<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場は、ドルが小高い。111円台で安寄りしたものの、堅調な株価もありドルがじりじりと買い進められ112円台を回復してきた。
ドル/円相場は、111.75円前後で寄り付いた。しばらくは揉み合い推移をたどったが、前日比26円高で寄り付いた日経平均株価が上昇をたどり、大引けベースでは277円高まで値を伸ばしたことを好感し、為替市場でもドル買い・円売りが優勢となっている。
日中高値である112.15円まで上昇し、引けにかけてやや緩むも112円台を維持。16時時点では112.05-10円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「日米貿易協議」について。
前者については、韓国大統領が訪仏し大統領と会談したものの、その反応は「真の非核化意志あれば北への支援は可能」(仏大統領)とやや冷淡な反応。そうしたなか、朝日新聞は「米朝首脳の再会談、11月中旬に欧州の観測浮上」、露系通信社が「北委員長、10月終わりから11月初めに訪露の可能性」と報じていた。
対して後者は、毎日新聞が茂木再生相へのインタビューとして「日米TAG交渉でTPP以上の譲歩も」と報じ物議を醸すなか、為替面に関して、世耕経産相「為替問題は必要があれば日米の財務相が議論する」、麻生財務相「日米間で対話や議論が行われている事実ない」−−といった発言が聞かれていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
大きな流れは「ドル高基調のなかの調整局面」で間違いなさそう。ただ、問題は昨日記録した安値111.63円でドルはボトムアウトしたのかどうか。昨日もレポートしたように、フィボナッチの観点からすると、8月安値109.77円を起点としたフィボナッチの61.8%押しは111.60円レベルとなり、昨日示現したドル安値に極めて近い。個人的には依然として予断は許さない気がするものの、目先のドル下値不安が多少なりとも和らいだ感はある。また、ドルの強気派からは、価格的な面での調整終了を指摘する声も一部で聞かれていた。
材料面では、11月に予定されている米中間選挙をにらみ、米中や日米といった米国の貿易問題が再び関心を集め始めている。それも単なる貿易問題だけでなく、為替と絡めての懸念も強い。なお、半期に一度の「米為替報告書」の発表は、本来であれば昨日が期限であったが、ここ数年の習いで今回も後ズレした。
ともかく、週内には発表される公算が大きいと予想されており、「為替操作国」の認定をめぐり、いましばらく思惑が交錯しそうだ。
テクニカルに見た場合、強いサポートである112円を昨日NYクローズでも下回り、「勝負あり」と思われたが、本日の東京時間に再び回復するなど、なかなかの粘り腰を見せている。依然としてドルの下値不安はくすぶるものの、8月安値109.77円を起点としたフィボナッチの61.8%押しにあたる111.60円レベルでドルは下げ止まったことは、やや気掛かりだろう。強気派からは基調反転の印といった声も一部で聞かれていた。
ちなみに、今後111.60円レベルを割り込むと、一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する111.45-50円、あるいは111円前後などがターゲットに。対するドルの抵抗は、112円半ばや移動平均の25日線など複数のテクニカルポイントが位置する112.75円レベルとなりそうだ。
一方、材料的に見た場合、9月の鉱工業生産や同設備稼働率、10月のNAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表されるほか、モルガンスタンレーなど米金融大手による四半期決算発表も予定されている。
それらは当然要注意なのだが、別途気になるのは先でも指摘した「米為替報告書」の発表ならびに、昨日提出された「2019年度イタリア予算案」の欧州委員会による審査。後者である欧州情勢については、英国を含めて問題が目白押しで引き続き予断は許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.60-112.60円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値を含めた112.15-25円が最初の抵抗で、抜ければ112円半ば、25日線などが位置する112.70-75円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、フィボナッチでみたテクニカルポイントかつ、直近安値にもあたる111.60円レベルが最初のサポートか。割り込めば一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する111.45-50円、111円前後などが視界内捉えられそうだ。
ドル円足
オーダー/ポジション状況
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