前週の主要レート(週間レンジ
始値 高値 安値 終値
ドル円 111.69 111.74 107.67 108.05
ユーロ円 127.27 127.36 122.55 123.18
ユーロドル 1.1395 1.1453 1.1327 1.1400
日経平均 16087.76 16238.51 15471.80 15821.52
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
4月4日(月)
週明けも金曜と同様に円買いが目立つ一日となりました。東京市場では、これといった材料が無い中でドル円、ユーロ円ともに円買いの動き、ユーロ円は127円を割り込む展開となりました。欧州市場に入り多少買い戻しも見られましたが、NY市場に入ると原油とNYダウが下げる動きとなり、リスクオフから再び円買い。ドル円は111.10レベル、ユーロ円も126.45レベルへとそれぞれ円高が進み、引けにかけてやや戻してのクローズとなりました。
4月5日(火)
円全面高の一日。東京市場開始とともに株価は16000円割れ、為替も歩調を揃えて111円割れと円買いが先行してのスタートを切りましたが、欧州市場序盤には110円台前半へと年初来高値を更新しました。菅官房長官の円高けん制と取れる発言も含め、何度か110円台後半へと戻す場面も見られましたが、ドルの上値が重たい展開が続き、安倍首相の通貨安競争は回避すべき、介入は慎むべきといった発言が伝わると一時109.95レベルと大台を割り込む流れ。しかし、大台割れのストップオーダーも付け、それなりに達成感も出たことから、引けにかけては110円台前半へと戻しました。
4月6日(水)
ドル円は、前日に大台割れを試したことで達成感が出る一方で上値も重くNY市場まで110円台半ばで膠着状態。いっぽうユーロは、目立った材料が無い中で対ドル、対円ともにじり安の展開を続けました。NY市場に入ると、ユーロドルが直近安値圏を若干下回った水準から急反発、ドル売りの動きがドル円にも波及し再び110円の大台を割れるとドル売りが強まってのFOMC議事録待ち。議事録の内容は、3月FOMCからイエレン議長講演までのハト派、タカ派発言を反映し、意見は割れていたものの全体としてはハト派のイメージで、株式市場は好感、為替市場はドル売りの動きとなりました。直後にドル円は109.34レベルまで水準を切り下げ、109円台後半へと戻して引けました。
4月7日(木)
連日の円高、株安。円高の動きは更に加速する展開となりました。安倍首相のインタビュー記事以降、介入警戒感が薄れ、調整らしい調整も無いままにNY市場で107.67レベルの安値を付けました。ユーロドルは東京後場に一時的にもみあいを上抜け高値を更新する動きも見られましたが、その後は再びレンジ内へと戻し、結果としてユーロ円も122.55レベルまで下値を広げました。
4月8日(金)
東京市場では前日安値から買い戻しが入り、株式市場大幅高も円安要因となって109.10レベルまで戻す展開となりました。円独歩高のスピードが速かったことに対する調整となりましたが、長期的なドル安・円高トレンドには変化は無く、既に110円の大台が遠く感じられることもあって、海外市場では再び円が買われる展開。目立った材料もない中、NY市場ではじり安の展開を辿りNYダウが後場に入ってから水準を下げたことも重なって、東京朝方の安値圏に押しての週末クローズとなりました。ユーロドルは細かな上下を伴いながら、NY市場ではドル売り(ユーロ買い)の動きとなったものの、直近もみあいの中での値動きに留まりました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
4月11日(月)
10:30 中国3月CPI、PPI
15:15 黒田日銀総裁挨拶
22:25 NY連銀総裁講演
26:00 (ダラス連銀総裁講演)
4月12日(火)
**:** IMF経済見通し発表
10:30 豪州3月NAB企業信頼感
15:00 ドイツ3月CPI確報値
17:30 英国3月CPI、PPI
21:30 米国3月輸入物価指数
22:00 (フィラデルフィア連銀総裁講演)
27:00 米国3月財政収支
28:00 (サンフランシスコ連銀総裁講演)
29:00 (リッチモンド連銀総裁講演)
4月13日(水)
**:** 中国3月貿易収支
17:00 オランダ中銀総裁議会出席(ECB金融政策について)
18:00 ユーロ圏2月鉱工業生産
**:** 本日から米銀1〜3月期決算発表が続く
21:30 米国3月小売売上高
21:30 米国3月PPI
23:00 米国2月企業在庫
23:00 カナダ中銀政策金利発表
