ドル円は基本レンジか(12/11夕)

11日の東京市場は、揉み合い。113円前半を中心とした30ポイント強のレンジ取引で、明確な方向性はうかがえなかった。

ドル円は基本レンジか(12/11夕)

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11日の東京市場は、揉み合い。113円前半を中心とした30ポイント強のレンジ取引で、明確な方向性はうかがえなかった。

ドル/円相場は、寄り付いた113.30-35円を日中高値にドルがやや小安い。しかし、113円割れを試すも失敗に終わったことで、その後は113.00-20円といった極めて狭いレンジ取引の様相を呈している。前日比53円台とプラス圏で寄り付いた日経平均株価がマイナス圏へと転じたものの、終値ベースでは71円と小幅安にとどまったこともあり、為替市場におけるリスク志向の動きも限定的だった。16時時点では113.10-15円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、昨日は昨年4月以来となる安値を記録したポンド/ドルだが、本日東京時間は小康。1.25ドル後半を中心とした一進一退の動きをたどっている。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中貿易問題」について。
前者は、週末に一部英紙が報じていた「メイ首相、11日の下院採決を延期か」が現実のものとなるなか、欧州委報道官「英離脱合意の再交渉は行わず」、日経新聞「英首相、欧州首脳らと打開策協議へ」、米紙WSJ「EU離脱、英金融界はクリスマス前に時間切れも」−−といった関連報道や発言が相次いでいた。また、ポリティコは「英首相、11日夕方に欧州委員長と会談へ」などと報じている。
対して後者は、産経新聞が「中国企業で米国製品ボイコットの動き」と報じるなど米中間の軋みが鮮明化するなか、「中国副首相と米財務長官が貿易協議日程で意見交換」と報じられ、関係改善に期待が高まった。

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直近だけで最低2回、11月を含めれば3回以上トライして割り込めなかった112.20-25円をボトムに、足もとのドルは小じっかり。113円台を回復する展開となっている。下値リスクが完全に払しょくされたわけではないものの、しばらくは112-113円台を中心に底堅い値動きをたどる公算が大きい。
材料的には、米中貿易戦争の行方が依然として注視されている。また、その影に隠れがちだが日米貿易問題の行方も気掛かりだ。昨日は米通商代表部による「対日公聴会」が開催され、案の定「自動車輸出と絡め為替条項導入」などが意見としてだされたという。いまスグということではないものの、今後の米側の動きに注意を払いたい。なお、本日は麻生財務相がこの件と絡め、「日米首脳間で為替が議題になったことはない」と発言していた。そのほか、引き続き英国やイタリアを中心とした欧州情勢にも要注意。

テクニカルに見た場合、過去1ヵ月以上にわたり112.23-114.23円という2円レンジを形成しているようだ。本日の東京終了時のレートが113.10-15円であり、ちょうど真ん中、もっとも居心地の良いレベルに位置している感を否めない。いずれしても、上記2円レンジをどちらの方向に抜けていくのか、その方向性が最大の注目点か。
ちなみに、上抜けの場合、年初来高値の114.55円や115円がターゲットとなる反面、下方向に割り込んできた際には10月安値の111.38円が視界内に捉えられそうだ。

一方、材料的に見た場合、11月の生産者物価指数などの米経済指標が発表されるほか、米財務省による3年債入札が実施される見込みだ。そのほか対中や対日などを中心とした米貿易問題の行方、依然としてゴタゴタの続く米政権人事などにも一応要注意。
ただ、目先についてはそれらよりむしろ欧州情勢に注目集まる。英国は予定していた「下院でのEU離脱協定案採決」を見送ったものの、前述したように「英首相、11日夕方に欧州委員長と会談へ」と報じられており予断許さず。また、イタリアに関しては「修正予算案の提出」が見込まれており、その内容をめぐり波乱材料になりかねないと警戒する声も少なくないようだ。

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ドル円日足

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.60-113.60円。ドル高・円安方向は、昨日高値である113.37円が最初の抵抗に。抜ければ、月間のドル高値圏である113.70-80円レベルがターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、東京で割り込めなかった113円レベルの攻防にまずは注視。割り込めば、一目均衡表の先行帯の雲が位置する112.45-70円がサポートとして意識されそうだ。(了)

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