<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場は、膠着相場。終日を通した値幅は20ポイントに届かない状況で、オープンからクローズまでほぼ横ばい、ベタ凪商状のまま終了している。
ここ数日、動意の乏しいドル/円相場は、111.40円前後で寄り付いたものの、東京時間に入っても流れは変わらず。目立った変動はほぼなく、111.20-40円程度、20ポイント未満の膠着状態に終始している。前日比6円高で寄り付いた日経平均株価が、終値ベースでは155円高となったものの、連動性は乏しく為替市場の反応はいまひとつだった。16時時点では、111.30-35円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、為替市場は全般的に小動きだったが、唯一別格だったのはトルコリラ。対円では前日まで一段安をたどっていた流れが一変し、20円半ばから21円半ばへと1円程度も大きく値を戻している。
一方、材料的に、もっとも注視されていたものは、継続案件である「米貿易問題」と「北朝鮮情勢」に加え、「米イランの対立」と「トルコ関連のニュース」について。
今回は後者2つについて幾つか例を挙げると、米国がイランに対する経済制裁の一部を7日に再発動するのを前に、EUのモゲリーニ外相と英仏独3ヵ国の外相が「対抗措置発動」とした共同声明を発表したほか、イラン国営放送は同国のロウハニ大統領が、トランプ米大統領が無条件での首脳会談を提案したことについて「イランへの脅しをやめるべき。まず制裁を撤廃し、それから対話を呼び掛けるべきだ」と述べ、即座には応じない考えを示したと報じられていた。
対して「トルコ関連のニュース」としては、前日に「トルコ中銀が市中銀行の外貨流動性を高めるため、準備預金のルールを変更した」ことに続き、本日早朝にはCNNトルコが「米国とトルコの当局者が会談へ」と報じ、トルコリラ反発の一助になっていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
一年でもっとも為替市場の変動が乏しいのは、世界中で日本(東京市場)だけがオープンしているクリスマス前後なのだが、ここ数日の変動はそれに匹敵するようなベタ凪商状だ。実際、本日東京時間の変動が20ポイントに届いていないうえ、先週末NYから値動きも111.10-55円程度に過ぎない。トルコリラのみ、ひとり気を吐いている格好だが、大局的には俗にいう「開店休業」状態に陥っている状況にある。いずれにしても、こうした膠着相場をどのタイミングで脱することが出来るのか、放れる方向性とともに警戒を要したい。
材料的には、米中そして日米の貿易問題への関心が高い状況に変化はみられない。とくに後者は、9日に実施される「日米新貿易協議の初会合」の行方を見極めたいとの向きも多く、足もとの動意を手控えさせている感を否めないだろう。ただ、前述したように、「米国がイランに対する経済制裁の一部を7日に再発動する」とされる反面、欧州などから対抗措置に関する報道も観測されており、これがマーケットの波乱要因となる可能性も取り沙汰されていた。
テクニカルに見た場合、期間によって異なる、幾つかのレンジを形成している状況だ。そのなかで、まずは前述した先週末NYからのレンジ、111.10-55円をめぐる攻防に注意を払いたい。
敢えて言えば、「日米新貿易協議」の行方などをにらみ、下方向に抜けていく公算が大きい気もしないではないが、上放れの可能性もなくはない。ちなみに、レンジを上抜けた場合は3日高値の111.85円や112円などを目指す展開、対して底割れした場合には110.70円レベル、110.58円の前回安値がターゲットとなりそうだ。
一方、材料的に見た場合、JOLTSによる6月の雇用動態調査など幾つかの米経済指標の発表が予定されているものの、正直マーケットの関心は低く、基本的にはノーインパクトか。ただ、実施される米財務省による3年債入札を注視している向きは少なくない。利上げ継続への懸念などで応札低調なら、米債金利上昇とドル高を支援する可能性はある。
また、継続案件である「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「米イランの対立」などに関するニュースや続報にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.00-111.80円。ドル高・円安方向は、昨日記録したドル高値の111.53円が最初の抵抗で、抜けると3日高値の111.85円レベル、112円前後などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末に時間足などでは数回トライして抜けることがなかった111.10円レベルの攻防にまずは注視。割り込むようだと、110.70円レベルや先週安値の110.58円などが視界内に捉えられそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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