ドル円レンジ割り込むも予断許さず米中協議注視(1/31)

31日の東京市場は、ドル安・円高。しかも、値幅そのものは決して大きくなかったが、「寄り付き高・大引け安」に近い値動きで、ドルの弱さが目に付いた。

ドル円レンジ割り込むも予断許さず米中協議注視(1/31)

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31日の東京市場は、ドル安・円高。しかも、値幅そのものは決して大きくなかったが、「寄り付き高・大引け安」に近い値動きで、ドルの弱さが目に付いた。

ドル円は、寄り付いた109.00-05円を日中高値にドルがじり安推移。前日、FOMC後に記録した安値を下回る108.70円前後まで一時値を崩している。日経平均株価は終値ベースで200円を超える大幅高となったものの、リスク志向の動きは盛り上がらず。むしろ前述したFOMCを受けての米金利低下思惑が嫌気されていたようだ。
16時時点では、108.75-80円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「FOMC」について。
今週の注目材料のひとつであるFOMCがNY時間に開催され、「政策金利の据え置き」が決定されると同時に、声明文から「いくらかのさらなる緩やかな利上げ支持」の表現削除が確認されている。また、それに続きパウエル議長が会見を行い、「利上げの根拠が幾分弱まった」、「当初予測よりも早期に資産縮小を停止する」などと発言、本日の東京時間においても引き続きドルの弱材料に。
そのほか、単発モノとして「トランプ米大統領、『物理的な障壁』含まない限り予算合意はないと発言」、「欧州委員長発言、英離脱協定案の再交渉は行わず」、ロイター「鴻海工業、100億ドル規模の米工場計画を見直し」、「米研究所が北朝鮮の東倉里ミサイル基地、依然解体進まずと発表」、「雨宮日銀副総裁、追加緩和は色々な手段排除せず検討していくと発言」−−などといった発言やニュースが観測されていた。

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過去2週間近くに及ぶレンジの下限、109.13円を昨日NYにしっかりと下回ってきた。その後の東京時間も108円後半での推移となっている。レンジを割り込んだと言ってよい展開で、リスクは再び下方向に。ただ、予想ほど大きく下押ししているわけではなく、一抹の底堅さもうかがえる。昨年たびたび観測された光景である「レンジをブレークしたかに見えたが、このあと再びレンジ内に回帰する」可能性も否定出来ず、いま少し状況を見極めたいところだ。
今週は週間を通して注目材料が目白押し。そのひとつであるFOMCはすでに消化したものの、本日は次の重要ファクターである「2日目の米中閣僚級通商協議」ならびに「トランプ氏と中国副首相の会談」が行われる見通しだ。ちなみに、一部の米メディアは前者、1日目の米中協議の様子を写真付きで報じており、それを見る限りなかなか和やかな雰囲気のなか会合は実施されている感がある。しかし、貿易問題解消の道筋が決定されるか否かは別問題、との指摘も聞かれており、やはり予断は許さないようだ。

テクニカルに見た場合、2週間に及んだレンジの下限を割り込んだものの、ドルは大きく崩れることもなく底堅い。
フィボナッチの観点で見ると、3日に記録したドル安値104.10円を起点とした上げ幅の23.6%押し、108.60円にすらとどいていない状況だ。まずは、同レベルの攻防が注視され、割り込むようだと10日安値の107.77円が意識されそうだ。

一方、材料的に見た場合、1月のシカゴ購買部協会景気指数などの米経済指標が発表されるほか、政府機関閉鎖により発表が先延ばしされていた11月の新規一戸建て住宅販売がようやく発表される見込みだ。なお、先延ばしだった米経済指標は本日以降、「建設支出が2月1日、製造業受注が同4日」−−などと、順繰りに発表される予定となっている。
ただ、本日でいえば米経済指標の発表よりも、先でも取り上げた「米中通商協議」や「トランプ氏と中国副首相の会談」の行方に要注意か。協議進展で為替市場も流れが一変、ドル/円は再び109円台への回帰といった展開も考えられるだろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.20-109.40円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値を含めた109.10円前後が最初の抵抗。抜ければ昨日高値の109.73円や110円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京で割り込めなかったフィボナッチで見たテクニカルポイントの108.60円の攻防にまずは注視。依然として底堅いイメージもあるが、割り込めば10日安値107.77円が視界内に捉えられそうだ。

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