ドル円112.50円到達9/7からの底上げ基調を継続(9/21)

9月7日安値110.38円からは18日午前安値111.65円までほぼ一直線の下値支持線を形成してきたが、20日もこの支持線を維持し、底上げからの高値更新パターンも維持している。

ドル円112.50円到達9/7からの底上げ基調を継続(9/21)

【概況】

米国が中国への制裁関税で2000億ドル規模の拡大を決定したことで9月18日午前に111.65円まで下落したが決定に特段のサプライズ無しとして買い戻され、中国による対抗措置としての600億ドル規模の関税強化も材料消化として18日午前安値からの上昇を継続し、19日には112.44円まで戻り高値を切り上げた。112.50円乗せに対する抵抗感もあって20日夜にかけてはジリ安で112円台を維持できるかどうかを試したが、20日夜の米経済指標が概ね良好な内容だったことやNYダウが史上最高値を更新したこと等を背景に112円割れを回避して一段高となり、深夜には112.58円まで戻り高値を伸ばした。
9月7日安値110.38円からは13日未明安値111.10円、18日午前安値111.65円とほぼ一直線の下値支持線を形成してきたが、20日もこの支持線を維持し、底上げからの高値更新パターンも維持している。

20日夜には英ポンド、ユーロ等が一段高した。英国のEU離脱をめぐっては合意できずに離脱強行となる可能性もあるが、市場は妥協的合意形成により悲観的な混乱は回避されると楽観しているようだ。米中貿易戦争問題での楽観的株高反応も為替市場におけるリスク選好性を高めている。

自民党総裁選については安倍三選確定報道直後に日経平均が一時急落する場面もあったが戻しており、大きな影響は見られない。金融市場にとっては安倍・黒田体制による金融緩和政策の継続性がプラスと受け止められている。

20日の米経済指標は堅調だったが、ドル安に若干のブレーキを掛ける程度でドル安基調は維持された。
週間の失業保険申請件数は20.1万件となり市場予想の21.0万件および前週の20.4万件を若干下回る良好なものだった。
フィラデルフィア連銀の9月製造業景況指数は22.9となり市場予想の17.0および前月の11.9から上昇した。この段階ではややドルが買い戻される兆しも見られたが一時的反応だった。
8月の米景気先行指数は前月比0.4%上昇となり市場予想の0.5%および前月の0.6%(0.7%へ上方修正)をわずかに下回ったが良好さを維持した。
8月の米中古住宅販売件数は年率換算で534万件となり、市場予想の535万件にはわずかに届かなかったが前月と同じだった。

NYダウは前日比251.22ドル高の2万6656.987ドルとなり史上最高値を更新した。ブルームバーグ通信が匿名筋の情報として中国が10月にも大半の貿易相手国に対する平均輸入関税率を引き下げる計画があると報じたために貿易戦争問題での楽観ムードが拡大したことも材料視されたようだ。この報道に対する米中当局による正式なコメントは出ておらず詳細は不明であり、米中の関税強化合戦への影響がどうなるのかは今後の続報を待つ必要があるが、中国が輸入拡大姿勢を示していること、人民元安を抑制していることは株式市場を楽観させており、株高が為替市場でのリスク選好性にも寄与している。

【60分足 サイクル、一目均衡表分析】

【60分足 サイクル、一目均衡表分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、9月13日未明安値から3日目となる18日午前安値で直近のサイクルボトムを付けて強気サイクルに入った。今回の高値形成期は14日深夜高値を基準として19日夜から21日夜にかけての間と想定されるので21日夜にかけてはまだ一段高余地ありとみる。また20日夜にいったん112円を試してから一段高したために20日夜安値でやや短縮されたサイクルボトムを付けてすでに新たな強気サイクル入りしている可能性もあるので21日夜から24日朝にかけて目立った下落なく続伸する場合は高値形成期が24日から26日にかけての間へ延長される可能性もある。112円割れからはいったん弱気サイクル入りとするがその場合の安値形成期は21日午前から25日午前にかけての間と想定されるため、短い下落で次の上昇期に入る可能性もある。

60分足の一目均衡表では18日夜からにジリ安で遅行スパンがいったん悪化したが20日夜の反騰で好転している。20日夜へ先行スパンに潜り込んだがその後の上昇で先行スパンを上抜き返している。両スパン好転中は高値試し優先とし、112円割れからは両スパンそろっての悪化が顕著となるので下落期入りとして遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は19日朝から19日夕への高値更新時に指数のピークが切り下がる弱気逆行を示していたが、20日夜の反騰で60ポイント超へ戻したため上昇再開感が出ている。20日深夜のピークも19日未明のピークを超えているので21日午前時点では弱気逆行も見られない。50ポイント台を維持するうちは上向きとし、50ポイント割れからは下向きとする。

以上を踏まえ、当面のポイントを示す。

(1)当初、112.00円を下値支持線、20日深夜高値112.58円を上値抵抗線とみておく。
(2)112円台を維持するうちは上昇余地ありとし、112.58円越えからは112.70円試し、さらに113円試しへ向かうとみる。112.70円以上は反落注意、113円以上は反落警戒とするが、112.30円以上を維持して終了なら週明けもさらに高値を試しやすいとみる。
(3)112円割れからは弱気サイクル入りとして18日午前安値111.65円試しを想定する。また112.20円以下で終了の場合は週明け序盤も安値を試しやすいとみる。

【当面の主な予定】

9/21(金)
13:30 (日) 7月 全産業活動指数 前月比 (6月 -0.8%、予想 0.1%)
16:30 (独) 9月 製造業PMI、速報値 (8月 55.9、予想 55.7)
16:30 (独) 9月 サービス業PMI、速報値 (8月 55.0、予想 55.0)
17:00 (欧) 9月 製造業PMI、速報値 (8月 54.6、予想 54.5)
17:00 (欧) 9月 サービス業PMI、速報値 (8月 54.4、予想 54.4)

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