<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場は、ドルが小じっかり。値幅そのものは30ポイント強にとどまり、やや手控えムードが強かったが、一時111円半ばまで上昇し、直近のドル戻り高値を更新する局面も観測されていた。
ドル/円相場は、111.25円前後で寄り付いたのち、ドルはじり高推移。日中高値である111.45-50円まで値を上げている。前日比73円高で寄り付いた日経平均株価が続伸し、終値ベースで同190円高となったことなども、好感されていたという。16時段階では111.30-35円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、もっとも活発な動意を示していたのはユーロであり、対円やドルで緩やかな右肩上がり。対円では129円直前まで上昇している。また、「モリソン財務相が新首相就任」と報じられた豪州情勢を受け、一時急伸するなど、豪ドルがやや荒っぽい
一方、材料的に、もっとも注視されていたものは、引き続き「米貿易問題」と「北朝鮮情勢」について。
前者に関しては、22-23日に実施された米中次官級協議はなかば予想どおりの結果で、WSJ紙は「目に見える具体的な進展はなく、貿易摩擦が早期に収束する見込みは低下しつつある」と報じていた。そうしたなか、「中国、追加関税めぐり米をWTOに提訴」、「中国商務省、米中は貿易で意思疎通継続」−−といった報道が観測されている。
対して後者は、米報道官から「国務長官は訪朝時に北委員長と会談せず」との発言や、聯合ニュースによる「米国務長官訪朝後、日米韓外相会談開催を調整」との報道のほか、別途北メディアからは「北朝鮮、米朝関係の停滞は米国の制裁が原因」といった批判した記事が配信されていた
<< 欧米市場の見通し >>
ここ数日は、円全面安の様相で、ドル/円も21日に記録した109.77円を安値として本日東京時間には111円半ばまで上昇している。目先安値からは2円近い上昇をたどっている計算だ。ドルの下値リスクはかなり軽減された感を否めないばかりか、むしろ短期的なリスクは上方向にバイアスがかかりそう。テクニカル分析のひとつである、7月高値113.17円を起点としたフィボナッチの観点からすると、下げ幅の38.2%戻し111.05-10円を上抜けており、次のターゲットは半値戻しの111円半ば、あるいは61.8%戻し111.85-90円か。それらを超えれば、いよいよ112円台回復が現実味を帯びてくる。
材料的には、引き続き「米貿易問題」が潜在的なリスク要因としてくすぶるものの、目先は米中次官級協議を終えたこともあり、基本的には小康か。それに代わり、本日注視されるのは、「パウエルFRB議長によるジャクソンホールの講演」となろう。FRBは年内にあと2回の利上げを実施するとの見方が有力で、うち1回は9月に実施される公算が大きいと予想されている。今回の講演でも、その線に沿った発言が見込まれるものの、トランプ米大統領が「米利上げに根強い不満」を持っているだけに、微妙なトーンの変化を警戒する先も少なくないようだ。
テクニカルに見た場合、110.60-65円で横ばいに推移する一目均衡表の先行帯の雲の下限を回復したばかりか、111.60-65円に位置する同上限をうかがう様相を呈している。攻防には十分に注意をしたい。
なお、リスクという点でも基本的にはドル高方向にバイアスがかかるが、111円後半は前述した一目のほかフィボナッチなど、複数の分析方向でテクニカルポイントが集中している。一本調子の続伸は見込みにくい、とするとの見方が有力だ。
一方、材料的に見た場合、7月の米耐久財受注速報が発表されるほか、25日までの予定で米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(通称;ジャクソンホール講演)が実施される見込み。
後者については、カンザスシティー連銀が公表した出席者リストに、ドラギECB総裁と日銀の黒田総裁、日欧中銀総裁の名前がなく欠席が濃厚。とは言え、パウエルFRB議長を中心とした出席者の講演はやはり要注意だろう。ちなみに、パウエル氏の講演は日本時間24日23時ごろからになるもようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.80-112.00円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である111円半ばが最初の抵抗。ただ、上抜けても111.60-65円には一目の雲の上限、111.85-90円はフィボナッチのポイントにあたるなど112円は近くて遠いイメージだ。
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線や一目均衡表の基準線が位置する111.05-20円が目先のサポートに。割り込んだ場合には、一目の雲の下限が横這い推移する110.60-65円を目指す展開となりそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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