<< 東京市場の動き >>
4日の東京市場は、ドルが小じっかり。一日で4円程度動いた前日ほどではないものの、それでも変動は1円近くになるなど、依然としてアクティブな相場だった。
ドル/円相場は、107.65円レベルで寄り付いたのち、108円前後を上値にしばらくは冴えない動き。その過程で、日中安値の107円半ばまで下落している。
しかし、一時700円以上下落していた日経平均株価が終値ベースで452円安まで持ち直したうえ、時間外で取引されているNYダウ先物がプラス圏で推移したことなどが好感されるとドル/円も強含みに。抵抗だった108円レベルを抜けると続伸し、一気に高値である108.45円レベルへ。さすがに上げ渋ると、16時時点ではやや小緩んだ108.10-15円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「複合的な米国ファクター」について。
米中貿易問題について、トランプ米大統領から「現在進行中の貿易交渉は順調」との楽観的な発言が聞かれる反面、米CEA委員長は「中国経済の失速は米企業業績に打撃」といった懸念コメントを発していたようだ。また、ブルームバーグによる「米中、7-8日に次官級の通商協議」との報道も別に観測されていた。
対して、2週間が過ぎようとしている米政府機関の閉鎖問題は、トランプ氏が依然として「壁がなくては国境警備できない」などと強固なスタンスを示すなか、「米下院、一部政府機関閉鎖を終わらせるための予算案を可決した」といった報道がなされている。
そのほか、財務省と日銀、金融庁が3者会合を開催し、終了後に浅川財務官から「投機的な動きがないか注視していきたい」、「必要なことがあれば適切な対応をする」といった口先介入が聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
東京が休場となった昨日早朝にみせたドル暴落、104円台まで値を下げた動きは、やはりセリングクライマックスであったようだ。以降、ドルはやや底堅い値動きを続けている。ただ、日米を中心に株価は依然として不安定であり、また為替もドルが目先底堅いものの、値動きそのものはいまだ荒っぽい。金融市場が落ち着きを取り戻すには、いま少しの時間が必要との指摘が聞かれるなど、ボラティリティの高い状態はまだしばらく続く可能性がある。
市場を不安定にしている一因の「越年した米政府機関の閉鎖問題」は、前述したように「米下院、一部政府機関閉鎖を終わらせるための予算案を可決」し、半歩前進したものの、トランプ氏は「壁建設予算」が盛り込まれなければ、予算案が議会を通過した場合でも拒否権を発動する可能性をちらつかせている。まだまだ予断は許さないだろう。なお、そうしたなか、本日は注目の経済指標である米雇用統計が発表される見込みで、発表前後の市場変動にもしっかりとした注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、昨日早朝の急落を境にドル/円はレンジが切り下がった。さすがに104円台まで突入した動きは行き過ぎだとしても、上値はすでに重く、ドルの戻りは限られそうだ。106.50-108.50円、あるいは106.50-109.00円といった新レンジを形成し、しばらくはボックスで激しい上下動を予想する声も少なくない。
なお、週足・一目均衡表の観点でいえば、先行帯の雲が10ポイント程度と極めて薄い状況下、一気に週足が下限割れまで突き進んでいる。やや長い目で見た場合でも、ドル安リスクが高まってきたことは間違いないだろう。
一方、材料的に見た場合、12月の雇用統計や同非製造業PMI/総合PMI確報といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。また、パウエルFRB議長やイエレンFRB前議長らが米経済協会年次総会で共同インタピューを行うもようだ。
そうしたなか、前述した米雇用統計だが、市場の関心がもっとも高い非農業部門雇用者数の事前予想値はプラス18.4万人程度とされており、前月よりも好数字が見込まれている。実際、昨日発表された「先行指標」のADP雇用統計も、予想を上回る結果だった。ただ、その後発表されたISM製造業景況指数は逆に悪化するなど、米指標結果がまだら模様となっていることはやや気掛かりかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.30-108.80円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の108円半ばが最初の抵抗。超えてくると、一目均衡表の基準線も近い109円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の転換線が位置する107.85円レベルの攻防にまずは注視。下回ると107円前後、そして106.70円レベルなどが意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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