<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場は、ドルが強含み。終盤にかけて前日の戻り高値を更新、一時108.20円前後まで値を上げている。
ドル円は107.80-85円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。107.80-95円といった狭い範囲のレンジ取引をたどったが、上抜けすると108円台を回復。終盤にかけては、さらに上値を広げ、前日の戻り高値を更新し108.20円前後までドルは上昇している。日経平均株価が終値ベースで200円を超える上昇をたどったことなどが好感されている面もあったという。16時時点では108.10-15円の日中高値圏を維持、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、またもや「トランプ劇場」とも言える広範囲にわたる様々な発言。
米中貿易問題については、「通商協議を進めており、状況がどうなるか見守ろう」と発言するなか、米紙WPが報じた「中国ファーウェイ、北朝鮮を秘密裏支援か」に素早く反応、ファーウェイと北朝鮮の関係調査を表明している。また、別途北朝鮮情勢に関し具体的な人物名は伏せつつ「前向きなやり取りしたが協議再開は未定」と発言、金融政策ではFRBに「二度と失敗するな」と指摘したうえで、月末のFOMCで利下げを催促するようなコメントも。さらには「債務上限めぐる議会との協議は順調」、「インド首相からカシミール地方をめぐるパキスタンとの領有権争いの仲裁を依頼された」、「次期英首相候補のジョンソン氏には期待している」−−など、種々雑多だった。
そのほか単発モノとしては、日本で参院選が終了し組閣人事が取り沙汰されるなか、共同通信が「麻生・菅氏は続投で調整」と報じ、金融市場的には安心感を醸す材料に。米紙が報じたシェルトンFRB理事候補が「月末の大幅利下げを実施すべきとの考えを示した」ことも、先のトランプ発言とあわせ一部で話題となっていた。なお、金融政策について黒田日銀総裁は米国で講演し、「強力な緩和を続ける方針」と発言していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
市場をみると、月末FOMCにおける利下げはほぼ確定ながら、下げ幅について当初の0.5%から0.25%へとシフトチェンジした向きが多いようだ。それが足もとのドル買いに繋がっている感がある。しかし、先でも取り上げたトランプ氏やシェルトン氏の発言からすると、本当にそれで治まるのかという疑問が残る。そのうえ中途半端な0.25%にとどまれば、「次回FOMC以降に、再利下げも」といった憶測が出易く、打ち止め感は先送りされる可能性もありそうだ。いずれにしても、あまり過度の楽観論に傾斜することは危険だろう。
材料的に見た場合、引き続き「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「貿易問題」、「金融政策」、「債務上限問題」など、米国に関する要因が目白押し。そのうち、もっとも注視されている「米金融政策」については前述したとおり。次いで注目を集める「貿易問題」は24日から実施される日米事務レベル協議が警戒されているうえ、先の項目には含めなかったが、日本の輸出管理強化を不服として韓国要人が23-27日に訪米、米政府関係者と会談し、「日本の措置の不当性を訴える」としているだけに、そちらの行方も一応注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、18日にレンジを割り込み107.21円まで下落した動きが観測されているが、やはりドルの下値トライは「ダマシ」に終わったようだ。本日東京時間には一時108.20円レベルと、前述安値から1円程度も値を戻してきた。
ここから先は上値も重そうだが、ドルの続伸には一応要注意。ちなみに、上値メドは直近下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しや16日高値を含めた108.30-40円、12日高値108.61円などとなる。
一方、材料的に見た場合、7月のリッチモンド連銀製造業指数や6月の中古住宅販売件数といった米経済指標が発表される予定となっている。再三再四指摘しているように、「米金融政策」に対する市場の関心が高いだけに、内容次第では一過性にせよ乱高下をたどる展開などもありそうだ。
また、本日は英国情勢に要注意。英与党保守党による「党首選の結果公表」が明らかになる見込みで、まずは下馬評どおりジョンソン前外相が勝利を収めるのか否かが注視されている。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、107.70-108.50円。ドル高・円安方向は、東京高値である108.20円前後をめぐる攻防にまずは注視。上抜ければ16日高値などを含む108.30-40円、108.61円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、今週のドル安値圏である107.70円レベルが最初のサポート。ビッドは切り上がり底堅いイメージだが、割り込めば直近安値107.21円が再び視界内に捉えられかねない。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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