ドルに続伸の芽、ただ判断が難しい(1/17夕)

17日の東京市場は、109円挟みの一進一退。明確な方向性は乏しく、株価の動きなどに左右される展開だった。

ドルに続伸の芽、ただ判断が難しい(1/17夕)

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17日の東京市場は、109円挟みの一進一退。明確な方向性は乏しく、株価の動きなどに左右される展開だった。

前日NY終盤の流れを継ぎ、ドル/円は小高い109.05円前後で寄り付いたものの、ドル買いは続かなかった。終日を通して売買は総じて手控えムードで、値動きも109円挟み、30ポイントほどのレンジ取引に終始している。そうしたなか、前日比101円高で寄り付いた日経平均株価、終値ではマイナス圏に転落したものの、40円安にとどまったことで、影響は軽微だった。16時時点でのドル/円は108.80-85円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「英議会によるEU離脱合意案の採決」と「複合的な米国ファクター」について。
前者は、前日に「採決否決」となったことを受け、英首相報道官から「合意なきEU離脱の可能性排除せず」との発言が聞かれたほか、英紙タイムズ「英離脱、EUが20年までの延期を検討」と報じるなど、関連報道が相次いでいた。
対して後者は、「米下院議長、大統領に一般教書演説の延期を要請」、米紙WSJ「中国、米への譲歩探る。外国投資法の審議加速」、「米で『トランプ辞任』の記事、WPに似せた偽新聞バラまかれる」、「米上院議員、大統領は新たな自動車関税導入に前向きと認識」、「米国務次官、露にINF条約破棄通告へ」、「日米外相が電話会談実施、北問題での連携確認」−−などの報道が観測されている。

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先週来のレンジである107.77-109.09円の上限を昨日欧米時間に上抜け、一時109.20円レベルを記録している。素直に考えれば110円台回復に向けた展望が広がり、さらなるドル高進行を期待されよう。しかし、そののち再びレンジ内に回帰しており、昨年に多く見られた既視感の強い光景であることがまだ断定はできないものの、気に掛かる。レンジを上抜けたのではなく、「レンジを上方向に少し広げただけ」の可能性もある。いま少し動静を見極めたいところだ。

昨日の「英議会で採決否決」を受け、英国情勢が依然としてゴタゴタしている。マーケットの波乱要因として引き続き注意を払いたい。そうしたなか、幾つか存在する米国ファクターも要注意。そのひとつは、やはり暫定予算失効による「米政府機関の一部閉鎖」の行方だろう。ちなみに、マーケット絡みの影響として、これまでも「一部経済指標の発表延期」や「トランプ氏のダボス会議への不参加決定」などが報じられてきたが、今度は29日に予定される「大統領の一般教書演説延期」が取り沙汰されはじめた。どこまで悪影響が拡大するのか、予断を許さない。

テクニカルに見た場合、前述したように過去2週間近く推移していたレンジの上限を一時超えるも、結局回帰しており、判断が難しい。しっかり超えれば移動平均の25日線なども近い110円台回復の芽が残ったものの、断定するにはまだ早いようだ。
とは言え、3日記録した104円台はもちろん、106円台でさえかなり遠のいたイメージは否めず、かなり底堅そう。現状であれば、ドルが軟化しても108円割れはワンタッチ程度が精々である気もしている。

一方、材料的に見た場合、1月のフィラデルフィア連銀景況指数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、本日もモルガン・スタンレーなど米金融機関大手が決算を発表する見込みとなっている。
そうしたなか、米紙WPが報じた「北朝鮮の金朝鮮労働党委員長の最側近のひとり、金英哲副委員長が17日に訪米」とのニュースが気掛かり。さらにWPでは「18日にワシントンでトランプ氏と会談する見通し」、「トランプ大統領が18日にも2回目の米朝首脳会談開催を発表する可能性がある」などと指摘しており、関係改善期待が高まる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.40-109.40円。ドル高・円安方向は、昨日高値109.20円レベルの攻防にまずは注視。抜ければ、一足飛びに到達することはないにせよ、110円レベルが視界内に。
対するドル安・円高方向は、108.80円前後に弱いサポートが位置しており、その攻防をまずは注視。割り込んだ場合には108.30-40円がターゲットに。

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