ドル円レンジの上下ともトライ失敗、揉みあいか(4/11夕)

11日の東京市場は、ドルが小高い。前日NY時間に一時110.80円台まで値を下げたものの、そこから持ち直し111円台を再び回復している。

ドル円レンジの上下ともトライ失敗、揉みあいか(4/11夕)

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11日の東京市場は、ドルが小高い。前日NY時間に一時110.80円台まで値を下げたものの、そこから持ち直し111円台を再び回復している。

ドル/円は110.95-00円で寄り付いたのち、しばらくは凪相場。110.90-111.00円といった横ばい推移となったが、上限を超えるとそのまま日中高値である111.10-15円へと小幅に値を上げている。その後は再び小動きとなるも、111円は割り込まずに底堅い。16時時点では111.10-15円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、仮想通貨は引き続きなかなか荒っぽい値動き。ビットコインは昨日欧米時間に一時5300ドル台まで上昇したが続かず。本日の東京昼ごろには逆に5100ドル前半まで値を下げるなど、下値不安を指摘する声も聞かれていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」について。
実施されたEU臨時首脳会議で、「10月までの英離脱期限延期で合意」となったことが東京早朝に報じられたが、肝心の市場の反応はいまひとつ。NY終盤から東京のポンド/円の動きを見ても、145.05-60円といった50ポイント強に変動に過ぎなかった。その後も、アフターとしてEU大統領「10月末までに英が離脱の最終的立場を決めると期待」、欧州委員長「離脱協定案は再交渉できない」などといった発言が聞かれたものの、新味に乏しく影響は限られている。
そのほか単発モノとして、日経新聞「マルムストローム欧州委員、『米報復関税発動なら同様の対抗措置』と発言」、朝日新聞「米議会通商トップ、『輸入車関税の導入を辞めるよう大統領に提言』と発言」、朝鮮中央通信「北朝鮮委員長が演説実施、ただ米批判などは観測されず」、イエレン前議長「FRBが利下げの必要あると現時点で認識せず」−−などの発言や報道が観測されていた。

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先週末に記録した111.82円を直近高値に、約1円の下押しが入る展開となっている。その過程で、111円半ばに位置する移動平均の200日線を下回るなど、ドルの上値トライは仕切り直しとなった感があり、ここからさらにドルが下値を探ることになるかは疑問も残りそうだ。フィボナッチでも、3月安値109.70円を起点とした上げ幅の半値押し(110.75円レベル)近くでは下げ止まっており、取り敢えず下げの第1波は終了した公算も。111円台を中心としたレンジ取引がしばらく続く可能性もある。

材料的に見た場合、G20財務相・中銀総裁会議が開催されるなか、引き続き「米貿易ファクター」が依然として波乱要因に。「米中」を中心に、「日米」や「米欧」でも対立が激しくなりつつあるだけに、落とし所には注意を払いたい。一方、長らく市場の波乱要因となっていた「英国情勢」は、先でも指摘した「10月までの英離脱期限延期で合意」となり、一安心。ただ、抜本的な解決ではなく、飽くまで「先延ばし」に過ぎないことで、まだまだ警戒心を解くことはできないとする参加者も少なくないようだ。

テクニカルに見た場合、上値トライを失敗した感があるものの、下値も堅そう。明確な方向性はいまだ乏しい状況だ。
そんなドル/円の日足チャートは、3月安値109.70円を中心に、左右対称形(シンメトリー)を形作っているようにもみえる。これが正しいとすれば、いま一度112円近くまでドルは戻すものの、その後反落。上値を徐々に切り下げる展開をたどることになるのかもしれない。

一方、材料的に見た場合、3月の生産者物価指数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、米財務省による30年債入札などが実施される見込みだ。また、クラリダFRB副議長やボウマンFRB理事をはじめ、米地区連銀総裁による講演が相次ぐ予定となっており、それらには注意を払いたい。
そのほか、12日までの予定で実施される「G20財務相・中銀総裁会議」や、「米韓首脳会談」の行方なども気掛かりだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.70-111.60円。ドル高・円安方向は、昨日高値である111.25-30円が最初の抵抗。超えた場合には、200日線(111円半ば)や先週高値の111.82円、112円などが視界内に。
対するドル安・円高方向は、昨日NY安値の110.80-85円の攻防にまずは注視。割り込むようだと、フィボナッチの61.8%押しにあたる110円半ばがターゲットとなりそうだ。

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