<< 東京市場の動き >>
週明け3日の東京市場は、ドルが小安い。ただ、大きく崩れることはなく111円割れでは一抹の底堅さも。
週末には、米ホワイトハウスが「トランプ氏、11月のASEAN・APEC会議欠席」を発表−−するなど幾つかの気になるニュースが伝えられたが、ドル/円相場への影響は限定的。先週末のNYクローズとほぼ同レベルの111.05-10円で寄り付いた。
そののち111.15-20円の日中高値を示現するも続かず、一転してドル売りが優勢に。111円を割り込むと110.85円レベルまで値を下げた。16時段階では110.90-95円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、値動きそのものは大きくなかったが、豪ドルが対円で79.50-55円まで下落、2016年7月以来の安値を一時記録していた。
一方、材料的に、特筆された注目要因はなく、雑多なファクターが混在していたようだ。
たとえば、NAFTAに関しては、FOXニュースが「米最大労組トップ、カナダ抜きNAFTAは機能しないと発言」と報道したほか、「トランプ氏のオフレコ発言漏洩問題」が取り沙汰されたブルームバーグは、ワシントン支局長がツイッターで漏洩そのものを否定していた。
そのほか、「安倍首相、10-13日にロシア訪問へ」、「韓国大統領特使は南北朝鮮と米中の4ヵ国首脳会談提案へ」、「日銀総裁、金融市場は金融危機前の活況取り戻すに至っていると発言」−−などが話題になっていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、どうにも方向性のハッキリしない値動きが続いている。本日の東京時間も111円挟み、30ポイント強のレンジ取引だった。また、このあとの欧米時間についても、米国とカナダの市場がレーバーデーの祝日で休場となるうえ、週末に注目の米雇用統計発表などを控えていることもあり、積極的な売買は手控えられる展開か。つまり、狭いレンジ内での一進一退が続く公算で、引き続き動意の乏しい状況が予想されている。
材料的にも、マーケットの主役を担っているのはユーロやポンドなどのほか、トルコや南アフリカ、アルゼンチンなどの新興国で、実際にそれら通貨の価格変動も激しい。ドル/円は明らかに蚊帳の外と言ってよい。
ただ、具体的な日時は不明だが、先週ブルームバーグが「トランプ米大統領が9月第1週にも中国からの年2000億ドル分の輸入品に対する第3弾の制裁関税の発動を表明したい意向」−−と報じており、実際の動きがあればドル/円もさすがに動意づくことが見込まれている。
テクニカルに見た場合、先週から何度もレポートしているように、日足は一目均衡表の先行帯の雲に完全に取り込まれた格好となっている。ちなみに、小刻みな上下動はあるものの、110.60-111.60円といった推移が今週1週間を通して続く見込みだ。
ともかく、足もとは方向性を完全に喪失した状況となっている状況下、一目の雲をめぐる攻防に引き続き注意を払いたい。上放れた場合には112円台を回復し、8月1日高値の112.15円がターゲット。逆に下放れた際には、長期200日線なども程近い前回安値109.77円が視界内に捉えられよう。
一方、材料的に見た場合、本日は米国がレーバーデーで休場になることもあり、これといった米経済指標の発表などは予定されていない。ただ、エバンス・シカゴ連銀総裁がアルゼンチン中銀主催の会合に出席とされ、そこでの発言には一応要注意か。
また、日程不明だが前述した「米国による対中関税発動」をメインに、5日から再開される「米加のNAFTA再交渉」など波乱含みの米貿易要因にも警戒を要しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.50-111.30円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値にあたる111.15-20円が最初の抵抗。抜ければ111円半ばを目指す展開も否定できないだろう。
対するドル安・円高方向は、時間足などでは先週末に何度かトライするも割り込めなかった110.70円レベルの攻防にまず注視。たた、近いレベルに一目の雲の下限や、移動平均の25日線なども位置しており、だいぶ底堅いイメージも。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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