<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場は、ドル底堅い。一時110円台へと下落する局面も観測されたが、粘り腰により再び111円台を回復している。
ドル/円相場は、寄り付いた111.30-35円を日中高値にドルがじり安推移。111円を割り込み、110.85円レベルまで緩やかな右肩下がりをたどっている。
しかし、日経平均株価が終値ベースで750円高となったことなどもあり、終盤にかけて再びドル買い・円売りが優勢に。111円台を回復すると、16時時点では111.05-10円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「複合的な米国ファクター」について。
ブルームバーグが「米政府代表団、1月7日週に貿易協議のため中国を訪問」と報じたほか、「トランプ大統領のイラク電撃訪問」そして「ドイツ駐留米軍も訪問」することが明らかなっている。また、米CNNは「FRBとの対立緩和模索か、米大統領がパウエル議長と会談も」と報じ、思惑を呼んでいたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
クリスマス相場で流動性の乏しいなか110円ちょうどまで下落したドル/円だが、その後は小康。リスクという点では引き続きドル安方向にバイアスがかかるものの、ドル下落の第一波は終了した感がある。少なくとも、足もとはそれほどドルの下値不安が強いとも言えそうにない。油断は禁物だが、目先は110.00-111.50円あるいは110-112円といったレンジ取引が続く可能性もありそうだ。
米政府機関の閉鎖は、26日で5日目に入り、様々なところで徐々に影響が見られ始めた。マーケット的な観点でいえば、予定されていた経済指標の発表先送りが徐々に現実のものとなってきたことが、それにあたるだろう。たとえば、本27日は11月の米新築住宅販売が発表される見込みだったが、米商務省は「暫定予算案を議会が承認するまでのあいだ、業務を停止せざるを得ない」とし、公表を延期すると発表している。トランプ大統領は「壁建設の財源確保に、いくらでも待つ」と述べるなど依然として強気な姿勢を崩していないものの、その動静には要注意だ。また、昨日大きく反発したとはいえ、依然として不安定である米株の動きにも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、一時110円ちょうどまで下落したドル安も一服、足もとは調整局面に入ったようだ。ちなみに、起点をどこと決めるかによるものの、仮に11月高値114.23円がスタートすれば下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しは111.60-65円、半値戻しは112.10-15円となる。それらレベルをめぐる攻防には要注意。
また、視点を変えてみると、ドル/円は先週末22日以降、過去1週間ほどは110.00-111.50円というボックス圏を形成している感がある。本日の東京時間も、ちょうどレンジの上限近くで上げ止まっていた。さらなる戻りを期待するうえで、最初の関門となりそうだ。
一方、材料的に見た場合、10月の住宅価格指数など幾つかの米経済指標が発表される予定となっているものの、先でも指摘したように一部の指標については政府機関閉鎖の影響で、公表が先送りされる見込みだ。変更されている可能性もあるため、スケジュールについては、いまいちど改めて確認していただきたい。なお、クリスマスそしてボクシングデーをうけた欧米市場の休場も昨日で解消、本日から実質的な「新年相場」が始まることになる。そうしたなか、これまで解決が棚上げされてきた数々の問題に再び脚光があたる可能性もあり、予断は許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.50-111.50円。ドル高・円安方向は、昨日の戻り高値である111.41円、そして過去1週間ほどの抵抗である111円半ばの攻防に注視。超えてくると、フィボナッチでみた111.60-65円、一目均衡表の基準線が位置する112円レベルなどがターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、本稿執筆時に絡んでの推移となっている移動平均の200日線(111円前後)を維持できるかどうか、動静を見極めたい。仮に、そのレベルを下回ると弱いサポートが位置する110.40-50円が視界内に。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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