<< 東京市場の動き >>
28日の東京市場は、ややドル高に振れるもレンジ内。昨日高値である111.35円レベルに面合わせしたものの抜けられず、111円前半を中心とした一進一退に終始している。
ドル/円相場は111.05-10円で寄り付いたのち、ドルがじり高推移。昨日高値に面合わせする111.35円レベルまで値を上げたが、上値は重く超えられず。その後は本日高値から小緩むと、111円前半での揉み合いとなり、16時段階では111.15-20円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、ドル/円以外も為替市場は全般的に動意が乏しいなか、仮想通貨は一時急騰。ビットコインは6700ドル半ばから6800ドル後半へ、100ドル以上も値を上げる局面も観測されている。
一方、材料的に、もっとも注視されていたものは、「NAFTA」をめぐる動きと「北朝鮮情勢」について。
前者は、昨日「米国とメキシコが基本合意」と伝えられるなか、残るカナダの動きに注視集まる。関連のニュースや発言として、トルドー加首相「米大統領との電話会談は建設的、進展を歓迎」、ロイター「加外相が28日ワシントンへ、協議に復帰」、メキシコ外相「合意はカナダ不同意でも有効」−−などが観測されていた。
対して後者は、政府が18年の防衛白書を発表し、「北の核は重大な脅威、米朝会談後も変化なし」との見解を示したほか、米紙WPは「米の訪朝中止の裏に秘密書簡、非核化進まずと判断か」などと報じ、物議を醸していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
今年のドル/円相場は、「動きそうで動かない」という非常にもどかしい展開が多いが、足もとも111円半ばの抵抗が超えられず、再びレンジ取引に陥っている感を否めない。実際、先週末22日からの値動きをみると、以降は110.90-111.50円といったかなり狭いボックス相場をたどっているようだ。さすがに60ポイント幅という極狭のレンジ取引が長期化するとは思われないため、ともかくまずは足もとの膠着相場を、上下どちらに放れるのか、その方向性を注視したい。
材料的には、米国関連ファクターとして「米貿易問題」が依然として注目を集めるなか、トルコを中心とした「新興国リスク」が再び取り沙汰されはじめている。また、ここにきて支援を卒業した「ギリシャ」や、財務問題をメインに「イタリア」への懸念も広がりつつあるようだ。予断は許さないが、ユーロなど欧州通貨を中心とした価格変動が続く可能性も否定できない。
テクニカルに見た場合、一目均衡表では依然として110.60-111.60円レベルと、おおよそ1円程度のボックスを形成している先行帯の雲のなかに、日足が埋没している。ちなみに、一目の雲は今後2週間程度、細かな上下動はあるものの、前述した110.60-111.60円といったレベルを維持。つまりほぼ横ばいに推移することで、上下どちらに、そして「しっかり」とブレークするのか、その方向性が注視されているようだ。
一方、材料的に見た場合、8月のリッチモンド連銀製造業指数や同消費者信頼感指数といった重要な米経済指標の発表が予定されているほか、米財務省による5年債入札も実施される見込みで、それらは当然要注意。ちなみに、前者である米経済指標だが、先日発表された8月のミシガン大学消費者信頼感が約1年ぶりの低水準に悪化したことから、本日の指標も悪化を懸念、ドル売り要因になりかねないなどと警戒する声が聞かれていた。
また、前述したように「加外相が28日ワシントンへ、協議に復帰」とされることから、NAFTAをめぐる動きにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.70-111.70円。ドル高・円安方向は、今週のドル高値である111.35円レベルが最初の抵抗で、抜けても前回高値の111円半ば、一目の雲の上限が位置する111.60-65円などに次の抵抗が観測されている。上値は重い雰囲気だ。
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線や一目均衡表の基準線が位置する111円前後が目先のサポートに。実際、昨日安値も110.94円までで、25日線などがサポートとして寄与している感を否めない。割り込んだ場合には、一目の雲の下限が横這い推移する110.60-65円がターゲットとなりそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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