<< 東京市場の動き >>
15日の東京市場は、夕方にドルが急騰。106円レベルから、短時間で70-80ポイントもの上昇を一時みせた。
ドル円は105.80-85円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。日本は終戦記念日で、お盆の真っただ中、参加者そのものも少なかった。また、日経平均など日本株は終値ベースで前日比249円と大幅安で引けたものの、対照的にNYダウ先物は100ドルを超える上昇を示すなど、日米で株価が異なる動きを示したことも、動きにくさを醸していた面を否めない。
しばらくは、105.70-106.05円といったレンジ取引をたどるなか、夕方にいきなりドルが急騰。ストップロスを巻き込んだこともあり、106.75-80円まで一時上昇した。16時時点では小緩んだ106.30円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」について。
日米については、日経新聞が13-14日に実施された事務レベル協議に関し、「農産品や自動車など工業品の関税引き下げをめぐって詰めの議論を進め、一定の進展があったようだ」と報じていた。そうした状況を踏まえたうえで、茂木再生相は会見で「ワシントンで21-22日にライトハイザー米USTR代表との協議を予定している」と説明している。
対して、米中は中国共産党機関紙・人民日報傘下の国際情報紙「環球時報」の編集長がツイッターにおいて、「中国が米に追加関税撤廃を要請」と指摘したことが話題に。一方で、米国サイドはロス米商務長官がCNBCに対し、「米政府が対中関税第4弾発動の一部延期を決定するなかで、中国側から譲歩は一切ない」と述べたとされていた。
<< 欧米市場の見通し >>
マーケットの値動きが非常に軽い状況となっている。そうしたなか、本日東京はやや平穏、レンジ取引のまま終了かと思いきや、前述したように夕方いきなり70-80ポイントもドルが一時急騰した。やはり今年は「薄商い=荒れ模様」の色彩で、このあとも引き続き荒っぽい価格変動には注意を払いたい。それでも基本的にはレンジ内にとどまると予想するが、105.50円あるいは107.00円を抜ければ、その限りではないだろう。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が多い。それらいずれも重要だが、「貿易問題」も含めた幾つかの「米中鍔迫り合い」が気掛かりとなってきた。とくに、ここ数日俎上にのぼっているのは「香港ファクター」で、昨日もトランプ氏が「香港を人道的に扱うべき」と発言したことに対し、中国サイドは「内政干渉だ」と強く反発している。かつての「天安門事件」との類似性などを懸念する声も聞かれるなど、場合によっては新たな懸案事項となる可能性も。
テクニカルに見た場合、時間足など短期的には105.60-107.00円といったレンジを形成している感がうかがえる。実際、本日夕方に見せたドル急騰局面でも、上値は107.00円のレンジ上限手前では上げ止まった。
ともかく、まずは足もと1.4円ほどのレンジをめぐる攻防が注視されており、上抜ければフィボナッチなどで見たテクニカルポイントの107.20円、下方向に割り込めば105.05円の前回安値がターゲットに。
一方、材料的に見た場合、8月のNY連銀製造業景況指数や同フィラデルフィア連銀景況指数といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。久しぶりに、重要かつ複数の指標、さらに一部は最新8月分のデータとなるだけに大いに注意を払いたい。依然として薄商いが続くなか、数字如何では相場の波乱要因となる可能性もある。
そのほか、夏休み入り後もSNSを駆使し、「発言」を続けるトランプ氏の言動にも要注意。事実、昨日も「中国との貿易摩擦は問題ではない。問題はFRBだ」と指摘したうえで、「FRBは利下げが遅過ぎる」と再びプレッシャーを掛けていたようだ。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、105.60-106.80円。ドル高・円安方向は、本日夕方に記録したドル高値である106.80円前後の攻防にまずは注目。上抜けた場合には107円や107.20円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日NY安値である105.65円レベルが最初のサポート。割り込むようだと、105.05円の前回安値が意識されそうだ。
ドル円15分足
オーダー/ポジション状況
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