで下落している。しかし、大崩れすることはなく、むしろ底堅さを示すように、16時時点では106.45-50円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、為替市場はクロスにおいても全般円買いが進むなか、豪ドルが堅調裡。対円でも上昇している。発表された豪中銀の政策委員会議事録において、「必要性を示す兆候あれば一段の緩和を検討する」との見解が示されたが、マーケットでは材料の出尽くしなどが指摘され、買い戻しが優勢に。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中情勢」について。
引き続き「貿易」、「台湾」、「香港」−−を三本柱とした両国の鍔迫り合いが観測されている。順を追っていくと、「貿易」は米商務省がファーウェイに対する締め付けを厳しくしたことで懸念が再び拡大し、「台湾」については中国外務省が台湾向け米国製戦闘機の売却取り消しを改めて要求したことが話題となっていた。また「香港」は、ペンス米副大統領が「中国に法の尊重を要求」したのに対し、環球時報が「米は中国の決定を左右できない」などと反発の姿勢を示している。
そのほか単発的なモノとしては、トランプ米大統領が発した「政策金利、少なくとも100bp下げるべき」、米商務長官による「FRBの金融政策に起因するドル高で気分を害している」−−という2つの発言が思惑を呼んでいた。ほか、NHKが報じた「G7サミット、首脳宣言を出さない方向で調整が進められている」も物議を醸していたようだ。

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過去1週間程度続くレンジ内にとどまってはいるものの、その上限を意識した展開となっている。実際、目先レンジの上限である15日高値106.78円に、昨日欧米時間そして本日東京時間にも一時接近していた。このあとも、106.78円をトライする展開には注意を払いたい。とは言え、仮に上抜けても107円前後に再び強い抵抗が位置しており、イケイケドンドンでのドル高進行は見込みにくいのかもしれない。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が多いなか、単なる貿易だけにとどまらず台湾や香港ファクターも含めての「米中情勢」が気掛かりだ。とくに、「香港情勢」を警戒が必要だろう。一方、米国絡みのファクターの多くが市場の目を引きがちだが、欧州に関しても気になる要因は多く散見される。週末24-26日にG7サミットが実施されることに合わせ、世界各国の様々な問題が一気に噴出するといった懸念を抱く向きもあるようだ。さらなる抗争の激化も懸念されている。

テクニカルに見た場合、時間足など短期的には105.60-106.80円といったレンジにとどまっているが、上限越えが視界内に捉えられてきた。このまま106.80円を超え、それとともに107円の壁も抜けられるのかが注視されている。上放れればまずは107.20円レベル、そして107.70円などが意識されそうだ。
それに対し、下方向はレンジ内でも下値が少しずつ切り上がっている。

一方、材料的に見た場合、本日も目立った米経済指標の発表は予定されていない。
そうした意味ではやや動きにくそうな雰囲気だが、本日は「クオールズFRB副議長が地域社会の発展について講演」を行う予定となっているなど、要人の発言機会は少なくない。週末にかけて実施される「FRB議長のジャクソンホール講演」が今週最大の材料といっても過言ではないが、先でも指摘したようにトランプ氏などから改めて利下げ圧力がかかっているだけに、通貨当局者の見解は気になるところだ。

そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、106.00-107.00円。ドル高・円安方向は、昨日そして本日と少なくとも2度上げ止まった106.70円レベルの攻防にまずは注視。ただ、上抜けても直近高値は106.78円、107円も強い抵抗になるなど、上値は重いか。
対するドル安・円高方向は、東京安値である106.40-45円が最初のサポートで、割り込むようだと106円割れトライも否定できない。しかし、105円台後半にはテクニカルポイントも多く、大きく崩れるイメージには乏しい。

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ドル円時間足

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