<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場は、ドルが小じっかり。3日に104円台まで下落したのちの戻り高値を更新、109円レベルまで一時値を上げている。
ドル/円は108.65-70円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。日中安値の108.50円と上値は108.75円レベルのあいだで一進一退をたどっていた。しかし、日経平均株価の上昇が一時300円を超えたほか、時間外で取引されているNYダウ先物も堅調に推移したことが好感され、ドルもレンジを上放れると戻り高値である109円レベルまで続伸している。
その後は、利益確定売りなどに押され、やや値を崩すも底堅く、16時時点では108.85-90円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「複合的な米国ファクター」と「北朝鮮情勢」について。
前者については、引き続き「米中貿易問題」と「米政府機関の閉鎖問題」が二本柱となっており、貿易問題に関してはロス商務長官から「米中交渉は当座の問題で良い合意が得られそう」との発言が聞かれていたほか、政府機関の閉鎖に関し「トランプ米大統領が8日夜に国民向け演説実施へ」、あるいは「トランプ氏、10日にメキシコ国境を訪問」−−との報道が観測されている。
対して後者は、「北委員長が4度目の訪中か、中朝境界で厳重警備」などと当初伝えられるなか、新華社が「北朝鮮の金委員長は7日から10日まで訪中」と改めて報じ思惑を呼んでいた。また、米CNNは「米朝会談の開催場所、バンコクなど3ヵ所が候補に」と指摘している。
<< 欧米市場の見通し >>
3日に一時104円台まで下落したドルだが、その後はジリジリと値を戻し、本日の東京時間には109円レベルへ。年初近くまで水準を回復しつつある。大きな流れのなかでの、「行って来い」であり、当初うかがえたドルの下値リスクは目先かなり軽減された。104円台は無論のこと、106円台でさえもだいぶ遠退いた印象だ。だからといって、ドルの上値も重そうだが、東京時間に超えられなかった109円レベルをクリアに抜ければ、さらなるドル高も否定出来なくなる。
3週目に入った「米政府機関の閉鎖問題」をはじめ、ドルの弱材料は決して少なくないが、目先は「米中貿易問題」や「米朝協議の進展」などに対する期待感がドルの買い戻しを支えている面も取り沙汰されている。そうしたなか、7-8日の日程で実施される「次官級の米中貿易協議」には要注意。楽観的な結果となれば、ドルがさらに買い進まれる可能性がある反面、決裂の事態になれば、再びドル売りに拍車がかかっても不思議はない。
テクニカルに見た場合、一時104円台まで値を下げていたことで急速に広まったドルの下値リスクだが、足もと109円レベルまで戻してきたことで、意識としては目先ニュートラルに戻った感がある。少なくとも、それほどドルの下落リスクは高くない。
ただ、ドルの上値も重そうで、週足・一目均衡表の先行帯の雲が位置する109.65-75円が週間を通して抵抗になるのかどうかを注視したい。
一方、材料的に見た場合、11月の米貿易収支が発表される予定だったが、政府機関閉鎖の余波を受けて発表が延期される見込みだ。また、米商品先物取引委員会(CFTC)は、IMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の公表を見送る見通しとされている。貿易収支を除くと本日はそれほど重要な米経済指標発表が予定されていない。
ファンダメンタルズ要因よりも、前述した8日までの予定で実施される「米中次官級の通商協議」などを含めた政治ファクターに注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.50-109.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である109円レベルが最初の抵抗。超えてくると、一目均衡表の基準線が位置する109.29円、年初来高値である109円後半などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値の108円半ばの攻防にまずは注視。下回ると108円レベルなどが意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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