<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場は、ドル高・円安。それも「寄り付き安・大引け高」の展開で、ジリジリとした動きのなか、ドルの強さが目についた。
ドル/円相場は、寄り付いた112.45円レベルを日中安値にしっかり。当初は、昨日高値の112.55-60円で上げ渋るも、上抜けると夕方にかけては112.90円近くまで上値を拡大させている。日経平均株価が大引けベースで195円高となるなど、6日続伸となったことなどが好感されていた面もあったという。16時時点では、日中のドル高値圏である112.80-85円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「安倍政権に関する話題」について。
前者は、北訪問を終えた韓国の文大統領が、帰国後に記者会見し、金委員長が「可能な限り早期に完全な非核化を終え、経済発展に集中したい」と述べたことを明らかにしたと報じられるなか、米国務省のナウアート報道官から「米国と北朝鮮は協議をし、IAEAと米査察官が北朝鮮のすべての核施設閉鎖に立ち会うという認識を共有した」との発言が聞かれていた。
対して後者は、昨日自民党総裁選での3選が決定した安倍首相による「内閣改造は10月1日軸に実施へ、麻生財務相らは続投」と報じられたうえ、菅官房長官から「安倍首相が23-27日に国連総会に出席、25日に演説」との発表、また当初は21日とされていた「日米貿易協議の第2回会合は24日開催に延期」したことなどが明らかになっている。
<< 欧米市場の見通し >>
日米を中心とした株高もあり、ドル高・円安が続いている。ドルは本日東京時間に、112.85-90円まで値を上げてきた。113円台回復が名実とも視界内に捉えられた格好であり、抜ければ7月高値の113.17円や、年初来高値の113.38円などがターゲットに。ポジションの偏りは気掛かりだが、リスクがドル高方向に高いことは間違いないだろう。
材料的に見た場合、米中そして日米を中心とした貿易戦争懸念の高まりが、依然として指摘されている。たとえば、昨日も国際通貨基金(IMF)のライス報道官から「米の対中制裁が世界経済に大きな打撃をもたらす恐れ」との発言が聞かれていた。しかし、再三再四指摘しているように、それが米国を中心とした株価に示されておらず、むしろNYダウは8ヵ月ぶりとなる史上最高値を更新するなど上昇が止まらない。堅調な米株に支えられる格好で、ドル/円の上昇も続く可能性がある。
テクニカルに見た場合、過去2日ほどしっかりとは超えられなかった112円半ばを超え、ついに112.90円近くまで達してきた。113円台回復は目前で、7月高値の113.17円あるいは年初来高値113.38円などがターゲットになりそうだ。
なお先日、日経新聞が「年初来のドル/円相場の変動幅は9円を下回る低水準。それが変動相場制以降で最小となる可能性が徐々に意識され始めている」−−報じていたと指摘したが、ここ最近の実勢相場の動きを受けてドル続伸期待もジワリと高まりつつあるようだ。ちなみに、このままドル高方向に抜け、過去の平均変動幅を参考にすれば年内に115円を突破しても不思議はないかもしれない。
一方、材料的に見た場合、9月の製造業や同総合PMI速報といった幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。ここ最近発表される米指標は斑模様であるものの、全般的には好数字が目につくだけに、もちろん数字如何だが経済指標発表後はドル買いの反応を示す可能性も否定出来ない。
なお、本日の注目要因として当初指摘されていた「日米貿易協議の第2回会合」は、前述したように24日へ開催延期となった。油断は禁物だが、日米首脳会談などと合わせ、日米貿易問題についても来週に持ち越しになりそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.30-113.30円。ドル高・円安方向は、弱い抵抗が位置する112.90-00円の攻防にまず注視。ただ、しっかり超えれば7月高値113.17円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日までドルの抵抗だった112.40-45円が今度は逆にサポートに。割り込むと112円前後を目指す展開となりそうだが、底堅いイメージであり、少なくとも大崩れはなさそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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