ドル円113円割れでドルの下値リスク再燃も(11/19夕)

週明け19日の東京市場は、112円後半で一進一退。新規材料が乏しかったこともあり、積極的な動意に欠け、レンジ取引に終始している。

ドル円113円割れでドルの下値リスク再燃も(11/19夕)

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週明け19日の東京市場は、112円後半で一進一退。新規材料が乏しかったこともあり、積極的な動意に欠け、レンジ取引に終始している。

週末にはアジア太平洋経済協力会議(APEC)に絡むニュースが幾つか観測され、そのなかには「米中の対立で初の首脳宣言の採択を見送り」といった報道も。しかし、為替市場への影響は軽微で、前週末のNYクローズと大差ない112.75円レベルで寄り付いている。
ただ、寄りついたのちも動意に乏しく、112.60-85円といった狭いレンジでの揉み合いに終始。16時時点では、寄り付きとほぼ同じ112.75円前後で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、そうしたなか仮想通貨は全体的に冴えず。代表的なビットコインが5600ドル台から5400ドル台へと値を下げたほか、イーサリアムやリップルなども軒並み値を下げている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易問題」と「英国情勢」について。
前者は、週末にトランプ米大統領から「中国は貿易摩擦の緩和を望んでいる」といった発言が聞かれたものの、先で指摘したようにAPECでは米中の対立激化が改めて示された。また、両者の板挟みとなった安倍首相からは名指しを避けながらも、「貿易問題応酬に自制を促す」といった発言が聞かれている。
対して後者は、英紙サンが「英保守党議員42人が書簡でメイ首相支持しないと表明」と報じるなか、メイ首相からは「いま首相が代われば離脱は実現しないおそれ」とする半ば恫喝的な発言も観測されるなど、混沌とした状況は継続しているようだ。

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まだ完全ではないが、ドル/円は筆者が攻防の分岐点として警戒していた113円レベルを下回っての推移となっている。ドル高基調が終了し、ドル安へトレンド転換した可能性も否定出来なくなった。ちなみにフィボナッチで見た場合、10月安値111.38円を起点とした上げ幅の半値押し(112.80円レベル)を下回っており、次のターゲットは61.8%押し(112.45-50円)となる。株価や米長期金利などをにらみつつだが、ドルの続落にも一応要注意。

材料面で見た場合、貿易問題を中心とした幾つかの米国ファクターが注視されているものの、今週は22日に米感謝祭を迎え、いよいよクリスマス・年末モードへと突入することで、需給要因についての関心も高まりつつある。先で指摘したように、テクニカル面などはややドル安有利との見方を示す反面、需給要因は逆にタイトでドルの支援要因となりそうだ。

テクニカルに見た場合、年初来高値114.55円と、12日高値114.23円でダブルトップを示現後、足もとでは112円台まで下落に転じてきた。単なる調整にとどまらず、ドル安方向へ基調転換した可能性もある。そんなドルの次の下値メドは、今月安値112.55円あるいはフィボナッチを参考にした112.45-50円など。
対する抵抗は、足もと下回って推移している一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する112.90円レベル。超えれば113円台回復が見えてくる。

一方、材料的に見た場合、11月のNAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表されるほか、ウィリアムズNY連銀総裁による会合に出席が実施される見込みだ。それら要因には一応要注意。
また、首相辞任観測などもくすぶる英国ファクターや、「欧州委が21日に対制裁手続き勧告を実施する」と報道されたイタリア情勢、原油市場をめぐる各国の駆け引きなどにも引き続き注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.20-113.20円。ドル高・円安方向は、一目の雲の上限が位置する112.90円レベルの攻防がまずは注視され、抜けた場合には113.20円前後、一目の転換線が位置する113.40-45円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、今月安値112.55円あるいはフィボナッチを参考にした112.45-50円などがサポート。割り込むようだと、一目の先行帯の雲の下限が週を通して位置する112.15-20円が意識されそうだ。

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