ドル円110円超えられず、足もとは揉み合いか(1/28夕)

週明け28日の東京市場は、ドルが小安い。値幅そのものは小さいが、「寄り付き高・大引け安」の様相で、ドルはじり安推移をたどっていた。

ドル円110円超えられず、足もとは揉み合いか(1/28夕)

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週明け28日の東京市場は、ドルが小安い。値幅そのものは小さいが、「寄り付き高・大引け安」の様相で、ドルはじり安推移をたどっていた。

1ヵ月あまり続いていた「米政府機関閉鎖」は、先週末に3週間という期限付きながら一時的に解除された。これが材料視されたうえ、先週末の米株高を好感する格好で、ドル円は先週末のNYクローズに近い109.50-55円で寄り付いたものの、結局同レベルが日中高値になり、ドルはじり安に推移している。109.25円近くまで一時値を下げ、その後は弱保ち合い。ちなみに、日経平均株価が終値ベースで124円安となるなど、日本株は冴えなかった。ドル円は、16時時点では109.30-35円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米政府機関閉鎖問題」について。
先で触れたように、トランプ米大統領が妥協する格好で、3週間という期限付きながら一時的に解除された。しかし一方で「必要なら非常事態の権限で壁を建設する」、「議会で合意できなければ、政府機関は再び閉鎖も」といった強気の発言も観測され、大局的な環境に大きな変化はみられないようだ。なお、そうしたなか米下院議長から「一般教書演説は、後日に日程調整する」との発言も聞かれていた。
そのほか、個別案件として米紙WSJによる「FRB、FOMCで資産圧縮を議論へ」、読売新聞「米朝、『段階的非核化』を議論」、英紙サン「メイ首相、閣僚に対し非公式に『合意なきEU離脱』を除外」−−などといった報道も。

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過去1週間あまりは109.14-110.00円というレンジ取引。もちろん、本日の東京時間も前記レンジ内での変動だった。今週は週間を通して材料が多いこともあり、どこかでレンジブレークするとの見方が有力ながら、短期的には109円台での一進一退、次の方向性を探る値動きが続きそうだ。
長いあいだドルの足かせとなっていた「米政府機関閉鎖問題」は期限付きとはいえ、取り敢えず解消された。それもあり、米国ファクターとして今週は「米中閣僚級による通商協議」の行方や、「米FOMC」、週末の「米雇用統計」発表などを警戒する声が少なくない。
一方、一部の市場筋のあいだで“隠れテーマ”のように指摘されていたのが、「米政府機関閉鎖」をうけて先送りされていた事象の表面化。たとえば、シカゴマーカンタイル取引所(CME)による「IMM投機筋ポジション」といったデータや経済指標発表のほか、トランプ米大統領による一般教書演説などが、それにあたる。場合によっては、波乱要因となることもありそうだ。

テクニカルに見た場合、これまで「基本的なリスクは引き続きドル高方向」としてきたが、その認識が怪しくなってきた。少なくとも、過去1週間あまりは109円台での一進一退で、方向性を喪失しているといって間違いないだろう。
そんなドルの抵抗は、なかなか超えられない110円レベル。抜ければフィボナッチの観点で見た110.35円レベルがターゲットとなる反面、ドルのサポートは先週安値の109.14円、あるいは108円半ばなどとなる。果たして足もとのボックス圏をどちらに抜けるのだろうか?

一方、材料的に見た場合、12月のシカゴ連銀全米活動指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債と5年債の入札が実施される見込みだ。また、発表される米企業決算のうち、「中国景気と米中貿易摩擦に影響を受ける代表企業」とされるキャタピラーをとくに注視している向きが少なくないもよう。
そのほか米国以外、欧州要因にも注意を払いたい。たとえば、ドラギECB総裁やカーニー英中銀総裁などによる講演が予定されており、たとえ一時的にせよ相場の変動要因となる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.90-109.80円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値である109.65円レベルが最初の抵抗。抜ければ110円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値かつ、先週のドル安値にあたる109.15-25円が目先のサポートか。割り込んだ場合には108円台突入が予想されるが、それでも下方向にサポートは多く大崩れは予想しにくい。

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