<< 東京市場の動き >>
5日の東京市場は、ドルが小高い。前日に割り込んできた113円レベルを一日で回復、ドルの続落に歯止めをかけている。
ドル/円相場は、112.75円前後で寄り付いたのち日中安値の112.65円レベルを示現。しかし、その後はドルが小じっかりとなった。前日の米株大幅安もあり、懸念されていた日経平均株価は結局マイナス圏で引けたものの、下げ幅を大きく縮小したことや、M&Aの観点から注目を集めていた株主総会における「武田薬品のシャイアー買収承認」が材料視されていたという。
日中ドルはじりじりと買い進まれる展開をたどり、当初は重かった113円台も何とか回復。16時時点では、本日の最高値圏である113.00-05円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、仮想通貨が全般的に冴えない動きとなるなか、ビットコインキャッシュの下げが本日も目立つ格好に。早朝に150ドルを割り込むなど、連日の年初来安値更新を記録していた。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」について。
前日からリスボン条約とも言われる「EU基本条約第50条」をめぐり様々な発言が飛び交い思惑が交錯するなか、「英下院はメイ政権非難の動議を可決」しており、英国のEU離脱は再び混沌としてきた。
そのほか、単発ものとして先でも取り上げた株主総会における「武田薬品のシャイアー買収承認」や、FOXが報じたナバロ米大統領補佐官による「米中協議を楽観視」との発言。日本からは若田部日銀副総裁の「経済へ下押し圧力あるとデフレに戻るかもしれない」、「必要があれば躊躇なく追加緩和をすべき」−−とのコメントが聞かれており一部で話題となっていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、昨日の米時間に一時112円半ば近くまで下落するも、その後は持ち直しの動き。つまり、形成レンジを一時的に割り込んだ感があったが、再びレンジ内に回帰する展開で、判断に悩むところだ。リスクという意味では引き続きドル安方向にバイアスが掛かりそうだが、いま少し動静を見極めたい。
材料的には、先週末の米中首脳会談を経てなお、貿易問題の危機感は払しょくされておらず、依然として市場参加者を悩ます存在だ。しかし、90日間という猶予をもらったこともあり、喫緊の課題としては重要度が後退した感もある。このあと、再び俎上に上ることは必然ながら、今週は週間を通して重要な米経済指標が発表されることで、目先的にはファンダメンタルズに着目した値動きを見込む声も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、過去1週間程度形成している113円台を中心としたボックス圏、10月以降の三角保ち合いともに一時下限を割り込むも、結局回帰しており早計には判断できない。
視点を変えると、ドルの下値を支えてきた移動平均の25日線(113.30-35円)を下回ったものの、112.65-70円に位置する一目均衡表の先行帯の雲の上限がサポートになった感がある。ごく短期的には、25日線と雲の上限のどちらを突破していくのか、その攻防が注視される。
一方、材料的に見た場合、米地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表が予定されている。これは当然要注意。ただ、本日はブッシュ元米大統領追悼の日で株式・債券市場が休場したことから、反応は限られるとの指摘も聞かれていた。
とは言え、EU離脱をめぐり依然として右往左往している英国や、政府による修正予算案の提出待ちというイタリア情勢などを中心に、欧州ファクターは予断許さず。ユーロやポンドなどが主導した相場の動きにも一応注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.70-113.70円。ドル高・円安方向は、移動平均の25日線や一目均衡表の基準線など複数のテクニカルポイントが位置する113.30円前後が最初の抵抗。抜ければ今週高値の113.85円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値も近い一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する112.65-70円の攻防を注視。割り込んだ場合には、同下限が位置する112.15-20円が視界内に。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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