<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場は、ドルが小安い。ただ、106円割れでは底堅く、さらなるドル安の進行にも歯止めが掛けられた。
ドル円は寄り付いた106.40-45円を日中高値に、ドルがやや冴えない。前日比68円安と小幅ではあるものの、日経平均株価が4日続落となったことなどが嫌気され、ドル売り・円買いの一因に。ただ、106円割れでは底堅く、下値は105.90-95円まで。その後、小戻すと16時時点では106.20-25円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか非常に荒っぽい変動をたどっていたのがNZドル。対円では69.60円台から、短時間で一気に2円近く急落する局面も観測されていた。同国中銀が0.5%の利下げを実施したことに続き、追加利下げを示唆した見解を示したことが材料視されていたという。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易戦争激化懸念」について。
トランプ米大統領は自身のツイッターに、「米国が極めて力強いポジションにある」との考えを示し、中国との貿易戦争による影響をめぐる懸念払拭を狙ったものの、サンフランシスコ連銀総裁は「FRBの次の動きを考察するうえで、対中貿易摩擦を注視している」、セントルイス連銀総裁からも「貿易の制裁の応酬、米金融当局は対応不可能」−−との発言が聞かれるなど当局はやはり悪影響を懸念していることが改めて明らかになった。なお、そうしたなか米NEC委員長から別途、「トランプ大統領は中国との協議継続を希望している」との発言も聞かれている。
そのほか単発モノとしては、中国人民銀による人民元の設定レートが注視されていたものの、フタを開けたら「対ドル中心レートは1ドル=6.9996元」でほぼ予想通りの結果。また、FOXニュースが「ボルトン米補佐官は北朝鮮ミサイルに警戒感を示した」と報じるなど、2週間足らずのあいだに4回のミサイル発射が観測された北情勢も折につけ話題に。
<< 欧米市場の見通し >>
8月に入って以降、やや荒っぽい展開をたどっているドル/円相場だが、ようやく一息ついた感もある。ドルの下値リスクそのものはくすぶるが、昨日の105円半ばで目先のボトムは達成したのかもしれない。ただ日柄的には、欧米勢のなかにはサマーバカンスをとっている向きが少なくないうえ、日本勢も15日前後に多い盆休みが意識される時期に入ってきた。今年については「薄商い=動かない」ではなく、「薄商い=荒れ模様」の展開により注意を払いたい。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」などが依然として注目されている。そのいずれも要注意だが、とくにとなるとやはり「米中貿易戦争激化懸念」になろう。報復合戦、ノーガードの打ち合いといった様相を呈しつつあるものの、たとえば米紙WSJは「米中西部が中国との追加関税合戦にうんざりしている」と釘を刺したうえで、トランプ氏が米企業トップの声を聞かざるを得ないと指摘していた。一連の騒動の落し所は果たしてどこなのか、引き続きその動静はしっかりと見極めたいところだ。
テクニカルに見た場合、大きな流れとしてのドル安リスクは継続しているものの、昨日記録したドル安値105円半ばで、第一波は終了したのかもしれない。油断は禁物だが、しばらくは106円台を中心としたレンジ取引、時間調整を予想する声も少なくないようだ。とは言え、前述した昨日安値を下回った場合、あるいは107円台にしっかりと乗せてきた場合はその限りでない。荒っぽい変動が続く可能性もある。
一方、材料的に見た場合、6月の消費者信用残高など幾つかの米経済指標が発表されるものの、それほど注目度は高くなく、基本的にはノーインパクトか。
ただ、米財務省による10年債の入札や、エバンス・シカゴ連銀総裁によるメディア向け朝食会開催などが実施される見込みで、そちらについては一応要注意。また、米国を中心としたニュースばかりがクローズアップされるが、英国を中心にイタリアなどほかの欧州諸国の動きも気になる要因は少なくない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.70-106.70円。ドル高・円安方向は、106.60-70円に弱い抵抗が位置しており、まずはその攻防に注目。上抜けば、昨日高値の107.05-10円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の105.90-95円が最初サポートで、割り込んだ場合には再び105円半ばが意識されそうだ。
USD/JPY60分足
オーダー/ポジション状況
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