<< 東京市場の動き >>
31日の東京市場は、111円を挟んだ揉み合い。終日を通しての変動は25ポイントほど、横ばいに近い値動きだった。
ドル/円相場は110.95-00円で寄り付いたものの、積極的な動意に乏しい。110.90-111.15円といったレンジ取引で、終日を通して盛り上がりに掛ける動きだった。新規材料が乏しかったうえ、注目されていた日経平均株価が4日ぶりの反落となったものの、4円安にとどまったことで影響は軽微なものにとどまっている。16時段階では111円前後で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、本日も依然としてトルコリラは荒っぽい値動き。ただ、これまでは値を下げる局面が目立っていたものの、本日はリラが急反発に転じている。「トルコ中銀がリラ預金に対する税金を引き下げる」−−などといった一部報道が好感されていたようで、16円前半から17.30円台まで一時1円を超える上昇が観測されていた。
一方、材料的に、注視されていたものは、「トランプ米大統領ファクター」について。
前日から「米国への対応が悪ければWTOを脱退」、「来週にも2000億ドルの対中関税発動を支持する」といった報道が観測されるなか、その後も米国は「中国を為替操作国に認定するか検討」、「ロシア疑惑をめぐるNBC報道は『でっち上げ』と批判」、「セッションズ司法長官が少なくとも11月の中間選挙までは留任すると表明」、「経済は現在、米国史上で最高という見解を示す」−−など、発言や関連ニュースは枚挙に暇がないほどだった。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日、「先週末22日以降形成していた110.90-111.50円という、非常に狭いボックス圏を昨日NY時間に上抜けてきたため、リスクは上向き。ただ、今年の相場に多い『ダマシ』が気になる」−−と指摘したが、その後の展開を見ると、今回もやはりドルの上値トライは『ダマシ』だった感を否めない。7月末から8月上旬にかけて形成していた、110.50-112.20円といったレンジ取引が今後しばらく続く可能性も否定出来ないだろう。
材料面を含めて、トルコや南アフリカ、アルゼンチンなどが市場で大いに話題となっており、実際に通貨の価格変動も激しい。それからすると、ドル/円は明らかに蚊帳の外だ。再び脚光を浴びつつある「日米貿易問題」は要注意だが、新興国を中心とした材料と実際の価格変動に押され、目先に限ればそれほど大きな影響がないような気もしている。
テクニカルに見た場合、昨日は先週末22日からのレンジ上限である111円半ばを上抜けてきたことで、一目均衡表では今週1週間を通してほぼ横ばいに推移する雲の上限111.60円レベルも同時に超えた格好だったが、そののち日足は雲の中にしっかり戻ってきた。先にも書いたようにドルの上値トライは『ダマシ』だったようだ。
いずれにしても、足もとは再び方向性を欠いた状況となっている感を否めず、引き続き一目の雲(110.60-111.60円)をめぐる攻防に引き続き注意を払いたい。
一方、材料的に見た場合、8月のシカゴ購買部協会景気指数や同ミシガン大学消費者信頼感指数といった重要な米経済指標の発表が予定されている。事前に予定されているものとしては、きわめて大きな材料であり、その内容は要注意だ。
米経済指標の発表を除くと、やや材料に欠けるものの、日程的には一応の期限とされる本31日を迎え米国とカナダによるNAFTA再交渉が如何なる決着を見るのか、その行方を注視する向きも少なくない。ただ、内容はともかく、妥結と言うことになればドルの支援要因に!?
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.20-111.40円。ドル高・円安方向は、東京高値の111.15円レベルが最初の抵抗。抜ければ一目の雲の上限が位置する111.60円程度がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、110円半ばに弱いサポートが位置しているが、割り込むようだと移動平均の52週線などが位置する110.20-25円などが意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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