油断は禁物だが、ドル円の基本はレンジ継続か(8/9夕)

9日の東京市場は、ドルが小安い。ドルの一段安進行は見送られたものの上値も重く、終日低い揉み合いだった。

油断は禁物だが、ドル円の基本はレンジ継続か(8/9夕)

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9日の東京市場は、ドルが小安い。ドルの一段安進行は見送られたものの上値も重く、終日低位揉み合いだった。

ドル円は106. 00円で寄り付いたのち、日中安値の105.70円レベルを示現。前回安値105.50円が意識されたものの、抜けられず、その後は105円台後半を中心としたレンジ取引に。前日5日ぶりのプラス圏で引けた日経平均株価は続伸となったが、上げ幅が小さかったこともあり、影響は限られた。16時時点では、ほぼ寄り付きレベルの105.90-95円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、前日2008年以来の7元台を記録した中国人民銀が発表した本日の人民元設定レート、対ドル中心レートは「1ドル=7.0136元」。7日連続の下落だった。

一方、材料的に注視されていたものは、複合的な「米国ファクター」について。
インパクトは限定的だったが、もっとも興味深かったのはトランプ米大統領が発した「強いドル、わたしは嬉しくない」との発言。口先介入に動いたということすれば、もう少しドル安が進行しても不思議はなかった気がする。また、米中貿易戦争激化と絡め、ブルームバーグが報じた「米国企業が華為技術(ファーウェイ)とのビジネスを再開するためのライセンスに関して決定を先送り」との内容、香港政策をめぐり米国務省が「暴力的な政権」などと中国を批判したことなども話題となっていた。さらに、米国の中南米政策を統括してきたブライヤー国務次官補の辞任が発表されたが、その理由として一部メディアは「ブライヤー氏とホワイトハウスとのあいだの軋轢」を指摘しており、思惑を呼ぶ格好に。

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今月1日には一日で2円以上の動いたドル円だったが、値動きは徐々に収束。ここ2-3日は106円台を中心に、105.50-106.70円といったレンジ取引の様相をうかがわせている。前述したように、昨日聞かれたトランプ氏の「口先為替介入」も本来であれば、もう少し影響が出ても不思議はないものの、限られた影響にとどまったところにマーケットの慣れが表れているのかもしれない。「薄商い=荒れ模様」の展開にも要注意だが、いましばらくレンジ取引が続く公算が大きいようだ。


材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」などが依然として注目されている。そのいずれも要注意だが、とくに後者の2つか。うち「米貿易問題」は単なる貿易、モノの輸出入に関する要因だけでなく為替問題や、日韓については軍事面を含めた複合的な色合いが濃くなりつつある感。いずれも、2国間協議などを経ての落とし所が注視されている。対して「米金融政策」は、トランプ氏による「大幅利下げ実施要求」が正当化されるのか、それとも打ち消すようなものとなるのか、発表される米経済指標の内容などを警戒する声も多い。

テクニカルに見た場合、6日に記録した107.11円と7日安値105.50円で、当面の天底を確認した感もある。つまり、105.50-107.11円のレンジを形成しており、範囲をさらに狭めれば上値が若干切り下がり105.50-106.70円となるだろう。目先は価格ではなく時間調整の様相で基本レンジ取引継続か。いずれにしても、次の材料ならびに、抜けていくタイミングと方向性が注視されているようだ。

一方、材料的に見た場合、7月の生産者物価指数など幾つかの米経済指標が発表されるものの、それほど注目度は高くない。よほどの数字にならないかぎり影響は限定的か。
決まった材料としては、やや乏しいものの、米国よりも欧州ファクターに要注意か。たとえば、連日のように首相や閣僚から「10月のEU離脱」説が取り沙汰されている英国では4-6月期のGDP速報値が発表される見込みで、内容次第では波乱もあるだろう。

そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、105.50-106.40円。ドル高・円安方向は、ここ2-3日のドルの抵抗となっている106.30-40円の攻防にまずは注目。上抜けば106.70円レベル、6日高値の107.11円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京で示現した安値105.70円前後が最初サポート。割り込んだ場合には、前回安値105.50円が意識されそうだ。

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