ドル円見通し 三角持合い下放れ試し続く(12/19)

19日午前は日経平均が10月26日安値を割り込んでドル円も下落、本稿執筆時点で112.19円をつけて12月6日、10日、18日安値ラインを割り込んできている。

ドル円見通し 三角持合い下放れ試し続く(12/19)

【概況】

12月6日安値112.24円、10日安値112.23円でダブル底を形成し、また10月4日以降の三角持合いの支持線である104日移動平均到達で切り返して三角持合いの抵抗線=高値を結ぶ切り下がりラインに挑戦したのが先週の上昇だった。しかし14日高値は113.70円止まりで高値切り下がりラインを超えられず、NYダウが急落したためにドル円も失速、週明け17日はNYダウ大幅続落により113円割れとなり、さらに18日も日経平均大幅下落で112.24円まで安値を切り下げた。12月6日深夜と10日午前安値とほぼ同水準まで下げ、ここもまた104日移動平均をザラバではわずかに割り込んだが終値ベースでは回復して支えられ、三角持合い下放れは19日未明時点ではいったん仕切り直しとなった。
しかし、19日午前は日経平均が10月26日安値を割り込んでドル円も下落、本稿執筆時点で112.19円をつけて12月6日、10日、18日安値ラインを割り込んできている。

【株安円高の負の連鎖継続】

18日夜に米商務省が発表した11月の住宅着工件数は季節調整後年率換算で125万6000戸となり市場予想の122万5000戸を上回り、前月比3.2%増加した。住宅着工許可件数は132万8000戸で市場予想の125万9000戸を上回り前月比5.0%増加した。17日はNY連銀の製造業景況指数やNAHB住宅市場指数の鈍化がドル安株安のきっかけとなったが、18日は米経済指標が予想より良かったことで米国株続落とドル安にブレーキを掛けた。
しかしNYダウは14日の496.87ドル安、17日の507.53ドル安と2日間で千ドル以上の下げで10月3日以降の安値を更新しており、2月暴落時の落ち着き方と比較すると当初の下げからの反騰反落、安値更新の流れが激しく、スケールが大きくなっていることで先行き不安も2月暴落時点よりも大きい印象がある。米連銀の利上げペースが鈍化するなら株式市場が歓迎しても良いところだがそれよりも米中関係悪化と先行きのリセッション懸念が勝るために24000ドル台を守れなかったと思われる。

日経平均も10月暴落による10月26日安値20971.93円に対して余裕がなくなっていたが、19日前場の下落で安値を割り込んでいる。日経平均もまた2月暴落字の1月23日高値から3月26日への下落波動よりも荒っぽい動きで安値を更新し始めており、暴落一服でのこの1か月半の往来型持ち合いから下放れし始めたとすればFOMC後も下落基調変わらずとすると2万円割れを試しに向かう可能性も懸念される。
こうした株安不安が一方では米国債買いを助長し、長期債利回り低下がドル安を招き、ドル円においても日米金利差縮小によるドル売り円買い圧力がかかる状況が継続している。こうしたネガティブな株安ドル安円高の連鎖を断ち切るだけのきっかけをFOMCが与えればドル円反騰の可能性も浮上するが、基調変わらず、ドル安のきっかけを作るならドル円も112円台序盤で踏みとどまっている現状から転落し、10月4日からの三角持合い下放れ、104日移動平均割れからの下落加速という状況に陥りかねないと考える。

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、13日未明安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとしていたが、17日夜の下落で13日未明安値を割り込んだために18日朝時点では底割れによる弱気サイクル入りとし、今回の安値形成期を18日未明から20日未明にかけての間と想定した。18日夜安値からいったん戻したものの19日午前に安値を更新しているため、まだボトム形成の下落が続いていると仮定するが、18日深夜へ112.62円まで戻してからの安値更新のため、18日夜安値を直近のサイクルボトムとしてすでに底割れから新たな弱気サイクル入りし始めた可能性もある。このため18日深夜高値112.62円超えからは直前安値をボトムとした強気サイクル入りとして19日夜から21日夜にかけての間への上昇を想定するが、20日の日中へ安値更新が続く場合は21日から25日にかけての間へと安値形成期が延びる可能性がある事にも注意が要る。

