<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場は、ドルが小じっかり。やや上下動の目立つ展開ながら、夕方にかけては値を上げ、前日失敗に終わった108円台への定着も取り敢えず実現させた。
東京市場は107.85円前後で寄り付いたものの、しばらくは揉み合い。107.80-95円といったレンジ取引が続くなか、3連休明けの仲値不足観測などもあり、日中高値である108.10円前後まで一気に値を上げている。仲値決定後は売りに押され、一時107円台まで小緩んだものの底堅く、夕方にかけて再び上昇すると108円台を回復しダブルトップを達成。16時時点では、108.05-10円の日中最高値圏で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、様々な分野に及び観測された「トランプ米大統領発言」について。
例えば、14日に実施された不法難民摘発について「非常にうまくいった」と自画自賛したことに続き、前日発表された中国経済指標と絡め、「中国経済の減速は米国による対中関税が大きな影響を与えている証し」としたうえで、米政府が中国に一段の圧力を加える可能性があるとけん制している。また、「エスパー代行を国防長官に正式指名」したほか、メキシコやカナダとの協定をめぐり「米野党・民主党に新NAFTAの批准を阻止しないよう要求」。さらに、自身が発したモノではないが、米通商製造政策局長が「トランプ氏は国産の鉄・スチール製品の原材料などの国内調達基準を引き上げる大統領令に署名する計画である」とコメントし、こちらも思惑を呼んでいたようだ。
そのほか単発モノとしては、イラン報道官が「核開発、合意前に戻す可能性も」と発言するなど引き続き同国情勢の緊迫化が懸念されたほか、米財務長官が「米中は週内に再び電話会談を行う可能性がある」と指摘し、米中貿易問題も注目要因として再び取り沙汰されていた。また茂木再生相からは「貿易交渉の次官級協議、今後の進め方を米側と調整している」との発言も。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日は東京が休場だったが、ロンドンやNY市場はオープン。しかし、値動きからすると開店休業状態で、実際丸一日を通した値動きはわずか30ポイント強にとどまっている。そんな昨日高値が108.10円レベルで、同水準は本日東京時間も2度ほど上値を抑制され、なかなか強い抵抗になっている。とは言え、このあとの欧米時間に越えていく可能性が高いと予想するが、仮に超えられないようだと、再び下値リスクが高まり107.80円の直近安値をうかがう展開となる可能性もある。
材料的に見た場合、引き続き「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」などへの関心が高い、その中でも前述したように「イラン情勢」ならびに「米貿易問題」で動きがあり、改めて注目度が増しているようだ。後者は、ムニューシン氏の発言が正しければ「週内に再び米中電話会談を行う可能性がある」とのことであり、注意を払いたい。そのほか、米経済指標に対する参加者の注目度もかなり高く、本日発表される米経済指標も、その内容如何を受けて市場は一喜一憂することになるかもしれない。
テクニカルに見た場合、昨日から本日にかけては107.80-108.10円といった極めて狭いボックス相場。さすがにレンジは狭すぎ、値動きが長期化することはないと思われるが、ともかくまずは足もとの30ポイントレンジの抜けていく方向を注視したい。上方向であれば、108.61円や108.99円などがターゲットとなる反面、下抜ければ107円半ば、107.30円などを目指す展開も。
一方、材料的に見た場合、6月の小売売上高や7月のNAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表される予定だ。昨日発表された7月のNY連銀製造業景況指数がかなりの好数字だっただけに、本日の指標も総じて良好となれば、ドルの買いを後押しする可能性もある。
また、パウエルFRB議長が仏中銀主催の夕食会に参加、エバンス・シカゴ連銀総裁による講演などのほか、ゴールドマンサックスなどによる決算発表も一応要注意。そのほか、ドロ沼化する日韓関係と絡め、本日夜から韓国を訪問するスティルウェル米国務次官補の動静や発言を注視している向きも少なくない。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、107.70-108.50円。ドル高・円安方向は、時間足ベースでは直近だけで最低3度越えられなかった108.10円レベルが最初の抵抗。上抜ければ12日高値の108.61円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、強固な岩盤が形成されつつある107.80円前後の攻防にまずは注視。割り込むと3日安値の107円半ばを目指す展開か。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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