ドル円反落、トルコ情勢泥沼化懸念で(8/16朝)

15日の海外市場でドル円は反落。東京時間にはリスク回避の後退から111円台半ばまで上昇したドル円でしたが、

ドル円反落、トルコ情勢泥沼化懸念で(8/16朝)

ドル円反落、トルコ情勢泥沼化懸念で

15日の海外市場でドル円は反落。東京時間にはリスク回避の後退から111円台半ばまで上昇したドル円でしたが、昨夕もトルコの裁判所が米牧師の釈放請求を拒否し、また、米国に対して報復関税を発表する等トルコ情勢が悪化したことから、再び危険避難の円買い>ドル買いが強まりました。
ドル円は深夜に一時110.43まで日中高値から約1円下落しましたが、その後カタールがトルコに150億ドルの直接投資を行うとの報道が流れるとやや戻し、東京時間7:00現在は110.70近辺で取引されています。

トルコショックの余波で、各国の株式が売られ、ユーロ売り、円買い等が燻る中で、「震源地」のトルコリラには買い戻しが入り、ドルトルコは6.0近辺、トルコ円も18円台半ばへと最安値から見ると大きく買い戻されています。ただ、この上昇は地場行への流動性供給やスワップ規制強化によるから売りポジションの買戻し等、トルコ中銀の対応策による影響が強いものと思われます。
短期的にはこれらの措置は相場の行き過ぎを抑える意味で必要なものですが、根本的な問題である米国との関係改善やインフレに対する適切な金利の引き上げが行われないままこの状況が長引くことは危険です。
当局が人為的に歪めた相場が、最終的にはより急激で致命的な相場変動を誘発することは、古くはポンド危機、アジア通貨危機時のタイバーツ、最近ではスイス中銀のフランの無制限介入の敗北まで過去ほぼひとつの例外もなく証明済みです。

トルコ情勢が米土の大統領の意地の張り合いによるチキンレース化の様相を強めている現状ではトルコリラの反発は不気味ですらあり、ドル円も一段の下げを警戒しておくべきものと思われます。

ドル円反落、トルコ情勢泥沼化懸念で

ドル円15分足

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