60分足の一目均衡表では週末の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンから転落したが、その後も両スパン悪化が続いている。このため引き続き遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパン好転からは先行スパン試しとするが、先行スパンが112.50円から113円にかけて分厚いため抵抗も厳しいと思われる。20日未明のFOMCから急騰反応なら一挙に両スパン好転から高値試しへ切り替えるが、下落基調継続なら先行スパン転落中の安値試しが続きやすいとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、112.00円下値支持線、18日深夜高値112.62円を上値抵抗線とみておく。
(2)18日深夜高値を超えない内は112円割れからの下落継続で111.50円前後、さらにFOMCを弱気反応する場合は111円台序盤試しへ向かう可能性ありとみる。また112円以下での推移中は20日の日中も安値を試しやすい状況が続くとみる。
(3)18日深夜高値超えからはいったん強気サイクル入りとして112.75円から113円試しとするが、113円手前は戻り売りにつかまりやすいとみる。FOMCから強気されて113円台回復、維持なら上昇再開として113.50円超えを目指すとみるが、サプライズ的な強気反応でなければ10月4日からの戻り高値切り下がりラインを超えずに下げ再開へ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

12/19(水)
英中銀金融政策委員会(MPC)1日目
日銀・金融政策決定会合(1日目)
16:00(独)11月生産者物価指数前月比(10月0.3%、予想-0.1%)
18:30(英)11月消費者物価指数前月比(10月0.1%、予想0.2%)
18:30(英)11月消費者物価指数前年同月比(10月2.4%、予想2.3%)
18:30(英)11月小売物価指数前月比(10月0.1%、予想0.1%)
18:30(英)11月小売物価指数前年同月比(10月3.3%、予想3.2%)
18:30(英)11月生産者物価コア指数前年同月比(10月2.4%、予想2.3%)
22:30(米)7-9月期四半期経常収支(前期-1015億ドル、予想−1245億ドル)
24:00(米)11月中古住宅販売件数年率換算件数(10月522万件、予想520万件)
28:00(米)米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利(現行2.00-2.25%、予想2.25-2.50%)
28:30(米)パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

12/20(木)
未 定 (日) 日銀金融政策決定会合 政策金利 (現行 -0.10%、予想 据え置き)
06:45 (NZ) 11月 貿易収支 (10月 -12.95億NZドル、予想 −8.80億NZドル)
06:45 (NZ) 7-9月期GDP 前期比 (前期 1.0%、予想 0.6%)
06:45 (NZ) 7-9月期GDP 前年同期比 (前期 2.8%、予想 2.8%)
09:30 (豪) 11月 新規雇用者数 (10月 3.28万人、予想 2.00万人)
09:30 (豪) 11月 失業率 (10月 5.0%、予想 5.0%)
15:30 (日) 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
18:00 (欧) 10月 経常収支 季調済 (9月 169億ユーロ)
18:00 (欧) 10月 経常収支 季調前 (9月 241億ユーロ)
18:30 (英) 11月 小売売上高 前月比 (10月 -0.5%、予想 0.3%)
18:30 (英) 11月 小売売上高 前年同月比 (10月 2.2%、予想 2.0%)

21:00 (英) イングランド銀行(BOE)政策金利 (現行 0.75%、予想 据え置き)
21:00 (英) 英中銀資産買取プログラム規模 (現行 4350億ポンド、予想 据え置き)
22:30 (米) 12月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 (11月 12.9、予想 16.0)
22:30 (米) 週間新規失業保険申請件数 (前週 20.6万件、予想 21.9万件)
24:00 (米) 11月 コンファレンスボード景気先行指数 前月比 (10月 0.1%、予想 0.1%)
28:00 (メ) メキシコ中銀、政策金利 (現行 8.00%)

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