<< 東京市場の動き >>
15日の東京市場は、おおむね揉み合い。111円前半、40ポイント足らずのレンジ取引で方向性はやや乏しかった。
ドル/円相場は、寄り付いた111.10-15円前後を日中安値にドルが小じっかり。そののち111.40-45円まで値を上げたものの、上値は重く、高値示現後は上げ渋る展開となった。前日に498円と大幅高で引けた日経平均株価が再び弱含み、終値ベースで151円安となったことが嫌気され、ドルの上昇を阻んだ面もあったという。16時時点では111.20-25円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、ここ数日荒っぽい変動が目につく仮想通貨だが、本日はリップルやイーサリアムなどを中心に堅調裡。自律反発とみられる買い戻しが断続的に観測されている。
一方、材料的に、もっとも注視されていたものは、「トルコ問題」と「北朝鮮情勢」。
前者については、ロイターが「米高官、トルコに追加制裁警告、牧師釈放へ圧力」と報じるなか、「トルコが米国製品の一部への税率を引き上げる方針示す」との報道が観測されている。対して後者は、朝鮮中央通信が「ロシア大統領、北に祝電を送り会談の意志を伝達」などと報じたうえ、米国務省のナウアート報道官から「我々は平和体制構築を支持しているが、主要な焦点は朝鮮半島の非核化だ」との発言が聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
週初13日に110.10円の週間安値を示現後、ドルは底堅い値動きをたどっている。時間足など短期のチャートを見れば一目瞭然だが、順調に下値を切り上げているようだ。たとえば、昨日NY時間に111円台を回復したのち、以降のドルは一度も下回っていない。ドル強気派にとっての好循環が維持されれば、飽くまでもジリジリとした値動きだろうが、さらなる上値を試す展開も否定出来ないだろう。
材料的には、米中そして日米を中心とした「貿易問題」への警戒感がくすぶるものの、ここのところ小康。足もとでは、あまり俎上(そじょう)にものぼらなくなってきた感を否めない。そうしたなか、関心が高いのは「トルコ問題」や「合意なきブレグジット(EU離脱)観測」のくすぶる英国情勢など。広義でいえば、欧州関係のニュースの方を注視する参加者が多いようだ。もちろん、そのバリュー次第だが、欧州通貨主導の展開はいましばらく続く可能性もある。
テクニカルに見た場合、一目均衡表においては、現在急上昇をたどる先行帯の雲の上限に沿う格好で、ドルは下値を切り上げている。ちなみに、一目の雲の上限は昨日110.45-50円で、本日は110.95-00円、明日は111.15-20円に位置する見込み。引き続き、ドルのサポートとして寄与することが出来るのか、ザラ場ベースの動きはもちろんのこと、NYクローズも気になるところだ。
対して、ドルの上値メドは、移動平均の25日線や一目の基準線、フィボナッチで見た場合のテクニカルポイントなども位置する111.55-70円になる。抜ければ、いよいよ112円台回復も。
一方、材料的に見た場合、8月のNY連銀製造業景況指数や同NAHB住宅市場指数などの米経済指標が発表される。いよいよ注目の「8月」分のデータが示されるだけに、その内容はしっかりと見極めたい。一部のエコノミストからは、「通商摩擦懸念やドル高、中国などの世界減速が重石になる」などといった指摘も聞かれていた。
また、それ以外では「米貿易問題」をはじめとする、これまでの懸案事項に関する発言や、続報などに要注意。最近は、記者会見の予定がなくても、トランプ氏のように自身のツイッターで考えを示す政治家が少なくなく、相場のかく乱要因として警戒されている感も否めない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.90-111.90円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値である111.40-45円が最初の抵抗か。抜ければ前記したように移動平均の25日線など複数のポイントが位置する111.55-70円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日NYに上抜けて以降、一度も下回っていない111円レベルの攻防にまずは注視。110円台半ばから後半にはサポートも多く底堅い雰囲気だ。(了)
オーダー/ポジション状況
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