ドル円見通し ダブル底からの戻り尚継続中(12/14)

13日未明には113.13円まで押したが113円台を維持、13日夜の上昇で113.70円まで戻り高値を切り上げてきた。

ドル円見通し ダブル底からの戻り尚継続中(12/14)

【概況】

株安と米長期債利回り低下を背景に11月28日深夜高値114.03円から12月6日深夜安値112.24円へ下落、さらに10日午前にも112.23円をつけたがその後は両安値をダブル底として反騰入りした。12日には113.51円まで戻したところで上げ一服となり13日未明には113.13円まで押したが113円台を維持、13日夜の上昇で113.70円まで戻り高値を切り上げてきた。
12月10日への下落はNYダウが10日の急落時に10月暴落でつけた10月29日安値を割り込む等の株安が背景だったが、その後のNYダウは新たな底割れを回避してやや持ち直している。12月1日の米中首脳会談直後の両国関係の改善に対する期待がファーウェイ副会長逮捕騒動で悲観に変わったが、米中間の電話協議や中国の大豆大量購入報道、ファーウェイ副会長保釈等で株安も落ち着いた。
その一方で英国のEU離脱問題でメイ首相が議会の離脱協定承認採決を見送り、与党内で党首信任投票が行われる等の混乱が発生したことでポンドやユーロが下落、ドル高感が強まった。また株安が一服したことで米長期債利回り低下も落ち着いたためにドル円は10日からの上昇を継続している。

【10月4日からの高値切り下がりラインを再び試す】

11月28日深夜から12月10日までの下げ幅に対する半値戻しが113.13円、3分の2戻しが113.43円だったが、すでにこれらをクリアしている。また10月4日以降の高値圏持ち合い状況において、12月6日への下落で11月20日安値を割り込んだために持ち合い下放れへの懸念が強まりかけたが、8月21日や10月26日の安値を下支えした104日移動平均が今回も12月6日及び12月10日の安値を支えた。
12月10日からの反発により今度は10月4日高値、11月12日高値、11月28日高値と切り下がってきた持ち合い圏の抵抗線を試す状況に入ってきている。仮に11月28日高値114.03円を超えてくれば抵抗線突破により10月4日高値超えを試しにかかる可能性も高まるところだが、再び高値切り下がりに終わると、次の下落では104日移動平均を維持できずに持ち合い圏から転落しやすい状況へと変わると思われる。

【ECB、量的緩和規模拡大終了も再投資を継続】

欧州中央銀行(ECB)は13日夜の理事会で主要政策金利据え置きを決定した。またこれまで規模を縮小しつつ継続してきた量的緩和(QE)を終了させることを決定したが、QEによって保有した債券の償還資金再投資については利上げ再開後も長く継続するとした。また2018年の成長率予想を9月時点の2.0%から1.9%に、2019年についても1.8%から1.7%へ引き下げ、インフレ率予想では2018年を1.7%から1.8%へ引き上げたが2019年は1.7%から1.6%に下方修正した。

ECB政策発表とドラギ総裁会見後にユーロは反落したが、12日未明安値割れへの一段安はまだ回避している。ユーロドルは11月13日に1.1215ドルまで下落して年初来安値を更新したが、その後は1.1350ドルを中心とした横ばいが続いている。英国のEU離脱問題での混乱や、イタリア財政赤字をめぐる問題、マクロン政権批判の大規模デモ等、米欧の保護主義的な対立、独メルケル首相の地方選敗北による求心力低下等、今年のユーロを取り巻く環境はネガティブなものが多かった。しかもいずれもまだ未解決であり、現状が下げ一服の持ち合い中とすれば年末から年明けにかけてはユーロの一段安も警戒しておく必要があると思われる。その際にユーロ安がドル高感を助長するものになるのかリスク回避感を強めるものになるのかによりドル円への影響もまた変わってくる。

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月5日未明安値から3日目となる12月10日朝安値で6日深夜安値とのダブル底を付けてリバウンドに入っていた。12日午前高値113.51円で直近のサイクルトップを付けていったん下落したが、13日夜に一段高しているため13日未明安値を直近のサイクルボトムとした新たな強気サイクル入りとして次のトップ形成期となる15日未明から19日の日中にかけての間への上昇が想定される。弱気転換は13日未明安値割れからとし、その際は次のボトム形成期となる18日未明から20日未明にかけての間への下落が想定される。

60分足の一目均衡表では13日夜の一段高で遅行スパンが好転した。13日未明への反落時も先行スパン上限が支えとなり、その後も先行スパンを上抜いた状況も維持されているので、遅行スパン好転中は高値試し優先とし、遅行スパン悪化からは弱気転換注意、先行スパン転落からは弱気転換として安値試し優先へ切り替える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。

(1)当初、113.45円を支持線、113.70円を上値抵抗線とみておく。
(2)113.45円を上回るうちは113.70円超えから高値試し継続として11月28日深夜高値114.03円を試すとみる。来週のFOMCも控えているので114円手前では戻り売りも出やすいと注意するが、新たな押し上げ材料を伴って114円を突破する場合は週明けの上値目途を114.25円前後まで引き上げる。
(3)113.45円割れからは下げ再開注意として13日未明安値113.13円試しとし、安値更新からは弱気サイクル入りとして112円台後半への下落入りを想定する。

【当面の主な予定】

12/14(金)
11:00 (中) 11月 小売売上高 前年同月比 (10月 8.6%、予想 8.8%)
11:00 (中) 11月 鉱工業生産 前年同月比  (10月 5.9%、予想 5.9%)
13:30 (日) 10月 鉱工業生産 確報値 前月比 (速報 2.9%)
13:30 (日) 10月 鉱工業生産 確報値 前年同月比 (速報 4.2%)
17:30 (独) 12月 製造業PMI (11月 51.8、予想 51.7)
17:30 (独) 12月 サービス業PMI (11月 53.3、予想 53.5)
18:00 (欧) 12月 製造業PMI (11月 51.8、予想 81.9)
18:00 (欧) 12月 サービス業PMI (11月 53.4、予想 53.4)

22:30 (米) 11月 小売売上高 前月比 (10月 0.8%、予想 0.1%)
22:30 (米) 11月 小売売上高・除自動車 前月比  (10月 0.7%、予想 0.2%)
23:15 (米) 11月 鉱工業生産 前月比 (10月 0.1%、予想 0.3%)
23:15 (米) 11月 設備稼働率 (10月 78.4%、予想 78.6%)
24:00 (米) 10月 企業在庫 前月比 (9月 0.3%、予想 0.5%)

オーダー/ポジション状況

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