アッサリ109円台回復、ドル続伸に注意(8/1夕)

1日の東京市場は、ドルが堅調裡。前日クリアに越えられなかった109円の壁を超え、一時109.30円台までドル高が進行している。

アッサリ109円台回復、ドル続伸に注意(8/1夕)

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1日の東京市場は、ドルが堅調裡。前日クリアに越えられなかった109円の壁を超え、一時109.30円台までドル高が進行している。

ドル/円は108.70円前後で寄り付いたのち、しばらく揉み合い。108.70-90円といったレンジ取引をたどっていたが、上抜けすると、そのまま109円を突破し日中高値である109.30-35円まで一気に値を上げている。高値示現後は、やや調整色の強い展開となるが底堅く、結局一度も109円を割らないまま16時時点では109.20-25円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「米中貿易協議」について。
前者は、本日未明にFOMCが「0.25%の利下げ」を発表。また、その後の会見でパウエルFRB議長から「長期にわたる一連の利下げの始まりではない」との発言も。ある意味では予想通りだったが、トランプ米大統領などから事前に強い利下げ圧力を受けていたことで、むしろタカ派的な内容だったといった評価も少なくない。なお、結果についてトランプ氏は「失望した」と早くも不満を表明している。

対して後者は、2日間の日程でトータル5時間程度実施された閣僚級協議について、日経新聞は「具体的な進展はなかったもようだ。中国による米国産農産品の輸入拡大をめぐっても主張は食い違い、米中の溝の深さを印象づけた」と報じていた。実際、終了後に中国外務省の華報道局長から、「貿易協議で米国はもっと誠意をみせるべき」などとした異例の非難コメントが聞かれている。また、そうしたなかなか進展状況を受け、米紙WSJは「中国が『待ち』に戦略転換」する可能性を指摘、思惑を呼んでいた。

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昨7月31日、7月最終営業日の相場は、強固な抵抗である109円を結局超えられず。ドルの上値の重さを露呈した格好だったが、月が変わって数時間後、つまり本日8月1日の東京時間にアッサリ109円台を回復してきた。まるで憑き物でも落ちたかのようだ。いずれにしても、リスクはドル高方向にバイアスがかかり、次のターゲットは109円半ば。ただ、経験則に見て「8月は円高有利」とされることへの警戒から、継続性にはやや疑問を抱く声も少なくない。

材料的に見た場合、「米金融政策」については引き続き要注意だが、昨日のFOMCを受けしばらくのあいだ重要度合いはやや下がりそうだ。そうしたなか「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」などが注目されている。たとえば、北情勢に関しては英独仏の要請で早ければ1日にも「国連安保理非公式会合」が開催される可能性があるうえ、イラン情勢についても日程は未定だが、近く「米抜き閣僚級の核合意協議」が実施される予定だという。夏休み入りしている各国首脳も少なくないが、重要案件の多い様々な政治要因には注意が必要かもしれない。

テクニカルに見た場合、7月相場は結局109円が抵抗となり、月間1.8円レンジにとどまったものの、8月入りした途端にその上値抵抗を超えてきた。ちなみに次のターゲットは、一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置するほか、年初来高値112.40円を起点とした下げ幅の半値戻しも近い109円半ばとなる。仮に、そのレベルも越えると110円レベル、そして移動平均の200日線が位置する110円半ばなどが意識されそうだ。

一方、材料的に見た場合、7月のISM製造業景況指数や6月の建設支出といった複数の米経済指標が発表される予定となっている。
前述したように、昨日パウエル議長は追加利下げに慎重なスタンスを示したことで、参加者のあいだではしばらくのあいだ米経済指標の数字を見極めたいとの声が多い。果たしてパウエル発言を後押しするような、良好な指標が発表されるのか否か、お手並み拝見だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.60-109.60円。ドル高・円安方向は、本日東京時間に記録した高値109.30-35円の攻防にまずは注視。抜ければ109円半ば、そして110円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京で上抜けたのち一度も下回っていない109円レベルが最初のサポートか。ただ、割り込んだとしても108円台にはテクニカルポイントが多く、底堅そう。

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