<< 東京市場の動き >>
19日の東京市場は、112円台前半を中心とした乱高下。値幅そのものは40ポイントほどだったが、そのなかでなかなか激しい上下動が観測されるなど荒れ模様だった。
ドル/円相場は、112円半ばで寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。しかし、東京株式市場が始まると、日経平均株価の動きに一喜一憂。短時間のうちに激しい上下動が観測されている。112.20円前後と、直近安値を一時更新するも続かず、112.60円レベルまでプルバックしたが、再び振り落とされると112.25円レベルまで軟化した。16時時点では112.35-40円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、本日は「仮想通貨(=暗号資産)」が総じて堅調に。ビットコインは早朝の3500ドル台から一時3700ドル台へと値を上げるなど、一時期の下値不安がかなり軽減した感が見受けられた。
一方、材料的に注視されていたものは、「複合的な米国ファクター」と「英国情勢」について。
前者は「トランプ米大統領、2年連続でダボス会議に出席へ」、「トランプ氏、ソーシャルメディアを再び批判」と報じられたほか、ブルームバーグを通じて米財務長官から「強いドルは米経済への信認」、「米中貿易協議は1月開催で調整」といった発言も聞かれていた。さらに「中国が米国産大豆を新たに購入、合意以降で2度目」、「トランプ米大統領、24日の米政府機関閉鎖を命令」、「中国と米国は19日に電話で貿易問題に関して協議」−−との報道も別途観測されている。
対して後者は、「英首相、合意なき離脱に備え20億ポンドの緊急対策を発表」するなか、米紙WSJは「英のEU離脱が仕切り直しも、国民投票再実施に支持集まる」と報じ、思惑を呼んでいた。
<< 欧米市場の見通し >>
「動くとすれば18-19日の米FOMC後」−−と予想がされるなか、先行する格好でドルは下値を試す展開となっている。まだ「しっかり」と割り込んだわけではないが、前述したように東京時間には112.20円前後まで下落し、11月以降のレンジ下限を一時下回る局面も観測されていた。一部市場筋によると、年末を睨んだリパトリなど、ドルの下支えに寄与してきた需給要因がかなり剥げ落ちてきたとされ、俄かにドルの下値リスクが広がってきた。ドルの続落には注意を払いたい。
材料的には、米中をメインに、日米や日欧についても貿易問題が潜在的な要因としてくすぶるなか、本日はNYタイムに予定されている今年最後の米FOMCが注目を集めている。昨日も報じたように、今回会合の焦点は「来年の利上げスケジュールや回数、利上げ停止の時期など」で、利上げ実施そのものは「ほぼ織り込み済み」だったが、トランプ大統領などによる「圧力」もあり情勢が読みにくくなってきた。
いずれにせよ、FOMCの結果発表前後は荒っぽい相場展開をたどりそうだ。
テクニカルに見た場合、11月以降の2円レンジ下限(112.23円)をわずかに下回るも、値は走らず。取り敢えずは、レンジを多少拡大させただけにとどまった。そうしたなか、一目均衡表では、ザラ場ベースながら昨日はNYクローズで維持した先行帯の雲の下限(112.45-50円)を割り込んでの推移だ。雲の下限がこの先は逆に抵抗となり続落するのか、それとも昨日のようにNYクローズでは持ち直し回復するのか、動静が注視されている。
一方、材料的に見た場合、7-9月期の経常収支や11月の中古住宅販売件数などの米経済指標が発表される予定となっている。ただ、本日もっとも注視されているのは再三再四指摘している米FOMCと、その後のパウエルFRB議長の会見だ。トランプ氏などによる圧力を跳ね返し、来年の利上げについて強気のスタンスを示せば、一気に流れが変わりドルが一段高をたどる可能性もある。
そのほか、継続案件として英国を中心とした欧州情勢も引き続き波乱含み。欧州通貨の動きとともに、注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.80-112.90円。ドル高・円安方向は、本稿執筆段階で下回っている一目の雲の下限である112.45-50円が最初の抵抗。超えてくると、一目の雲の上限や移動平均の25日線などが位置する113.10-20円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日の東京時間に試すも割り込めなかった112.20円レベルの攻防にまずは注視。これで、同レベルは12月だけで最低3度トライし、いずれも阻まれている。思いのほか強いサポートになっている感を否めない。ただ、割り込めば10月29日以来の111円台も。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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