NZ中銀の金融政策結果(8月7日開催分)
本日、NZ中銀はオフィシャルキャッシュレートを従来の1.50%から50ベーシス下げ、1.00%に決定しました。エコノミスト予想が25ベーシスでしたので、大幅な利下げを実施しています。
以下はNZ中銀金融政策議事要旨です。
オフィシャルキャッシュレート(OCR)は1.0%に引き下げられた。金融政策委員会はより低いOCRが雇用やインフレ目標への合致を続けるには必要であると合意した。
雇用は維持できる最大の水準で推移している。一方でインフレは我々の目標レンジ内で推移しているが、中間値の2%よりは低いままである。雇用改善や賃金の伸びを示した最近のデータは歓迎される。
GDP成長は昨年来減速した。成長の逆風が起きている。追加金融刺激策なしで、雇用やインフレは我々の目標に照らし合わせて、おそらく緩んでいくだろう。
世界経済活動は、NZ製品やサービスに対する需要低下と共に、継続的に弱くなっている。高まる不確実性や国際貿易の低下が、貿易パートナー国の成長を下げている。各国の中銀は経済を支えるために金融緩和を行っている。世界的に長期債は歴史的低水準まで下がっている。これは将来の低いインフレ見通しや成長率を伴っている。
NZにおいては、低金利や増加する政府支出が、この先の需要上げに貢献している。企業投資は低金利で上昇が見込まれ、現行の生産余力の圧迫が予想されている。
今日の我々の決定は、インフレを目標値中央まで確実に上げ、雇用は現行の最大水準で維持できるという約束を説明するものである。
(2019年8月会合のサマリーは以下を除き略)
委員達はOCRの25ベーシス下げと緩和バイアスを残すことによる恩恵と、対して50ベーシス利下げの恩恵とを議論した。委員会は双方のオプションとも、経済見通しの先行きの道のりと一貫していることを確認した。そして委員会はOCRを50ベーシス利下げし1%にすることで総意に達した。より大きな緩和策はインフレと雇用の目標値を合致させるため、委員会に確信させるベストなものであることに合意した。
(要旨は以上)
(注)NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
相場は、金融政策発表前に0.6545〜50米ドル辺りで推移していましたが、市場予想を上回るNZ中銀の利下げ幅に、NZドルは0.6378米ドルまで約170ピップス弱も売られました。これまで守られていた0.6480米ドルのサポートを切り、トリプルボトム抜けになりました。短期的には売られ過ぎになっていますが、NZドル安の流れは変わっていません。
これで2018年10月安値の0.6425米ドルも下抜き、2016年1月の0.6347〜50米ドルに顔を合わせています。新たなNZドル安トレンドラインが0.6290〜0.6860米ドルにありますので、もし0.6347〜50米ドルのダブルボトムを切るようですと、トレンドライン下限までのトライになります。一方で上値は0.6480米ドルが抵抗線になり、0.65米ドル以上を回復しない限り、NZドル安からの調整入りとなりNZドル買い戻し局面には入れない形になっています。
尚、オセアニア通貨として豪ドルも対米ドルで連れ安しています。
(8月7日14:00、1NZドル=0.6397米ドル)
次回の金融政策は2019年9月25日(水曜日)に予定されています。
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
ニュージーランドドル(NZD)の記事
Edited by:川合 美智子
2019.08.08
ニュージーランドドル週報(2019年8月第2週)
NZ/円、予想外の大幅利下げで急落。新たな下げトレンド入り。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。