ドル円見通し 予断を許さないが、英米休場で基本はレンジか(5/27夕)

週明け27日の東京市場は、ドルが小高い。値幅は30ポイント程度にとどまったものの、「寄り付き安・大引け高」の展開で、見た目以上にドルの強さが目についた。

ドル円見通し 予断を許さないが、英米休場で基本はレンジか(5/27夕)

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週明け27日の東京市場は、ドルが小高い。値幅は30ポイント程度にとどまったものの、「寄り付き安・大引け高」の展開で、見た目以上にドルの強さが目についた。

週末に、トランプ米大統領から「日米貿易交渉は7月参院選後まで待つ」旨の発言が聞かれたうえ、26日まで実施された欧州議会選の結果が速報ベースで伝えられるなか、週明けの為替市場で取引が始まった。
ドル円は109.25-30円と、前週末のNYクローズと大差ない水準で寄り付いたのち、同レベルを日中安値にドルがじり高推移に。注目された日米首脳会談で、貿易や為替について対立するようなコメントが聞かれなかったことが好感されていた面もあった。16時時点、109.55円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、週末はやや落ち着いた動きをたどっていた仮想通貨ビットコインだが、本日早朝に突然急騰。8000ドル前後から8500ドル台まで値を上げ、一度上げ止まるも再び続伸。結局、一時的には8800ドル台まで値を上げる局面も観測されていた。

一方、材料的に注視されていたものは、日米首脳会談を中心に据えた「米貿易協議」について。
25日に来日したトランプ氏から「日米貿易をもう少し公平にしたい」との発言が聞かれ、一時疑心暗鬼に駆られるも、以降は厳しい発言が総じて見送られる格好となった。本日昼ごろから行われた日米首脳会談のなかでも、「日米の早期成果達成に向けて議論加速で合意」したほか、トランプ氏はいま一度日米の貿易不均衡に触れたうえで、「8月に日本と貿易に関して何か発表するだろう」といったコメントを発したにとどまっている。
そのほか単発モノとして、先でも指摘した欧州議会選の選挙結果が相次ぎ報じられ話題に。たとえば、「ブレグジット党は英国で29議席獲得する見通し」、「フランスは右翼政党が与党に競り勝つ見通し」、「議会選敗北でギリシャ首相、前倒し総選挙を表明」−−などのニュースが報じられていた。

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先週末、そして本日早朝にもドルは一時109.20円台を示現するも底堅い。そののちドルは109円半ばまで小幅に値を戻す展開となっている。ドルの下値トライが失敗したとはまだ言えず、リスクは引き続き下向き。テクニカルには今月安値の109.02円が視界内に捉えられたままの状況だ。ただ、109.80円もしくは110円を超えてくるようだと、ドルの下値トライはいったん仕切り直しとなる可能性も否定出来ず、注意を払いたい。

材料的に見た場合、そのほとんどは継続案件となるが「北朝鮮」や「イラン」、「米貿易問題」、「英国情勢」など注目要因が目白押し。ただ、日米の貿易問題については、先ほども触れたトランプ氏から「日米貿易交渉は7月参院選後まで待つ」旨の発言が聞かれたことで、目先の懸念はやや遠退いた。市場の関心は再び「米中」に。

そして「欧州議会選」の結果を受けた欧州の反応、為替でいえばユーロやポンド相場の反応にも改めて注意を払いたい。本日の東京時間をみると、ユーロやポンドは小高いが、日経新聞が「各国とも既存政党の後退が鮮明で、欧州議会選で示された民意は内政も揺さぶりそうだ」と指摘しているような情勢だ。そのため、政情分析が進めば、一転して欧州通貨売りが進むことも可能性としてあるだろう。

テクニカルに見た場合、ドルは先週末にかけて109.02円の今月安値を視界内に捉えた動きをたどるも割り込めず。リスクという点ではドル安方向に引き続きバイアスがかかり、予断を許さないが、目先は109円台を中心とした1円程度のレンジを形成し、そのなかでの上下動が続く事も考えられる。

一方、材料的に見た場合、本日は英米市場が休場のため、目立った米経済指標の発表や米通貨当局者による講演などもとくには予定されていない。そうした意味では、やや動きにくそうな雰囲気。トランプ氏は明日まで日本に滞在する予定で、本日も「宮中晩さん会」などが実施される見込みとなっている。得意のツイッターを駆使した、日本発のトランプ氏の発言には一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、109.10-109.90円。ドル高・円安方向は、時間足ベースでは先週末だけで2度上値をレジストした109.75円レベルの攻防にまずは注視。抜ければ110円台回復が見えてくるものの、ドルの上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本日早朝に記録したドル安値109.25-30円が最初のサポート。割り込むようだと今月安値109.02円などがターゲットに。

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