ユーロドル 横ばい後欧州時間に下値を広げる
14日の東京市場でユーロドルは1.13台半ばで方向感なく推移しましたが、欧州時間に入りフランス、ドイツ等の製造業PMIが予想以上に悪化すると急速にユーロ売り圧力が強まり、18:00前に1.1300を割り込む動きとなりました。
昨晩のECB理事会後の結果公表ではECBが経済の先行き見通しを下方修正、ドラギ総裁も「成長の勢いがやや鈍化すると見込まれる」と表現した他、「リスクバランスは下方に動きつつある」などと景気先行きに対して予想以上にストレートに懸念を示しました。
ただ、来週に米FOMCを控え米景気の先行き見通しにも懸念が広がっている中で一方向のユーロ売りとはならず、昨晩のユーロ安は対ドルでは1.1331まで、その後は1.13台半ばを回復していました。
しかし、本日夕刻の欧州各国およびEUのPMI悪化は、一旦は押さえ込んだユーロ売りを再燃させることとなり、ユーロドルは11/28以来の1.13割れ割れを示現、東京時間18:30現在は1.1390近辺での取引です。
また、本日日中発表となった中国の11月の鉱工業生産や小売売上高が軒並み予想を下回り、とりわけ小売売上高は2003年以来の低水準となったことが市場のリスク回避を強めており、円以外の通貨に対してのドル買い要因となっています。この流れでアジア株はほぼ全面安、序盤の欧州株価指数先物も軒並み下落して始まっています。
テクニカルには、ユーロドルが1.13を割り込んできたことでユーロドルは、三角持ち合いのサポートラインを下抜けて、ますます方向感がなくなってきた印象です。当面のユーロドルの下値ターゲットは。11/28にFRBパウエル議長が現在の金利を「中立金利のわずかに下」と表現して市場を驚かせる直前の安値1.1267。この水準は米景気後退懸念でのドル売りを、欧州景気先行き懸念のユーロ売りですべて打ち消すレベルと表現できないこともありません(?)。
一方でFOMCへの警戒感もありこのまま一方向のユーロ安になるとは考えにくく、1.12台前半ではユーロ買いも入って一旦は下げ止まりそうです。逆に上方向は引き続き1.14台前半が重く、結局はレンジ取引がメインシナリオ。ただ、週末、年末要因で市場が薄めということもあり、予想外のチョッピーな値動きには注意が必要です。
今晩はこの後22:30に米11月の小売売上高、23:15に鉱工業生産と設備稼働率、さらに23:45に製造業PMIと、FOMC直前に重要指標が並び波乱含みです。
ユーロドル日足
オーダー/ポジション状況
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