ユーロ 英下院採決延期後の下落から小幅反発(12/11夕)

11日の東京市場でユーロドルは1.13台後半をじり高推移。

ユーロ 英下院採決延期後の下落から小幅反発(12/11夕)

ユーロドル EU離脱協定英下院採決延期後の下落から小幅反発

11日の東京市場でユーロドルは1.13台後半をじり高推移。昨晩、英国のメイ首相が可決の見込みがないとして、EU離脱協定の下院採決を見送ったことからポンドが急落。ユーロもつれ安となり、昨日早い時間には米長期金利低下のドル安から1.14台半ばに達しつつあったユーロドルはNY時間に1.1351まで下落しました。
本日東京時間も、朝方の安値はNY時間の安値と面合わせの1.1351でしたが、米長期金利がやや反発したことから、じりじりと買い戻される動きとなり、欧州勢参入後の東京時間19:00現在は1.1380-85レベルでの取引です。

英国のメイ首相はEU離脱協提案の下院での採決延期を決め、論点のひとつとなっている所謂バックストップ条項によるアイルランドの国境問題に関し、EUから何らかの「保証」を取り付けるべくEU首脳会議に臨みます。
現段階では協定の実質部分で更なる譲歩を引き出すことは困難と思われ、双方の解釈が異なるアイルランド−北アイルランド間の国境の暫定的な対応について長期に亘り英国がEUの関税同盟に留まらざるを得なくならないような、「注釈」のようなものを加えるイメージと想像されますが、一旦は終了した交渉であり、下院の過半数を納得させられる修正を引き出せるかは全く不透明。
次の採決の日程は明らかにされていませんが政府が議会に合意なき離脱の場合の対応を説明する来年1/21が最終期限であるとされていて、それまでに解決できない場合には「合意なき離脱」が現実のものとなる可能性が高まります。

一方イタリアの修正予算案も、政府内部でGDPの2.0%未満に治める折衝が行われているものと予想されていたものが、本日の報道では2.2%を譲らない両副首相にコンテ首相が2.1%の赤字目標を説得試みているとされており、そもそもEUの求めている2%未満の数字とは違うレベルのやりとりがされているらしいことがわかってきて失望感が漂っています。
ただ、昨晩は最近の米景気先行き警戒感にやや過剰反応気味との見方も出て、米株が終盤にかけて買い戻され、米主要株価指数がプラスで終了したことが、ユーロドルではリスク選好のドル売りに働き、ユーロドルの一方向での下落とはならなかったものと考えられます。

引き続き米欧材料の綱引きが続くユーロドルですが、底値切り上げの動きと1.14台の重さからの膠着状態が続きます。来週に米FOMC、その前に今週の木曜にECB理事会を控え、また、徐々に年末要因も加わってここから為替は動きにくくなる局面ですが、週末の欧州首脳会談に向けイタリア、英国ともに新たな動きが出てこないとも限らない状況であり、突発的な値動きには注意が必要です。
序盤の欧州株価指数先物は米株反発を受けてほぼ全面高。本日この後22:30に米国11月のPPIの発表があります。

ユーロドル EU離脱協定英下院採決延期後の下落から小幅反発

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