米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利結果(2019年7月30日・31日開催分)
以下はステートメントの訳となっています。
(1)FOMCステートメント
6月の会合以降に入手した情報では、労働市場は依然強く、経済活動は緩やかに上昇している。
雇用はここ最近平均的に堅調で、失業率は依然として低い。家計消費の伸びは年初からは上昇したが、企業の固定投資の伸びは弱い。12ヶ月ベースで、全般的なインフレや食品・エネルギー除くインフレは2%以下で推移している。市場ベースでのインフレ計測指標も低いままだ。より長期の調査ベースでのインフレ期待値も変わっていない。
FRBに一貫して与えられた任務は、最大雇用と物価安定である。抑え込まれたインフレ圧力と同様に経済見通しに対する世界的な進展具合に照らし合わせ、委員会はFFレートを2〜2.25%に目標レンジを下げることを決定した。これは、経済活動の持続的拡大、強い労働市場、インフレを目標値である2%に近づける動きに寄与できるとの委員会見通しから決定された。
しかし、この見通しに関する不確実性は依然残っている。委員会はFFレートの目標レンジについて、将来の道のりを熟慮するに際し、入手できる情報を精査し続け、強い労働市場やインフレ目標2%を伴った拡大を支えるに必要で適切な行動を取っていく。
FFレート目標レンジの調整に関するタイミングや規模の決定に際しては、委員会が最大雇用とインフレ2%に関連し、既発の、あるいは予想される経済状態をしっかりと査定していくつもりである。これには労働市場の状況査定、インフレ圧力やインフレ期待の指標、金融や国際状況の進展などが含まれている。
委員会は8月にはSOMA(System Open Market Account)における積み上がった保有債券の減少措置を止める。これは前回に指摘した時期より2ヶ月早い。
今回の決定に賛成者8名(パウエル、ウィリアムズ、ボウマン、ブレイナード、ブラード、クラリダ、エバンス、そしてクォールズ)、反対者2名(エスサー・ジョージ、ローゼングレン)となり、今回の会合では2.25〜2.50%の据え置きを選好した。
(上記出所:FRB HP)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
FRBの利下げにも関わらず、ドル指数は2年振りの高値を付けました。パウエルFRB議長は、今回の利下げを、「長期にわたる金融緩和サイクルの1回目というよりも中期サイクルでの政策調整」と述べており、継続緩和の開始を示唆したものではなく、下振れリスクに対する予防措置と述べています。多くの市場参加者が求めていた50ベーシスの利下げをある意味否定したことになりました。
CMEのFedwatchでは、次回9月FOMC時点で、据え置き45.8%、25ベーシス利下げが54.2%と拮抗した数値になっており、7月29日時点の、据え置き27.4%、25ベーシス利下げ56.7%、50ベーシス利下げ15.9%と比較して、追加利下げ派が大きく後退しています。
これにより、米国は貿易問題の不確実性とドル高という2つの問題を抱え込んだと分析している人もいます。
一方、株式市場はFOMCの議事要旨公表後に株安となりました。これは利下げが1回きりになる可能性があるとの見方から、嫌気した株売りが出ました。但し、経済の健全性をFRBが指摘しているので、長期的には株価には好影響を与えてくれるとの分析もあります。トランプ大統領の大幅利下げ要求とは異なる方向性なので、この間に企業業績回復の兆しが求められことになります。
ドル円相場はFOMCの利下げにも関わらずドルが買われ、昨日のNY市場では109円丁度までドルの高値が上がりました。今日の東京市場でドルが一段高となり、109円32銭の高値を付けています。日米の景況感格差とそれに伴う金利差でドル選好になっています。
現状では109円30銭〜40銭に抵抗線がありますが、今日のNY終値で109円台に乗せると、先に109円60銭、109円90銭〜110円の抵抗線を狙える形になります。中期トレンドはドル安ですので、短期のドル高で何処まで戻すのかを確認する状況にいます。
サポートは108円50銭〜60銭、107円40銭〜50銭にあり、前者を切れると短期の上げは一度終了し、後者サポート方向の流れになります。その際は再度108円台中心のレンジに引き戻されそうです。
(2019年8月1日13:30、1ドル=109円22銭、1ユーロ=1.1045ドル)
オーダー/ポジション状況
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