<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場は、わずかながらドルが続伸。前日記録した戻り高値111.06円を更新する局面も観測されていた。
ドル/円相場は、110.80-85円で寄り付いたのち、日経平均など株価の動きをにらみつつ、なかなか激しい上下動。前日記録した戻り高値を更新する日中高値111.10-15円まで一気に値を上げたものの、振り落されると今度は一時110.75円レベルへと値を下げた。
しかし、安値を記録後は再びドルが買い進まれると「行って来い」。夕方にかけては111円台を回復し、16時時点では111.05-10円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「米貿易戦争懸念」。6日に「対中制裁関税を発動」という状況下、トランプ米大統領「米欧当局者、近く関税措置めぐり協議を実施」、毎日新聞「『20%』の米自動車関税、日本にも実施の可能性」、麻生財務相「米中貿易摩擦は世界経済にも影響を与える問題であり、エスカレートなら二国間以外にも影響」−−といった要人発言や幾つかの報道が観測されていた。
そのほか、米国で講演した河井自民党総裁補佐が「北朝鮮は事実上の核保有国」と発言、CNNは米国防情報局の話として「北委員長に完全非核化の意図なし」と報じるなど、北朝鮮情勢が一部で再燃していた感も否めない。
<< 欧米市場の見通し >>
目先安値を記録した6月26日以降、昨日まで日足は5日(営業日)連続の陽線引け。そして、本日もこのままNYを大引ければ陽線引けとなる。そんなところにも示されているが、ドルは前述した目先安値109.37円を記録後、一貫して緩やかな右肩上がりだ。調整らしい調整は一度も観測されていない。リスクはドル高方向で間違いなく、このあと5月高値111.39円をトライする可能性が取り沙汰されているものの、ポジションの偏りなど理由に、一時的な調整についても警戒感を抱く声は少なくないようだ。
材料的には、前段でも指摘した「米貿易戦争懸念」が依然としてドル高の足かせとなっている感を否めないが、かなりの部分が織り込まれたのか、マーケットの反応は鈍くなっている。また、明4日は「米独立記念日」で金融市場が休場、本日も米株と米債は短縮取引となるだけに、一部からはドルの上値トライは週末にかけての持ち越しになるとの指摘も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、5月高値111.39円を視界内に捉えた動きで、早くもその攻防が警戒されている。また、仮に上抜けた場合には週足・一目均衡表の先行帯の雲が今週位置する111.45-70円レベルの攻防がターゲットに。かなり雲が薄い状況だけに、環境的には週足が上抜けし易いともいえそうだ。さらなるドル高の進行にも一応要注意。
一方、材料的に見た場合、5月の製造業受注指数や同耐久財受注確報など、幾つか米経済指標が発表される予定となっている。若干小粒で注目度が低めの指標であるものの、短期ポジションの偏りもあり、悪い内容だった場合には明4日の休日を前にした調整売りの材料にされる可能性も取り沙汰されていた。
また、米貿易戦争懸念が警戒されるなか、回避に向けた要人会談なども実施される見通しだけに、何らかの進展があるのかどうか、各国政治要因にも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.50-111.60円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である111.10-15円が最初の抵抗で、抜ければ5月高値111.39円が名実ともターゲットに。その上となると、週足・一目の先行帯の雲などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、110円半ばに弱いサポートは位置しているものの、強いものとなると移動平均の200日線が位置する110.20円レベルか。過去1週間ほどはドルの下値を順調に切り上げてきただけに底堅いイメージもあるが、ポジションの偏りだけは気にかかる。(了)
オーダー/ポジション状況
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