レンジ上限を超え112円に迫る、ドル続伸も(3/1夕)

1日の東京市場は、ドル高・円安。一時111.80円台へと値を上げ、年初来高値を更新するなどドルの強さが目に付いた。

レンジ上限を超え112円に迫る、ドル続伸も(3/1夕)

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1日の東京市場は、ドル高・円安。一時111.80円台へと値を上げ、年初来高値を更新するなどドルの強さが目に付いた。

前日東京夕方110.70-80円で推移していたドル/円は、その後の欧米時間に111円台を回復。その流れを継ぎ、本日は111.35-40円で寄り付いた。しばらくは111.30-50円で揉み合うも、上抜けるとそのまま一気に111.70円台へ。日経平均株価が大引けベースで200円を超える上昇をたどったほか、米株の先物も100ドル以上値を上げており、ドル買いの支援要因に。
111.70円台から一旦小緩むも、夕方ドルは上昇に転じると111.80円台に。年初来高値を再び更新している。16時時点では、日中最高値圏である111.80-85円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米朝協議関連」と「米貿易問題」について。
前者は、予想外の「交渉決裂」となった米朝首脳会談を受けて、「日米あるいは米韓が首脳会談を実施」したとされたほか、北朝鮮サイドが異例の反論会見を行ってもいる。なお、そうしたなか「中国外相が北朝鮮外務次官と会談、米朝の対話継続を促した」と一部で報じられたうえ、「金委員長、帰国途中に習主席に会う可能性」との報道も。
対して後者は、CNBCが米財務長官の発言として「米中、詳細な通商合意を策定中」と報じるなか、米NEC委員長は「中国は外為市場介入の報告が必要」、トランプ大統領「米中協議で物別れもあり得る」などといったやや厳しめのコメントも聞かれていた。先行きの不透明感を再び指摘する声もジワリと聞かれ始めていた。

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ドル高方向のリスクが高まったと思えば下方向に、逆にドル安リスクが強くなったと思えば上向きに動くという天邪鬼な往来相場をたどっていたが、昨日の欧米時間に形成レンジの上限を上抜いた。その後ドルは続伸し、本日の東京時間に111.80円近くまで達している。テクニカルには移動平均の200日線(111.30円レベル)をしっかり超えてきた格好で、次のターゲットは昨年高値である114.55円を起点とした下げ幅の76.4%戻しに当たる112.05-10円か。ドルの続伸に注意を払いたい。

材料的には、協議そのものは終えたが「米朝首脳の再会談」が依然として波乱要因として取り沙汰されている。当初の予定では、米朝会談後2日いっぱいの日程でベトナム訪問をするとされていた「北朝鮮の金委員長が帰国を早めた」とされるほか、先でも取り上げたように「金委員長、帰国途中に習主席に会う可能性」との報道も。場合によっては、週明けの為替市場に影響を与える可能性も否定できない。そのほか、「発表される米経済指標」や「米中をメインとした米貿易問題」についても一応要注意。

テクニカルに見た場合、2週間ほど続いていた110.25-111.25円の1円レンジを、昨日欧米時間に上放れ。そのまま本日も続伸し、111.80円前後へと達してきた。フィボナッチを参考にした次のターゲットである112.05-10円が次の上値メドだろう。そのレベルも超えると、112.25-30円が意識されそうだ。逆にドルのサポートは移動平均の200日線が位置する111.30円レベル。本日は週末だけに、NYクローズで下回ってしまうと、ドル高機運が再び萎む可能性もある。

一方、材料的に見た場合、12月のPCEデフレーターや2月のISM製造業景況指数といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。ここ最近は、米経済指標の内容にマーケットが反応しやすく、実際昨日は良好な米GDPがドル高の起爆剤となったことは記憶に新しい。本日も、米指標の内容には注意を要する。
そのほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁の講演や、一連の会談を終え新たな火種を抱えた感のある「米中」あるいは「米朝」の動きも気掛かりだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.30-112.30円。ドル高・円安方向は、心理的な意味も含めて112円をめぐる攻防にまずは注視。もし超えても、フィボナッチでは112.05-10円がテクニカルポイントで、そのうえは112.25-30円など断続的に抵抗があるようだ。
対するドル安・円高方向は、移動平均の200日線が位置する111.30円レベルがかなり強いサポートとして意識されそう。底堅いイメージだが、200日線を下回ると111円割れ、110円台後半がターゲットに。

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