23:30 米国週間原油在庫発表
25:35 オーストリア中銀総裁講演
27:00 ベージュブック
4月14日(木)
06:00 コンスタンシオECB副総裁講演
07:30 NZ3月企業景況感
10:30 豪州3月失業率
18:00 ユーロ圏3月CPI確報値
20:00 英中銀MPC結果発表
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 米国3月CPI
23:00 (アトランタ連銀総裁講演)
23:00 パウエルFRB理事議会証言
**:** G20(〜15日)
4月15日(金)
10:30 豪中銀金融安定化報告公表
11:00 中国1〜3月期GDP
11:00 中国3月鉱工業生産、小売売上高
16:00 トルコ1月失業率
18:00 ユーロ圏2月貿易収支
21:30 米国4月NY連銀製造業景況指数
22:15 米国3月鉱工業生産
22:15 米国3月設備稼働率
23:00 米国4月ミシガン大消費者信頼感指数速報値
25:30 (シカゴ連銀総裁講演)
29:00 米国2月対米証券投資
**:** IMF総会(〜17日)
4月17日(日)
**:** 産油国会合(産油量増産凍結がテーマ)
今週の週間見通し
ドル円は、先週もイエレン議長ハト派発言が米国利上げ思惑を後退させた流れが尾を引いている流れの中、日経平均株価が一段安となったことも重石となり円独歩高の流れを強める1週間となりました。週初の段階では「111円前後をサポートに、114円前後をレジスタンスとするほぼ平行のチャンネル」を一気に下抜ける週になるとは思わず、いったん調整局面入りを予想していましたが、日柄的にも値幅的にも想定以上の速さで連日の円高を見ることとなりました。
米国の利上げ思惑後退、株安といったこれまでの材料に加え、米紙における安倍首相のインタビュー記事で「通貨安競争は回避すべき、介入は慎むべき」との発言が、介入警戒感を後退させ、更なる円高を見込んで円買いを仕掛けさせる動きになったと言えます。菅官房長官による「円高の動きを注視」という発言よりも後に出てきたものの、時系列的な順序としては安倍首相の発言のほうが前だったことを考えると、インタビュー段階ではここまでの円高は想定していなかったとも考えられますが、現実的には口先介入をする程度で、実弾介入は(一気に100円をトライといったような)余程のことが無い限り困難であるというのが現在の市場参加者のコンセンサスです。
そうなると、長期的なドル安・円高トレンドは依然継続と考えざるを得ませんが、ターゲットとしてはFX羅針盤のコラムにも書いた通り、105円台前半は今回のトレンドにおけるゴールともいえる水準です。FX羅針盤コラムでも使った週足チャートをご覧ください。
ドル円週足
週足チャートに、コメントを追記してありますが、昨年2015年の値幅は115.86〜125.86の10円で、厳密には2014年12月安値115.59をベースにネックラインを考えるべきですが、ここでは直感的にわかりやすいことから2015年の値幅10円を使って説明します(長期の値幅観測なので数十銭は誤差の内と言えます)。
すると、2014年末から2016年初にかけて、長期のトップフォーメーションを形成し、そのフォーメーションのネックラインが115円台に位置しています。すると、高値からネックラインまでの値幅10円をネックラインから引いてあげたレートが、ターゲットとなるわけですが、これが105円台半ばという水準になります。
しかも、2014年10月の黒田バズーカ前の安値105.22ともほぼ一致し、現在の流れでは黒田バズーカ2以降の円安分を全て失い105円台をターゲットに動いていると、テクニカルには考えることが出来るわけです。ちなみに、ドル円が105.22を付けた時の日経平均株価は14529.03、現状の株安と円高がお互いに足を引っ張っている動きの中では、どちらも十分に視野に入れている流れにあると言えそうです。今週中に一気に行くとも思えませんが、先週のような速い動きが出て来る時には、いつ試しに行っても不思議ではありません。常に105円台がターゲットとなっているという認識で臨むべきです。
今週も色々と経済指標、発言は続きますが、さすがに年初来安値の更新はあってもターゲット達成にはもう少し時間が必要ではないかと見ています(先週もそう書いたのですが・・)。106.80レベルをサポートに、109.20レベルをレジスタンスとする見通しとしておきます。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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