<< 東京市場の動き >>
9日の東京市場は、ドルが小高い。東京勢が3連休明けとなるなか、日経平均株価が値を崩したものの底堅く、むしろ夕方にかけてドルは上値を伸ばしている。
ドル/円相場は、113.15-20円で寄り付いたものの、当初は売買手控えムード。112.95-113.20円といったレンジ取引が続き、方向性は乏しかった。
そうしたなか、日経平均株価は4日続落、クローズベースでも314円安と大きく下落したが、それにともなうリスク回避の円買いは限定的。むしろ、米長期金利の上昇などを支えに、夕方にかけてドル高・円安が進行。16時時点では、日中高値である113.30円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中間の抗争深刻化」について。
前者は、ロイターが「米財務省高官、人民元下落を依然として懸念」と報じ思惑を呼ぶなか、「IMFが発表した世界経済成長見通しを下方修正、米中摩擦が悪影響との見方」といった報道に加え、時事通信が「北朝鮮問題を話し合うため北京入りしたポンペオ米国務長官を待っていたのは、中国側の冷遇だった」としたうえで、「異例の険悪なやりとりが行われ、関係悪化に拍車が掛かった」と報道、物議を醸していた。
また、それらとは別に「グーグル、最大50万人の個人情報流出の恐れ」、「東証で一部システム障害発生」、「カバノー米最高裁判事就任式典開催、トランプ氏は『無実を証明』と発言」−−などといったニュースが観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
大きな流れはドル高・円安方向にバイアスがかかるも、足もとは調整と思しき局面入りしているようだ。9月7日安値110.38円を起点としても、10月3日の114.55円まで、約1ヵ月でほぼ一本調子に4円以上上昇してきただけに、ある意味当然の動きと言えるかも知れない。
ただし問題は、いわゆる「価格調整」or「時間調整」のいずれをたどるのか。前者であれば、ザックリ言って上げ幅の半値程度の押し、つまり112円半ば程度までの押しが予想される反面、後者であれば底堅いが113円台などで冴えない値動きがやや長期化する懸念もある。
材料的には、米中間選挙まで残り1ヵ月を切るなか、米中や日米をはじめとする貿易問題への関心が再び強まりつつある事だろう。また貿易問題と絡め、為替に関する懸念も台頭している。そのひとつが、先で報じた「米財務省高官、人民元下落を依然として懸念」、そして11日から開催されるインドネシアG20財務相・中銀総裁会議で、「為替問題が取り上げる可能性」についてだろう。いましばらくドルを積極的には買いにくい状況が続いても不思議はないようだ。
テクニカルに見た場合、足もとはドル高基調のなかの調整局面か。様相としては、価格ではなく時間調整の色彩が濃いものの、予断を許さない。
ちなみに、9月安値110.38円を起点とした場合のフィボナッチでは、38.2%押しが112.95円、半値押しが112.45-50円に。同様に8月安値109.77円を起点とすれば、38.2%押しが112.70-75円、半値押しは112.15円−−などとなる。いずれにしても、112円台にサポートは多く、かなり底堅そう。
一方、材料的に見た場合、幾つかの米経済指標が発表されるものの、いずれも小粒で市場の関心も低い。よほどの数字にならない限り、基本的にはノーインパクトか。ただ、カプラン・ダラス連銀総裁やエバンズ・シカゴ連銀総裁などによる講演が相次ぐだけに、それらには引き続き注意を払いたい。
また、それらとは別に、予算をめぐりゴタゴタが続くイタリア情勢なども気掛かり。ドルや円よりも、欧州通貨を中心とした価格変動にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.70-113.70円。ドル高・円安方向は、113.40円レベルに弱い抵抗が位置しており、抜ければ113.55-70円が次のターゲットに。そのレベルを超えれば、再び114円台回復がみえてくる。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の112.82円が最初のサポートで攻防が注視されている。ただ、そのスグ下、112.70-75円には前述したフィボナッチのテクニカルポイントが位置しており、かなり底堅そうな雰囲気も。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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