<< 東京市場の動き >>
12日の東京市場は、ドル高・円安。前日記録した戻り高値を再び更新するなど、ドルの強さが目についた。
ドル/円相場は、111.95-00円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。112円挟みの値動きとなったが、上抜けると前日に記録した戻り高値112.17円を更新し、一気に日中高値である112.35-40円まで値を上げた。
その後は、やや上げ渋るも底堅く、112円は一度も割り込まず。日経平均など株価が堅調に推移したこともあり、16時時点では112.20-25円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易戦争」に関するニュースなど。ブルームバーグが「中国商務省次官、最近の米貿易対応を批判」などと報じるなか、米WSJ紙は「米追加関税、対応に苦慮する中国、報復手段を模索」、ブルームバーグは別に「米中両国の当局者が通商協議再開の可能性を示唆」−−と報道、最後に伝えられた「通商協議再開の可能性」がやや好感されていた面もあったようだ。
そのほか、米CNNが、ポンペオ米国務長官による先週の北朝鮮訪問について、「ホワイトハウスが『あり得る限り最悪』の展開になったと受け止めていることが分かった」と報じ、一部で物議を醸していた。
<< 欧米市場の見通し >>
前日に面合わせはしたものの、抜けられなかった5月高値111.39円を昨日の欧米時間にしっかりと超えただけでなく、そののち112円台まで上値を伸ばしてきた。今週だけでドルは2円を超えるドル高の進行で、ポジションの偏りは気になるが、リスクという点ではドル高方向にバイアスがかかりそう。ちなみに、本日の東京高値である112.35-40円は、昨年11月高値114.74円を起点とした、大きな下げ幅の76.4%戻しにあたるテクニカルポイントであるため、まずはその攻防に注目。ただ、上抜ければ、年初来高値の113.39円も視界内に捉えられそうだ。
材料的には、引き続き対中をメインとした「米貿易戦争」絡むニュースが気になるほか、現在進行形のトランプ米大統領の欧州歴訪にも要注意。後者に関しては、昨日トランプ氏はメルケル独首相と会談し、融和観測を演出したが、一方で「ロシアに大金を支払っている」などと強く批判したとも報じられている。本日も関連ニュースなどには注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、先週4日以降形成していた110.80円を上限した狭いレンジを上抜けたことに続き、111.40円レベルが天井になっていた大きなボックス圏も突破している。ポジションの偏りだけは気掛かりだが、新たなドル高ステージに入った感も否めない。まずは、本日の東京高値である112.35-40円の攻防に注目で、上抜ければ113円台回復、年初来高値の113.39円も視界内に捉えられそうだ。
それに対するドルのサポートは、118.66円を起点とした週足ベースの長期下降トレンドラインが位置する111.65円レベルで、少し下の111.40-50円には同じ週足の一目均衡表の先行帯の雲が位置している。
ドル/円 週足
一方、材料的に見た場合、6月の消費者物価という米経済指標が発表されるうえ、米財務省による30年債の入札が実施される見込み。また、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁やハーカー・フィラデルフィア連銀総裁による講演も予定されており、そちらに対する関心も高い。
さらには、前記した「トランプ米大統領の欧州歴訪」も引き続き要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.80-113.00円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値の112.35-40円で、抜ければ年初来高値の113.39円がターゲットとなり、113円台回復も現実のものに。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値である111.90円レベルが最初のサポート。割り込んでも、週足ベースの長期下降トレンドラインが位置する111.65円レベル、少し下の111.40-50円には同じ週足の一目均衡表の先行帯の雲が位置するなど底堅そう。
オーダー/ポジション状況
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