<< 東京市場の動き >>
週明け17日の東京市場は、ドルが小じっかり。途中で伸び悩んだものの、円は対ドル以外でも全面安に推移しており、ドル円も一時108.70円レベルまで上昇していた。
先週末15日の報道では、「トランプ米政権は、2000億ドル分の中国製品に対する制裁関税『第3弾』を全面適用」、閉幕したG20エネルギー相会合では「タンカー攻撃で懸念を共有」することで一致との報道が観測されるなか、週明けの金融市場は寄り付いた。
ドル円は先週末のNYクローズと大差ない108.45-50円で寄り付いたのち、円全面安の流れに乗り、108.70円レベルまで小幅に上昇。その後は上値も重く伸び悩みとなったが、下値も堅い。108.50-70円で揉み合いをたどるなか、16時時点では108.55−60円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、週末に9000ドルを大きく回復するなど急騰を見せた仮想通貨(暗号資産)ビットコインだが、本日はやや方向性が定まらない。8900-9200ドルと、やや広いレンジの展開に。
一方、材料的に注視されていたものは、再び「米貿易問題」について。
先で指摘した「米が対中関税第3弾を適用」を発表するなか、USTRは「17日から『対中関税公聴会』の開催」を予定している。反面、中国サイドは共産党機関紙が「米国と長期的貿易戦争を戦う用意」と表明するなど、いまだ強い対立構造に変化はみられない。なお、米国が昨年実施した鉄鋼やアルミニウムの輸入制限に対抗して、インドが対米報復関税、一部製品で引き上げを実施したことが物議を醸していた。
そのほか単発モノとして、立憲民主党代表「安倍首相問責決議案の提出を検討。麻生金融相に不信任案提出方針」、「香港で『200万人規模』のデモ実施、トップ辞任と条例撤回求める」、米大統領「FRBは金利を高くし過ぎ」、前FRB副議長「トランプ氏が大統領に再任ならパウエル氏留任はない」−−とする発言や報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
本日の東京時間に108.70円レベルまで上値を拡大させたものの、それでも先週のレンジ内。レンジ上限の108.80円あるいは109円を超えていけば、景色が少し変わりそうだが、果たして超えていくことが出来るのか、まずはドルの上値をめぐる攻防に注意したい。ちなみに、109円を超えた場合の次の上値メドは、年初来のドル高値112.40円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しに当たる109.55円レベルとなる。
材料的に見た場合、継続案件が山積み。たとえば、「北朝鮮」や「タンカー攻撃問題を含めたイラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」、「英政治情勢」などになる。そのいずれも気掛かりだが、なかでも鮮度の高い「イラン情勢」ならびに、USTRが「17日から『対中関税公聴会』の開催を発表」したこともあり、「米貿易問題」にはとくに要注意。
テクニカルに見た場合、先週のドル円はざっくり108.15-80円のレンジ、また6月以降で見ても107.80-108.80円の1円相場にとどまっている。明確な方向性は乏しいと言わざるを得ないが、足もとは108.70円まで上昇し、上限抜けが視界内に捉えられてきた。続伸を期待したい。ただ、上値トライが失敗に終われば、一転してレンジ下限を試すような値動きをたどっても不思議はないだろう。
一方、材料的に見た場合、6月のNY連銀製造業景況指数やNAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表される予定となっている。先週末にも、トランプ氏から「FRBは金利を高くし過ぎ」との発言が聞かれるだけでなく、ここ最近発表される米経済指標はやや悪い内容のものが目につくだけに、本日発表の指標についても注目度はかなり高いようだ。一部エコノミストから、「米利下げ期待は織り込みすぎ」との指摘も聞かれるものの、指標内容によっては再びドル安に振れる可能性も。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、108.10-108.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の108.70円レベルが最初の抵抗。抜ければ108.80円、109円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、108.40-50円に弱いサポートがあり、割り込むようだと直近安値の108.16円が意識されそうだ。いずれにしても、底堅いイメージ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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