<< 東京市場の動き >>
週明け24日の東京市場は、ややドル高・円安。米中貿易戦争懸念から、やや円高で寄り付いたものの、影響は限定的で、むしろ終日を通しては逆にドル買いが若干優勢だった。
週明け24日に「米が対中関税第3弾を発動」することなどを材料視し、ドル/円相場は先週末のNYクローズよりも若干円高レベルとなる112.40円前後で寄り付いた。しかし、本日は東京が休場となっただけでなく、中国など一部のアジアも休場で取引は閑散。売買は総じて手控えムードとなり、積極的な価格変動は見送られている。
クロスを中心とした円売りなどから112.60円台まで値を戻すも、ドルの上値は限定的。16時時点では、112.55円前後で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、米中あるいは日米を中心とした「貿易問題」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、ロイターが「米、日米首脳会談で市場開放を要求」、日経新聞が「政府、米国との2国間関税協議を視野」などと、日米問題について報じるなか、米中に関してはブルームバーグが「中国、今週の米中貿易協議を取りやめ」と報道、また予定通りに米国が対中貿易制裁・中国サイドも報復制裁に動いたことが明らかになっている。
対して後者は、聯合ニュースが「北委員長、12月にも訪韓へ」、米国務長官からも「政府は2回目の米朝会談の実現に取り組んでいる」と融和を期待させる内容が観測された反面、同じ米国務長官から「北制裁、完全な非核化を実現するまで緩和しない」といったクギを刺すような若干厳しめのコメントも聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルは先週末に一時112.87円まで値を上げ、113円台を完全に視界内に捉えた動きとなっている。リスクと言う点では間違いなくドル高にバイアスがかかりそう。単体というより、クロス円の上昇に連れる格好で、ドル/円がさらなる上値を試す可能性もある。なお、先週高値の112.87円が目先の抵抗となろうが、抜ければ113円ちょうど、あるいは7月高値の113.17円や年初来高値の113.38円などがターゲットになりそうだ。
材料的に見た場合、米中そして日米を中心とした貿易戦争懸念の高まりが、依然として指摘されている。とは言え、これまで再三再四指摘してきたように、先週までの米株をみると総じて堅調推移を続けており、巷間で取り沙汰されているほどマーケットでは不安視していないのかもしれない。いずれにしても、このあとも米株の動きには注意を払いたい。ただ、そうはいっても、先で報じたように、ついに米国が「対中制裁第3弾に動いた」ことを受けた米中間の抗争激化は否めないうえ、日米についてもNY時間23日に訪米した安倍首相がトランプ米大統領と夕食をともにし、早速「貿易問題について議論された」と複数メディアで報じられている。米中や日米などで議論の厳しさが改めて示されれば、一転して円買いに繋がる可能性もないではない。
テクニカルに見た場合、ポジションの偏りこそ気掛かりだが、リスクという意味ではドル高方向にバイアス。目先抵抗である先週末高値112.87円を超えれば113円前後がターゲットに。その先は、7月高値の113.17円、そして年初来高値113.38円などを目指す展開が見込まれている。
対する下値メドは、まず112.30-35円、112.05円など。それらを割り込めば、111円半ばがメドとなるが、その場合でもかなり底堅そう。
一方、材料的に見た場合、9月のダラス連銀景況指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債の入札も実施される見込みだ。それらは当然要注意。
ただ、本日はそれらよりも、前述した米貿易ファクターに注意を払いたい。米中要人による発言などのほか、24日に延期となった「日米貿易協議の第2回会合」も気掛かりだ。本丸は26日の日米首脳会談という気がするのだが、本日の会談についても動静如何で相場の波乱要因となりかねないだろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.00-112.90円。ドル高・円安方向は、先週高値112.87円。抜ければ113円台回復を意識せざるを得ない。
対するドル安・円高方向は、弱いサポートが位置する112.30-35円の攻防にまずは注視。割り込むと112円前後を目指す展開となりそうだが、下方向にテクニカルには多く底堅いイメージ。(了)
オーダー/ポジション状況
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