<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場は、ドルが小じっかり。ただ、終日を通して動いた値幅はわずか30ポイント強にとどまるなど、大きな意味ではトレンドレス。明確な方向性は乏しかった。
ドル/円相場は、112.35-40円で寄り付いたのち、しばらく揉み合い。112.30-50円といったレンジ取引をたどっていたが、上抜けると日中高値である112.65円レベルまで小幅に続伸している。
しかし、前日比156円高で寄り付いた日経平均株価が上げ幅を縮小、終値ベースでは80円高にとどまったことなどもあり、ドルの上値も重く上げ渋ると、再び揉み合いに。16時時点では112.45-50円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「トランプファクター」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、サウジアラビア人記者死亡事件へのサウジ政府の対応について、トランプ米大統領から「史上最悪のもみ消しだ」と非難するコメントが聞かれたうえ、米紙WSJは、トランプ氏がインタビューで「FRB議長は利上げを楽しんでいる」「米国の鉄鋼・アルミ関税は小規模」−−などと述べたと報じている
対して後者は、国連のキンタナ特別報告者から「安全保障や平和などでの重要な進展にもかかわらず、北朝鮮の状況は変わっていない」との発言が聞かれるなか、聯合ニュースは「南北国防次官、中国フォーラムの際に会談の可能性」と報じ、思惑を呼んでいたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
なかなか悩ましい値動きだが、先日111.60-112.90円、1.3円ほどのレンジを新しく形成したようで、そのなかでの変動にとどまっている。と言うより、期間をもう少し狭め、過去1週間ほどに絞れば、そのほとんどが112円台での値動きだ。111円台を付けた時間帯は決して長くない。ともかく、短期的には方向性を喪失している感を否めないだろう。まずは、ここ最近推移しており、居心地も良さそうな112円台を上下どちらに放れるのか、その方向性を注視したい。
材料面では、米中間選挙を控え貿易問題についての懸念が依然としてくすぶるなか、米多国籍企業の決算発表に引き続き注目。そのほか、「サウジ事件」や「INF条約破棄表明」などの続報にも要注意だが、やや気掛かりなのは米株が最近不安定な値動きをたどるなか、為替の反応が鈍くなってきたこと。つまり、両者の連関性が低下している感もある。株安が進行しても、それほど円高が進まないのかもしれない。
テクニカルに見た場合、先で指摘した111.60-112.90円というレンジ、あるいはもう少し短気で見た111.90-112.90円のレンジ、それらをめぐる攻防にまずは注目。上抜ければ、当然113円台回復が見込まれ、具体的には一目均衡表の基準線が位置する113.05-10円などがターゲットに。対して、下抜けた場合には、111.25-50円といった範囲に位置する一目の先行帯の雲が意識されそうだ。
一方、材料的に見た場合、再び最新10月分のデータとして製造業や総合のPMI速報といった米経済指標、そして米地区連銀報告が発表されるほか、米財務省による5年債入札も実施される見込みだ。また、ボスティック・アトランタ連銀総裁などによる講演、ボーイングやAT&Tなどによる決算発表も予定されている。注目要因は引き続き少なくない。
加えて、引き続き欧州情勢にも要注意。そのひとつとして、英首相報道官が明らかにした「24日、メイ首相による保守党議員の会合での演説実施」を注視する声が多い。厳しい質問や非難が飛び交う可能性が指摘されることで、メイ首相の対応次第ではポンドが波乱の値動きも。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.00-113.00円。ドル高・円安方向は、東京高値である112.65円レベルが最初の抵抗で、抜ければレンジ上限である112.90円が視界内に。それも超えれば、いよいよ113円台回復に現実味。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースではここ最近だけで2度下げ止まっている111.95円レベルの攻防にまず注視。下回ると直近安値111.63円などがターゲットとなりそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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