ドル円依然レンジ取引雇用統計で方向性でるか(8/3夕)

3日の東京市場は、連日のレンジ取引。終日を通した値幅はわずか20ポイント程度と、ほぼ動きらしい動きは観測されていない。

ドル円依然レンジ取引雇用統計で方向性でるか(8/3夕)

<< 東京市場の動き >>

3日の東京市場は、連日のレンジ取引。終日を通した値幅はわずか20ポイント程度と、ほぼ動きらしい動きは観測されていない。

ドル/円相場は、111.55-60円で寄り付いたものの、新規の手掛かり材料難。早朝を安値に底堅いものの上値も重く、結局のところ111.55-80円といった前日に続く20ポイント強のレンジ取引、方向性は皆無に近かった。週末かつ実質的なゴトー日ということでの仲値需給なども一部で期待されていたが、結局不発。影響は限定的だった。
16時時点では、111.65-70円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に、もっとも注視されていたものは、「米貿易問題」と「北朝鮮情勢」。
前者については、フォックスが「ロス米商務長官、中国は対中関税引き上げ提案の影響は軽微と発言」、「中国外相、ASEANで『歴史の流れに逆行』と米国を批判」などといった報道が観測されたことに対して、後者は「トランプ氏が北委員長から書簡を受理、のちに感謝のコメントも」、WSJ紙「ロシアが北労働者の受け入れ継続、安保理決議違反か」、「北外相がシンガポール入り、ASEAN閣僚会議出席へ」−−などのニュースが話題に。

<< 欧米市場の見通し >>

形成レンジを一旦上抜け(下抜け)したものの、値は走らず、結局レンジを多少広げただけで再びボックス圏に」−−というのは、今年の相場によく見られる特徴。今回も、足もとはそんな経験則を完全に踏襲している感を否めない。昨日からの形成レンジ、111.30-80円はさすがに狭すぎると思うが、111円台を中心とした一進一退から、今週の形成レンジである110.70-112.20円に、しばらくはとどまっても不思議がない気もしている。
材料的には、引き続き米中そして日米の貿易問題の動静に注目が集まるなか、本日ということではやはり発表される米雇用統計の内容に要注意だ。ちなみに、先日発表されたADB雇用統計は5ヵ月ぶりの大幅増となったこともあり、今回も改善期待が優勢となっている。したがって、良い数字よりも悪い数字が出た際の方にインパクトがありそうだ。
なお、本日ではなく週末ファクターだが、4日から始まるASEAN閣僚会議出席への北朝鮮外相出席も気掛かり。一部で噂されている日朝外相会談の行方なども注目だ。動静如何では、来週初めの為替市場が荒っぽい値動きでスタートすることも!?

テクニカルに見た場合、上下とも攻めにくく足もとはレンジ取引の様相を呈している。週間を通して1円しか動かなかった先週よりは動いているが、それでも110.70-112.20円といたところで変動は2円にも満たない。2週続けての小動きに終わるのかどうか、米雇用統計発表という注目材料が控えているだけに、レンジブレークの有無に注意を払いたい。
ちなみに、レンジを上抜けた場合はフィボナッチから見たポイントの112.25円や112.60円などがターゲットなり、それも超えると再び113円台が視界内に。対して下方向に割り込むようだと、今週は110.95円レベルに位置する週足・一目均衡表の先行帯の雲の下限を目指す展開となりそうだ。

一方、材料的に見た場合、7月の雇用統計や同ISM非製造業指数という米経済指標が発表されるほか、幾つかの米企業の決算発表も見込まれている。うち、雇用統計については基本的に前述したとおりだが、ここ最近は、いわゆる非農業部門雇用者数以外の数字に反応することも多いだけに、失業率や時間当たり賃金などの数字にも一応要注意。
また、継続案件である「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「米・イランの対立問題」、「米露関係」など政治的な注目要因は目白押しだ。本日だけでなく週末を含め、続報には注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.00-112.20円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値である111.80円レベルが最初の抵抗で、抜けると112.15円や、それに極めて近いフィボナッチの観点から見た抵抗である112.25円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期的に見た111.30-40円がまずはサポート。割り込むようだと、先週末安値の110.70円レベル、先週安値の111.58円などが視界内に。

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