ドル円は方向性乏しくレンジ取引継続も(12/14夕)

14日の東京市場は、揉み合い。113円半ばを挟み、20ポイント強のレンジ取引で方向性は乏しかった。

ドル円は方向性乏しくレンジ取引継続も(12/14夕)

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14日の東京市場は、揉み合い。113円半ばを挟み、20ポイント強のレンジ取引で方向性は乏しかった。

ドル/円相場は、113.55円レベルで寄り付いたものの、上下ともに攻めにくい。日経平均株価が終値ベースで441円安と大きく下落したが、それを受けたリスク回避の動きも限られた。終日を通して、113.40-65円といったレンジ取引をたどると、16時時点では113.55-60円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、東京時間に目を引いたのはNZドルを中心としたオセアニア通貨とポンド。ともに対円やドルなどでは大きく値を崩している。ポンドはともかく、豪ドルなどオセアニア安には発表された中国経済指標が、総じて冴えない内容となったことが嫌気されていた面もあるだろう。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易戦争懸念」について。
「中国ファーウェイのCFO逮捕」問題については保釈が決定、足もとはやや小康状態をたどるなか、複数の米メディアが「ロス商務長官、中国は通商問題解決に確約以上の実施が必要」、「トランプ大統領、中国は一層の車関税引き下げを」−−といったコメントを報じ、思惑を呼んでいた。
そのほか、単発的なものとして「日銀が12月短観発表、大企業DIは前回と同じプラス19」、米紙WSJ調査「民間エコノミストは、来年の米利上げを1回減らし2回と予想」、CNN「全米やカナダで爆弾脅迫メール相次ぐ」などといったニュースが報じられている。

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ドル/円は11日以降のレンジ上限であった113円半ばを超えてきたものの、114円台にはとどかず。113円台でのレンジ取引が依然として続いている状況に変化はみられない。リスクという意味では上方向に幾分バイアスがかかりそうだが、11月以降の大きなボックス圏である112.23-114.23円の上限、つまり114.23円を超えることは簡単でないようだ。いましばらくは、113円台を中心としたレンジ取引の続く可能性を否定できないだろう。

マーケットは典型的なクリスマス相場の様相で、動意は日に日に乏しくなっている。材料的には、米中をメインに、日米や日欧についても貿易問題がジワリとクローズアップされ始めているものの、市場の反応はやや鈍い。なにか際立ったトピックがあれば話は別だが、基本的には火種としてはくすぶるものの、本格的な動意はクリスマス明けまで持ち越しとなる可能性もありそうだ。

テクニカルに見た場合、過去1ヵ月以上にわたり112.23-114.23円という2円レンジを形成しており、しっかりとした方向性はうかがえない。112-113円台は思いのほか居心地がよく、いましばらくはレンジ取引が続くとの見方が有力だ。ただ今回と同様の展開、たとえば今年の7月下旬から2ヵ月近く110-112円程度のレンジ取引をたどった際には、上抜けたのち半月程度で114円半ば(年初来高値)を記録していた。そうした経験則を参考にすれば、今回も上下どちらか抜けた方向に2円程度値が飛ぶ可能性があり、一応要注意が必要だろう。

一方、材料的に見た場合、11月の小売売上高や同鉱工業生産などの米経済指標が発表される予定となっている。それを除くと、目立った材料はないのだが、前述したようにクリスマスを前に「全米やカナダで爆弾脅迫メール相次ぐ」といった報道が観測された事などは気掛かりだ。
また、米国よりも欧州情勢には依然として要注意。昨日に続きEU首脳会談が実施される予定とされ、イタリア予算案や英国情勢、フランスの財政赤字問題などに関する何らかの発表があるのか否かを警戒する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.20-114.00円。ドル高・円安方向は、昨日記録したドル高値の113.70円レベル。この水準は、11月高値114.23円を起点とした下げ幅のフィボナッチ76.4%戻し(113.75-80円)にも近い。抜けた場合には、114円レベルがターゲットに。対するドル安・円高方向は、昨日から本日のドル安値である113.45-50円が最初のサポートか。
ただ、割り込んでも12日安値の113.14円、11日安値113円前後など下方向のテクニカルポイントは多く、112円台突入までの道のりも遠そうだ。

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